■ツーリングレポート セロー 北海道

 

2013北海道ツーリング?記

<3>


あ~、花って落ち着く…

 

 

garage Ak!rA

 

<2013年8月17日>

朝は霧でもいいんです

 キャンプ恒例の早朝起床は午前4:30……なのだけれど、外は濃い朝霧で真っ白だった。

 そして洗面とトイレを済ませて戻ったところでテントアウターに当たるパラパラというかすかな音。
 うむ、では慌てずもう一眠りっと。


テントから覗くとこんな感じ

 6:20am、霧は相変わらずだが雨の気配は無くなった。
 スマホでレーダーを確認すると、今日向かう東&北方面に雨雲はなし。「よ~し、んじゃ出かけるぞ~!」

 昨夜はぐっすりと眠れたので昨日の疲れは残っていない。
 「連泊するんだし」といつものエアマットの下にもう一枚おやすみマット(バスマットと呼ぶ人もい る)を敷いたのが効いているのかもしれない。
 気温も暑くなく寒くなく、インナーテントをメッシュにしてぴったりの感じだった。今日の日中もこんな感じだと気持ち良いのだけれど。

 7時丁度、準備完了。

 ご家族連れも泊まっているキャンプ場なので、セローは土手の向こうまで押していく。
 「あ~(ほぼ)空荷のセローって軽くて楽々ぅ~」

 エンジン始動、発進。

 行動食の朝飯はもちろんセイコマ…ではなくてセブンイレブン。パンのラインナップに新鮮味が無くて残念だけど挽き売りのコーヒーは素直に安くて旨い。

 道道13をぼへぼへ走っていたら、牧草地の中に盛り上がった施設(?)があった。


突然ぽかんと

 近くには寄れなかったのだけれどかなりの大きさ。ぱっと見、戦時中の格納庫跡の よう。(帰ってきてから調べたら掩体壕とか)

 う~む、この道は何度か通っているはずなんだけど覚えが無い。前に見たことあったかなぁ…
#そういえば似た画像撮ったような記憶もあるんだよな

 時間の経過と共に霧も晴れてきた。うきうきとペースを上げながら、路肩でネタ 画像を撮ってみたりもする。


魂の入った仕事ってのは良いものです

 8:00丁度、中標津
 市街地の脇には太いバイパスが通り、大型施設が沢山できていた。なかなか繁盛してるじゃないか中標津。

 ここで昨夜出来なかった給油を済ます。朝、念のためにと履いてきた下半身の雨具も収納。

 更に晴れてきた空にうんと一伸び。

 今日はこのまま東へ走って海へ出てから野付半島を回り、その後知床へと向かう予定。
 晴れると綺麗なんだよな、知床横断道路はさ。

 ★

始まりは突然に

 そしてそれはそのバイパスを抜け、海まであと5kmという辺りだった。

 道は相変わらずの直線路、ペースは1.3IS(IppanSeigen:意訳)。
 加速・減速もなくぱたぱたと巡航している最中、突然、エンジン左側からチリチリとした音が 聞こえはじめた。

 あれ?と思う間もあればこそ。1、2秒後に「プチンッ」

 「あ艦コレあかん奴や!」(い や、その時はそんな余裕はありませんでしたが)

 プチンの直前に反射的にクラッチを握ったのは、多少は(長いだけの)経験のおかげだろうか。

 そのままエンジンストール。車体を路肩に寄せて停止。

 う~、絶対ヤバいぞこれ。確実にエンジンの中で「何か」が起こったぞ…

 電装系確認。全て異常なし。
 ニュートラルランプを再確認して恐る恐るセルを回す(←今考えると試すのは危険だった)と、 シュイーンとセルが空回り。
 いや「セルが」じゃないな、クランクは回ってる感じだし。ってことは?

 そうだと思いついて工具を引っ張り出す。今回工具は結構な量を持って来ているのだ。

 熱アチ騒ぎながらカムカバーを外すと、「うわ~、やっぱり外れてる~」
 カムチェーンがだらりと垂れてきましたとさ。


腰下に落ちなくて何より


中でチェーンが暴れて削れた跡が


ゴメンなさい、路肩にオイル垂らしちゃいました


ま、そろそろ5万kmだから何があっても不思議じゃないんですが
(250cc空冷単気筒クラス的には)

 ひとしきり路肩に座り込んで呆けてみる。「あ~、今日はそこそこ良い天気になりそうだな~」

 「よーし!起こってしまった事は仕方ない!災害対策 班召集!対応作業開始!」(災害対策班=俺)

 さて、現状からするに、カムチェーンを張りなおせば(もちろんバルタイを合わせて)エンジンが復活する可能性も無いわけではない。

 ただ、「外れた原因」が不明のままだ。

 発生したのは加減速していない巡航中なので、外的要因ではなくエンジン内部に問題があるのは間違いない。
 カムチェーンが外れるというのは余程のこと。もちろん単なる伸びの可能性もあるけれど、チェーンスライダとかチェーンテンショナとか(あるいは俺が思いつきもしないような部品とか)が劣化・破断して起きた可能性の方が高い。

 そしてそれらはいずれにせよ(エンジンを開けて確認した後)部品交換しなけれ ば直らない。
 またカムチェーンが外れたという事は、ピストンとバルブがぶつかっている事も覚悟しなければならないだろう。

 「災害対策班より報告!修理は不可能であります!」

……というわけで、現地での修理はすっぱりとあきらめましたとさ。

余談:
 もちろん近隣のバイク屋を検索して連絡してもいるのだけれど、「お盆休み中である」(ヤマハのパーツセンターも動いていない)「エンジンを開けてみない と原因も対応もわからない」という至極真っ当な回答だった。
 つまりここ(北海道)で直すのであれば、それ相応の期間とその後の輸送手段(と金額)が必要になるという事だ。

 「了解、災害対策班は継続して今後の対策を検討せよ!」と命令を下して、さてと考える。

 幸いにして、手元にはHMGのロードサービスカードがある。
 これでレスキューは頼めるとして、問題はどこへ持っていってもらうかだ。

 もちろん自宅までは無理(無料ロードサービスは50kmまで:実はいろいろあったので後述)と して確実なのはどこかのバイク屋だが、修理ではなく保管だけ頼めるのだろうか?北海道には冬の間バイ クを預かるサービスもあるとも聞くのだけれど。

 ともあれ連絡。

 カードはHMGだがレスキュー対応はジャックス(カード会社)が行うらしい。専任の担当者はさすがで話はさくさくと進む。

 レスキューのローダーは地元中標津の修理工場から来るらしい。そちらの担当者からも連絡があったので相談すると、「あ、いいですよ、1ヶ月くらいならうちの工場で預かってあげますよ」

 「マジですか!いや助かります助かります!ありがとうございます!」
 電話で相手の顔は見えないがぺこりと一礼。"地獄で仏”をひしひしと感じさせられる嬉しい出来事だった。

 そのローダーが来て積み込み。

 工場まで送っていただく最中あれこれ話をすると、この方はZZR1400にも乗るライダーだっ た。
 それはそれはとオン&オフの話。「オフ車持ってないんだけどせっかく北海道にいるんだから欲しいんだよねぇ」というのでWRを薦めてみる。(身長がある&モトクロス的に乗りたいそうなので)
 今後北海道の中標津付近で1台売れたらそれは俺のおかげということで(略)


積み込まれました

 工場の応接室であれこれ手続き(帰りのフェリーのバイク分キャンセルとか)& 話の最中、「日程がまだ3日あるからレンタカー借りようと思っているんですよ」と話し たら、メジャーレンタカー会社を業販価格で紹介して頂いた。
 いや、何から何までお世話になります…(謝)

 念のためにバッテリー端子を外したセローは工場内にしっかりと保管された。
 何れ迎えを寄こすからそれまでゆっくり休むんだぞ。

余談:
 そして先のHMG(ジャックス)のロードサービス話
 
 今回の輸送距離は50km以内でもちろん無料だったのだけれど、後に聞いたら「更に自宅から100km以上離れた場所でのトラブルの場合、修理後の自宅 への輸送も無料」だそうなのだ。

 もちろん栃木県在住の俺は100km以上に該当する。
 最初は「これ使えば自分で手配したク○高いバイク配送費用が不要だったのかぁ~!」と頭を抱えたのだけれど、これは「現地修理後」が条件だった。

 現地でエンジン開けての修理を頼んだとしたらかなりの費用がかかっただろうし、できれば自分で直したかったし、ついでに弄りたい・チェックしたい場所も あるし、そう考えると「バイクそのままで陸送を手配する」という今回の手続きはそう悪いものではなかったのかもしれない。
※と自分を納得させる(笑)

 いろいろ完了。レンタカー会社まで「ついでだから」と車で送って頂いてしまう。
 あ~良い人に出会えたなぁ、帰ったら個人的にお礼しなきゃ。

 レンタカー手続き完了。
 セローに積んであった荷物一式をリアシートに乗せ、見送られて店を出る。

 「ま、起きてしまったことは仕方が無い。さ~て、これからどうするかな~、まだ午前中な んだよな~」


ともあれ、レッツ!ムーヴ!


本日の(バイクでの)走行距離:50kmくらいかな~
本日の教訓:これで先代V-Maxの回数に並んだな、トラブルの回数が。(駄目)

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

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