北へと向かいましょう
■2年ぶりですね
朝3時半、船内に高らかに響き渡る起床ラッパに起こされる。【嘘】
船内放送によれば、船の着く小樽は今のところ晴れているとの事。
やれやれ、とりあえず雨具を付けてのスタートはしなくて済みそうだ。
買っておいたおにぎりとカレーパンを爽健美茶で流し込んで行動食摂取完了。
これで当面は大丈夫、今日のちゃんとした朝飯(というかブランチ)はお目当てのお店で食べるんだもんね。
荷物を持って車両デッキ。
あれこれ完了。そしてそこのBMW、下船には順番があるんだからそんなに慌ててバタバタしないように。北海道は逃げていかないんだからさ。
ごとごと下船は5時半というあたり。「また来たど~!北海道お~!」
お約束画像
先のサイトを観てくれていたお二人とも軽くご挨拶。「んじゃまぁどこかで」とお別れする。
さ~て、んじゃ俺も走り出すかぁ!
行くぜぃ!
★
国道5号→337→231と北へと向かう。
今日の目的地は、オロロンライン・最北端経由でオホーツク側のクッチャロ湖だ。
小樽から海沿いを時計回りに走るこのルートは、北海道ツーリングの定番と言えばあまりに定番。
「だが何事にも定番は大切なんだからな。2年ぶりの北海道、楽しむぞ~、お~!」
★
石狩川付近ではいつぞやの例(取り締まり)もあるのでゆっくりと。今年もあちこちでやっているって聞くわけだし。
走るにつれ風が強くなってきた。
雲の動きは激しいけれど、心配していた天気はここまでは問題なし。というかなかなかの上天気にも思えるような。
ちらりちらりと青空も覗けるし、気温も昨日の東北道と同じくらい。パーカーのベンチ閉めで丁度良い感じなのだ。
セローのぱたぱたという排気音を楽しみながら北上を続ける。
いつもの「北海道らしい景色が始まる場所」で記念撮影。
ホントここ、海と街が綺麗に収まるんだよな。(撮影の腕が無いので伝わるかは微妙)
やっぱ伝わらないですね…
ここから先、国道は海沿いとなる。
海だ海だ
以前このルートを走っていて「トンネル増えたよなぁ」と書いたのはもっと北の方での話なのだけれど、今走っている辺りにも同じようにトンネルが増えている気がする。
現在工事中の箇所も多数。
確かに冬や荒天時にはこのほうが走りやすいに違いない。海が見えなくなるのは残念だけれど、観光客としてはあまり贅沢は言わない方向で。いろいろ事情もあるみたいだしね。
増毛を「また髪の話をしている…」と駆け抜ける。
留萌の街中が凄い立派でびっくりする。ここ、こんなに大きな町だったっけ?(←失礼)
★
8時半、いつぞやのマイナー風車のある丘。
それっと駆け上がると…なんと何かの施設を建設中で風車の袂は進入禁止になっていた。
むーこれは残念、でもまぁ年月経てば状況が変わるのは仕方ないよな。
なのでマイナー風車は遠めから
その先、メジャー風車は以前のままだった。
天気も薄曇りをキープ。これ幸いと記念画像撮影に勤しんでみる。
メジャー風車はそれなりに
よしよし
羽幌手前で給油、もちろんホクレン。
北海道での最初の給油だし、せっかくなので旗を買う。(150円)
道北扱いの青旗、今年のデザインはワンピースとのコラボとのことで片面はワンピースキャラ。子供には良い土産になるかもね。
アヲハタ
そしてこいつは、とままえ"だ"ベアー
★
さすがに上がってきた気温に、パーカーのベンチレーションを開ける。
そして「さてこの辺りに…」と探したのは、以前偶然見つけた素敵な海鮮丼を出すお店。
今日はここにブランチに寄って、今度こそ大盛りをかっ食らってやろうという計画だ。
程なく見つけたお店は…「え~!開店は11時ぃ~!?」
今はまだまだ10時前。さすがにあと1時間をこのあたりで潰すことはできない。
土産物屋がメインで食堂は付属だから仕方ないとはいえ残念無念。というか、楽しみにしてたなら前もって自分で調べてこなきゃダメだよな。(11時~15時のみ営業とのこと)
★
失敗した失敗したと先へと進む。
うー、ここでのブランチをあてにしてたから昼までは腹が持ちそうに無い。ならセイコマでも寄ろうかな。
そしてトイレにと寄った道の駅の向かい側に、この時間から営業している食堂を発見する。
よし、セイコマは後にしてここにしよう。(←腹が本格的に減ってきた)
羽幌といえばやっぱり甘海老。店でも一押しっぽいので甘海老丼をオーダーする。
「うん、間違いなく甘海老丼だわ」
これをそれ以外のどんな名前で呼べというのか
もちろん味は文句なし…なのだけれど、この数の甘海老は食べるのに手間が…(特に尻尾だけでなく頭の味噌もやっつけようとするとね)
げふ~と出発。
そして国道へ戻る際、何故かまるっきり反対方向へと曲がり、先に給油したGSを見て気づくという失態を冒す。
以前「方向感覚には自信ある!」とか偉そうに(略)
ついでにと海老臭い指で確認したスマホの天気レーダーによれば、残念な事に北にはやはり雨雲が広がっているよう。
でもまぁ、降ったら雨具着ればいいんだし。(腹が膨れておおらかな気持ちに)
★
11時、今年初のセイコーマート休憩。
ブランチを済ませてあるのでグランディアブラックとゆでとうきびのみ。
やー、やっぱセイコマのとうもろこしは凄いな。何が凄いって、包装のビニール破った瞬間ちゃんと茹でとうもろこしの香りがするんだもんなぁ。
また会えてなにより、の2
この辺りの国道232には並行して走るダートがある。
人気の無いのをいいことに思う存分砂埃を立てて走ってみる。
ぶはぁっ
遠別ではこれまた海沿いのダートへ。天気が悪くならないうちにたっぷり走るぞー
※そして出口の2kmダートの砂が深くて涙目に。
こちらは本当に海沿いの道
★
国道232から道道106
道の駅てしおを華麗にスルーしてオロロンラインへと侵入する。
※地図上ではここまでもオロロンラインではあるのだけれど、ライダー的にはここから先こそがオロロンライン。
お馴染みの風車列には撮影者多数。へっへっへ、でもオフ車ならもっと寄れるんだもんね。
北緯45のモニュメントはちょいうらぶれてきたような。前はもっとピカピカしてたように思うんだけど。
また増えた…かな?
北緯45度
オフ車ならではのわき道へも
オロロンライン。
周囲から人工物が消え、地面は緑一色に染まっていく。
左手には青い海。空に曇は多いけれど風はそよそよ。そんな中、センターラインの引かれた道路がゆるやかにうねっていく。
「ああ気持ち良いわ~、やっぱここは凄いわ~」
ぼーっと走る。バイクは北行き南行き共に多し。ピースサインの返答率はほぼ100%。
おろろ~ん
ぴ~す
★
13時、抜海あたりで小休止。
さーてこの先の天気は?とスマホを覗いて驚いた。
朝のうち、この先のノシャップや宗谷はすっぽりと雨雲に包まれていた。だが今の北端に雲はない。
そして移動したと思われるその雨雲は、今は後方の羽幌あたりで凄い雨を降らせている。
あれ?俺、どこで雨雲とすれ違ったんだろ?途中、雨の気配なんてなかったぞ?
「ま、晴れ男の俺様であればこれくらいは不思議でもなんでもなく…」とかなんとか呟きながら(傲慢)交差点を海沿いへと曲がっていく。
雨ならショートカットするつもりだったのだけれど、この天気ならノシャップ岬へも寄っていこう。
ノシャップ岬。
お馴染みイルカのオブジェは年月のせいかなかなか味のある色合いになっていた。
イルカ久しぶり
もちろんお約束も
稚内の市内を抜け日本最北端方面へ。
途中「自然冷蔵施設」という白いものに囲まれた施設があったので、すわ「雪で囲っているのか!」と見に行った、ら白いのは貝殻だった。残念残念。
★
宗谷丘陵。
例によって北端までは行かず、手前の郵便局の裏側から登ってみる。
(新)白い貝殻ロード(宗谷丘陵フットパスの一部)は相変わらず綺麗だけれど、撒かれた貝がずいぶん細かくなっていた。
メジャーになって通る車も増えたのだろうか。
白さは相変わらずでした
ホタテ貝がメインかな?
ハイカーの方と会釈してすれ違い、路肩にセローを停めて小休止。景色を眺めていると、突然ポツリと雨粒が落ちてきた。
「ありゃ?雨雲レーダーには何も無かったぞ?」
そしてこの瞬間にスマホへメール着信あり。
それは今日宿で会う予定の、お馴染みコタロー氏からの現状報告でしたとさ。
「そうか、これが雨の原因か」
※「雨雲を引き連れて走る男」「雨雲の無いところに雨を降らせる男」のサブネームを持つ氏。今後はそれに「メールで雨を呼ぶ男」の称号が加わることになる。
メールをゴミ箱へ突っ込み破棄した瞬間、雨はどこかへと消え去り、空は何事もなかったかのように晴れ間の差す上天気へと戻っていった。
よしよし、さーて、んじゃ宗谷丘陵を散策しますかね。
★
ハイカーのコースでもある貝殻ロードには休憩用のベンチが新設されていた。
そしてそこにぽつんと残されたセレブ風のサングラス。これにはいったいどんなドラマが隠されているのだろうか。
#先にすれ違ったハイカーの忘れ物かも?とUターンして聞きにいったけど違うとのことで。
置かれたサングラスがお分かりいただけるだろうか?
その先は上ったり下ったり、広かったり細かったり、舗装だったり砂利だったり。
いや~今更だけど、オフ車だと路面を気にせず走れて楽しいなぁ。
晴れ間万歳
牧草ロールは外せません
もちろん舗装路だって見晴らしよし
「元祖・貝殻ルート」のゲートも開いていたので数年ぶりに覗きに行く。
こちらも相変わらず綺麗、緑の草原の中をうねって走る白い道にをををと感動する。
右の先まで続いてます
★
高原の景色を満腹になるまで堪能したところで海沿いへと降り、最北端のモニュメントのある宗谷岬の駐車場へと向かう。
さすがにバイクで一杯の駐車場。
隙間を見つけてセローを停め、やれやれとヘルメットを脱いだところへ、見覚えのあるTMAXとゼファーが入ってきた。
あれはどうやら先のメールのこたろー氏とその同行氏。
凄いタイミングだけれど、会いに行く前に今脱いだヘルメットはきちんと下向きにして、グローブは防水バッグにしまって、これで濡れて困るようなものはもう無いよな…(対策)
やぁやぁどうもどうもとご挨拶。
数日前から北海道を走り回っていたお二人、どうやら今日は俺と似たようなコースで回っていたらしい。
最北端のモニュメントでお約束の画像の撮り合いをして、さっきメールを貰った時にねぇと話はじめたら、案の定急にばらばらと雨が落ちてきた。
ヘルメットの中が濡れる!と慌ててバイクの元へ戻るこたろー氏を尻目に、そんなことは対策済みだぜとニヤついてみる。
雨は(俺が空を睨んでいたら)30秒程でですっぱりと止んだ。さて、んじゃ出発しましょうか。
これはまぁお約束
んで、「本当の北端はもっと先だ!」と言われたので
★
北端のGSで給油してお土産に貝のお守りを貰うのも久しぶり。
雨の気配はすっかりと消え、ドライの路面を3台で東(南)へと走る。
猿払、さるるんライン(命名俺)=エサヌカ線
「あれ?ここから入るんじゃなかったっけ?」という交差点には「いわゆるエサヌカ線はこの先です」の看板が立っていたのでスルーし、再度の案内看板で曲がっていく。
後で調べると、元来の入り口には集落があるのでそれを避けるよう案内板ができたとの情報があった。
そうだよなぁ、明け方とかに爆音バイクで通られたらたまったものじゃないからなぁ。(これは何処でも一緒だけどね)
★
さるるんラインは相変わらずの何も無さだった。
地平線まで続く道で一通り遊んだ後、お二人と分かれて俺は海沿いのダートへと向かう。んじゃ後で宿で会いましょう。
相変わらず凄い場所ですね
原生花園横の海沿いダート。
うむ、では行ってみようか。
行きましょう
って、いきなり出てきても何もやらんぞ
しっしっしとキツネを追い払い、それっと走っていたら5台ほどのグループに追いついた。
こんなところで珍しいなとしばらく後を追い、道を譲られたので先に行く。
うん、譲られたのならやっぱペース上げないといけないよな。
ちょい上げ(?)で走る。
荷物が重いのは覚悟済みとして、ところどころにある砂溜まりが危なくて仕方ない。
ずざざざとかドバーン(?)とか。
ヤメて~!!助けてー!!と一人騒ぎながら走っていたら、2台ほどが追いついてきた。
先のグループかな?んじゃ今度は先に行っていただいてっと。
「やー、前走ってくれてると楽だわー、複数台でダート走ると面白いわー」
それそれと一気に走りきって分岐へと差し掛かる。
先の1台から「この先抜けられんですかね?」と聞かれたのだけれど、一度通っているはずの俺の記憶もいま一つあやふや。
んでもまぁ、俺は行ってみますよ。
後続を待つグループと別れ、ここから先は一人旅…なんだったんだけどさ!
道が荒れる。道自体はしっかりしているのだけれど、積もる砂が深く、かつ細かくなっていく。
先のルートの砂溜まりが延々続くような感じ。一部は砂というより粉のようにサラサラだ。
今度は叫ぶ余裕すらなく、前後輪ともしっちゃかめっちゃかになりながら走る。
転ばなかったのは幸運と言うより、単にわだちが深くてタイヤが外れなかったからだろう。
飛ばされそうになる度に路面を足で蹴飛ばすのだけれど、いつしかブーツの中が砂(粉)まみれに。
ええい!どこから入ってくるんだこの砂は!
★
「行き止まりだったらやだなー。このルートでUターンはしたくないなー」とビクビク走ったのだけれど、その先、なんとかエサヌカの途中に復帰することができた。
「あー疲れたぁ、あとブーツが粉粉だぁー」
へとへとになって、クッシャロ湖畔の宿へ到着する。こたろー氏・同行氏との合流にも無事成功。
いやぁ、今日は初日だというのに良く走った&遊んだわ。
さあ夕食はジンギスカンの食べ放題だっ!
お世話になります
食うぞーっ!
※そして同泊の女性ライダーに「オロロンで凄い横道から出てきてましたよね」とか言われて慌てたり。いや、目立つパーカー着てると悪い事はできませんな。(してません)
★
■本日の走行距離:480km、給油回数:2回
■本日の教訓:結局合羽を着ずに済みました(はぁと)
■ ご注意 ■
ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。
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