■06:はじめてのバイク用ウエア・ジャケット|本音で語る・はじめてのバイク用品

 

06:はじめてのバイク用ウエア・ジャケット

06:はじめてのバイク用ウエア・ジャケット

 

一朝一夕にはいきません

 次はウエア、ジャケットについてです。
 これも難しいんですよねぇ。乗っているバイクや好みはもちろん、住んでいる地域によっても必要な機能が変わってきます。北海道と沖縄じゃ気温が大違いですからね。
 その意味で、私の住んでいる北関東の内陸部というのは夏は莫迦みたいに暑く、冬は恐ろしく冷え込むのでこの手の記事を書くのには良い環境なのかもしれません。
 尚、バイク用ウエアとしての最重要項目、プロテクションについてはプロテクタのコンテンツを参照ということでお願いいたします。

夏ジャケット

/ 王道・定番・一般論 /

・暑くてもTシャツでの走行はNG
・夏の走行にはメッシュジャケットを着て。

///  俺的本音  ///

 いえね、ホント、ここ数年の夏の暑さといったらもう恐ろしい程なわけで。
 いくら北関東の夏が暑いっても、気温35度以上なんてのはこれまで考えもしなかったわけだからねぇ。

 栃木の田舎でこれだから都会の渋滞なんてのは酷ぇものでしょうな。焼けたアスファルトの上にエンジン抱えてじっとしてりゃ、そりゃクラクラしてきますって。

……ってなわけで、夏にバイク買った人は迷わずメッシュジャケットを買ってくださいな。

 メッシュジャケットってのはその名のとおり、ジャケットの大部分が網状の素材になっている。
 だから風が通る。涼しい。半袖Tシャツと違って腕が陽に焼けることもない。
 夏のバイク用ウエアとしてはほぼベストな選択なわけですよ。

messyujaketto
これはちょい極端なメッシュジャケット
ここまでスケスケなのはあまりありません

 んで、「ほぼ」って書いたのはちょい注意もあるんでね。

 例えば気温の変化への対応が難しいこと。

 「日中暑いから!」ってメッシュ着こんで遠出して、高い山へ登ったら気温が15度下がったとか。
 高速頑張って走ったら風が通りすぎてヘックションとか。
 帰りが遅くなって陽が落ちて急に冷え込んできてブルブルとか。

 そんなときにちと辛い。だからツーリングに出る時これ1枚だとちょい不安になる。
 結果、別途インナーウエアとかウインドブレーカー的なものを持ち歩く事になるわけですよ。

 加えて先に書いたような炎天下の渋滞の時。
 メッシュは確かに風が通るんだが、これも動いている時だけ。つまるところ渋滞で止まってる時はさほど涼しくないんだよねぇ。

 そんなこんなで俺はこれまで「メッシュジャケット不要論」を説いてきたわけだ。
 ファスナー的なものでベンチレーションを開け閉めする「エアスルータイプの方が便利だぜ論」を唱えてきたわけだ。

エアスルージャケット
「ファスナー的なものでベンチレーションを開け閉めする」の例

 そんな俺でさえねぇ、ここ数年の暑さときたらねぇ……(再)

 やっぱりね、夏にバイクを買った人は、最初はメッシュジャケットを買ってくださいな(再)

冬ジャケット

/ 王道・定番・一般論 /

・冬のバイクはとにかく冷える、寒い。
・冬には専用の防寒ジャケットを。防水が便利。

///  俺的本音  ///

 そう、とにかく冬のバイクは寒いんだ。

 雨具のコンテンツにも書いた通り、バイクで走ってると前から凄い風が当たってくる、だから生半可なジャケットじゃまったく対応できねぇわけで。
 例えばマイナス気温が前提で作られてるスキージャケットも、台風並みの風の中で耐える事までは考えられて無ぇからねぇ。

 「中に着込めばいいじゃん」ってのも正論ではあるんだが、アウター(ジャケット)で風が防げないと中で頑張っても効果がいまいち薄い。

 そしてあんまりモコモコパンパンになっちまうと運転自体がし難くなる。もちろん見た目の恰好も今一つ。
 ま、俺なんかはそんなパンパン姿で走ったり・走らざるを得なかったりする事も多いんですがね。

 ってなわけで、冬はやっぱしっかり防寒の効いた専用ジャケットを着て、中のインナーの類はシンプルにするのが一番なんですな。

 首周りのガード、手首のカバー、前合わせ二重(以上)なんてのは、バイク用冬ジャケットならまずフォローしているので問題なし。後は肝心な保温性。

 そう、冬ジャケットの保温性、「どれだけ風を通さないか・暖かいか」ってのがメーカーの腕の見せ所でもあるわけだ。
 結果、素材やらなにやらでいろいろ新作が出る、能書きの付いたものが多くなる。

 これが買う側にとっては迷わされることしきり。なんてったってこれまで聞いたこともない素材の名前がポンポン出てくるからねぇ。

 そんな中「今年出た新素材!」「これからはこれが主流に!」を試すか、昔からある奴を信用するか、この辺りはお好みでってことでね。

 どうにも迷ったらこの呪文、「高機能であるほどお値段が上がっていく」
 ある意味、暖かさってのは価格とトレードオフなのかもしれないねぇ。

 そうそう、これは忘れなく「防水」の表示のある奴を選んでくださいな。
 雨具のところでも書いた通り、厚い冬ジャケの上から雨具着るのは面倒だし、かといって冬に濡れるとエラいことになるんでねぇ。

冬ジャケット
もちろん俺が使ってるのも防水タイプ

スリーシーズン・オールシーズンジャケット

/ 王道・定番・一般論 /

・ベンチレーション開閉、インナーを付け替えて一年中使えるから便利。
・どんな場所を走っても大丈夫、汎用性が高い。

///  俺的本音  ///

……ってなわけで、夏用と冬用が尖がった機能(?)になると、中庸なジャケットが欲しくなるわけですよ。
 そして正直、一番長期間使う・使えるのもこのタイプなんですわ。

 先に書いた通り、俺がメインで着てるのはVMAXでもセローでもスリーシーズン(春~秋)のエアスルータイプ

 メッシュじゃないから高い山でも安心。平地ではそこいらじゅうにファスナーのベンチレーションが付いてるから多少でも動いていれば風が入ってくる。
 初春晩秋にはちょい寒いけれど、その分は中に着るモノでなんとかする。

 この手の奴、便利だと思うんだけどねぇ。
 残念なことに最近このタイプが減ってきていて、選ぶ楽しみが無くなりつつあるわけですよ。
 ま、これも昨今の夏の暑さが尋常じゃねぇからだと思ってますがね。

 んで、そんな汎用性大好きの俺だからオールシーズン使える奴はもっと気に入るかと思いきや、実はそうでもないわけで。

 オールシーズンモデルってのは、専用インナーを付けたり外したりして長い期間使うことができる。
 一見便利なんだが、中途半端になりがちでもある。

 真冬や真夏には力不足。そして春秋に着るにはちょいゴツく、インナーの付け外しでサイズ感が違ったりする。

 正直俺はあんまり食指が動かないんだよねぇ。
 上に書いた機能的にもなんだが、何より年中同じジャケットじゃつまらねぇって思うんですわ。通勤通学で毎日使うってンならまた別なんでしょうが、こちとら100%遊びなんでねぇ。

 んで、この系でちょい毛色の違う奴に「アドベンチャージャケット」なんてのもある。

 同じオールシーズンモデルではあるんだが、ロングツーリングに特化したモデル。
 大抵は上下セットで、防水はもちろんオフロードでの使用(汚れ)も考えられている。

 これさえ着てりゃぁ何時、どこ走っても大丈夫って能書きだ。
 普通のオールシーズンが中途半端に感じがちなのに比べ、こっちには「アドベンチャー」ってお題目がある。

 正直、普段使いするにはちと大げさなんですがね。それでも出先で脱がない・歩かないって限定でなら結構使えるように思わないでもない。

 ま、この場所で語るべき「はじめての」からは外れてる気はしますがねぇ。
 機会があれば俺も試してみようと思ってますよ、ちょいお高いのが難点ですがね。

革ジャケット・皮ジャンパー

/ 王道・定番・一般論 /

・バイクにはやっぱり革ジャンが合う。
・オンロードバイク乗りならぜひ購入を。

///  俺的本音  ///

 そう、「オンロードバイクには革ジャン」
 この意見に反対するつもりは毛頭無し。とにかく格好良いからねぇ、革ジャンは。

 んでもね、言い方を変えると「カッコいい」しかメリットは無いんですわ。

 革ジャンは夏は暑く、冬は寒い。
 そう、革ってのは決して暖かくない。風を通さないだけで保温性は低い。むしろ冷えやすくて寒く感じる。
 バイク乗って無ぇ人からすると「冬の革ジャンって暖かいんでしょ?」かもですが、決してそんなことは無いわけなんでね。

 夏と冬に使えないから快適に着られる期間が結構短い。

 加えて重い。着ていて疲れる、肩が凝る。
 プロテクションの機能だってさほどでなし。転んで最初のガツンがどれくらい防げるのかは神の味噌汁。

 「んじゃなんでロードレースで革ツナギを使ってるの?」といえば、革の引っ張り強度のおかげ。
 転んでのズザザザザにはめっぽう強い。だから未だにレースで使われてるんですな。

 つまるところ、一般人が一般道で使うのにはあんまりメリットが無ぇんですよ。
 んじゃなんで皆着てるかといえば、「格好良いから」もうこれが全て。

 だから、革ジャン買うって決めたら、妥協せず、自分が格好良いと信じた奴を買ってくださいな。

 そしてこれも革の大きなメリット。ちゃんとメンテすれば何十年も使えますからねぇ。

革ジャン
これももう30年モノ

全体として

……とまぁ、好き勝手書いてきて、最後に全体的な話なんですがね。

 バイクジャケットが市井で揶揄されることにデザインがある。「なんであんなデカデカとロゴ付けたウエア着てるんだ?」って言われてる。

 確かにまぁ、他のスポーツ・ウエアではなかなか見ない現象ではありますな。はっきりとは判らねぇんですがおそらくバイクレースの影響だと思うんですがねぇ。

 この点「はじめての」的にはちょい躊躇する部分かもしれませんが、ま、「そういうものだ」とあまり気にしないようにしてくださいな。最近はロゴデカでないモデルも増えてきてますからねぇ。

 そして逆の意味ですが、おしゃれデザイン(?)のパーカーとか。

 俺に言わせると「パーカーはヤメろよ!バイクにフードなんてのは邪魔でしかないんだよ!せめて外せるようにしといてくれよ!」なわけですよ。
 この辺りも機能とデザインの妥協の結果なんですかねぇ?ホント最近、パーカーが大繁殖していてねぇ……

……とまぁ、今更ではありますが、どんなジャケットが良いかなんてのは人によって大きく違うわけです。

 だから革ジャン同様「気に入ったデザイン」を最優先してくださいな。
 そこそこ知られたメーカーの品なら、バイク用ジャケットとして最低限必要となる機能は満たしていると思うんでね。

 あ、そうそう、文中ではあえて触れなかったんですが最後にもう一度あらためて。
 「どんなジャケットでもプロテクション・プロテクタを忘れずしっかり付けてくださいな!」

※参考

>・ワークマンメッシュジャケット+α購入&実走行記

>・30年目の革ジャン記

>・春夏ウエア ラフアンドロード RR7234購入記

>・夏ウエア KOMINE JK-010購入記


 
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