■ツーリングレポート SEROW250 群馬・長野

 

万沢林道・秋鹿林道、加えて林道湯沢線爆走記、の1

万沢林道・秋鹿林道、加えて林道湯沢線爆走記、の1
なお爆走はしていません

 


<2024年7月下旬>

久しく引きこもっていましたから

 「俺は梅雨が明けたら林道を走りに行くと決めていたんだあっ!」

 無事に梅雨があけた7月下旬。

 だが梅雨中を含め、連日猛烈な暑さが続いている。加えて午後になると所かまわず襲ってくるゲリラ豪雨。
 まったく、四季麗しい日本の気候はどうなってしまったんだか。

 ともあれ、予定通り出かけることにする。男は行くと決めたら行くのだよ!(例外多数)

 幸いにして、予定していた日の天気予報は「晴れ」だった。
 だが、下に小さく(?)「所により時々雨」の表示も。まぁ実際にどうなるかは神のみぞ知るというところだろう。

 狙う林道は、群馬北部(でもないか?)では有名な万沢林道。そしてその手前にある秋鹿林道。更に「今なら走れるよ……」との噂を聞いた林道湯沢線
 湯沢線はいつぞや毛無峠を訪れた際に開いておらず、悔しい思いをしたルートでもある。 

 ひいふうみいと数えると、コースの距離的にはぎりぎり日帰りも不可能ではない。

 問題は天候だ。例によって日中は熱波バリバリだろうし、午後には土砂降り間違いなし。
 最後まで走りきれるかどうか、途中で引き返す気にはならないか、むしろ疲れて帰る気にならないんじゃないか。

 ま、今心配してもわからないところはワカラナイので、当日途中にドタバタと(?)決めるとしよう。

 当日は早朝起床。

 ウエアはワークマンメッシュジャケットワークマンメッシュパンツ
 ブーツがガエルネなのは言うに及ばず。

 以前書いた通り、ワークマンジャケットはオフツーリングにはちょい心配な装備なのだけれど、今日予想される暑さ的には仕方ないところ。
 そして今回は(気休め程度だけど)プロテクト度アップのために多少改造もしてあるのだよ。(別コンテンツに記載予定)

 朝モヤの中入ったガレージの温度計は25度を指していた。

25度
もはや熱帯夜も恒例に

出発
セローはいつものスタイルで

 決して涼しいとは言えない気温なのだけれど、メッシュジャケットの上にウインドブレーカーを羽織る。
 走り出すと風が当たるのでこれくらいが丁度良いはず。

 セロー発進。自宅からコンビニへと移動し、朝飯をとっての出発は5時丁度バイク乗りの朝は早いのだ(例外多数)

 見上げる空はうっすらと青い。
 この様子だと、天気予報通りまた暑い1日となることだろう。そして同じく「所により豪雨」も。

 「ま、ともかく行ってみるかーっ!」

 日光から足尾、早朝のせいで交通量は少ない。

日光手前
日光の山々には雲がかかってましたけど

影が濃く
次第に影が濃くなってきました

 国道122から県道62で沼田市の手前に出たのは2時間半程後のことだ。

 むー、この辺り、こんな山奥っぽかったかな?電波は入らないし、物理地図無いから確認できないや。
※ツーリングマップルを忘れてしまったので今日はGoogleマップ頼りに

 沼田の街中に出て一安心、給油。

 もちろんセロー的にはまだタンク半分も走っていないけれど、これから山の中に入っていくし、なによりこれで今日1日給油しなくて済むと思うと安心できるんだよね。

 見上げる空はすっかり青く、「これから暑くなりまっせ!」な気配が如実に感じられる。

青空
当然、ウインドブレーカーは不要です

 8:30、秋鹿林道入口……付近。

 「付近」というのは今一つはっきりしなかったから。
 一応電波は入って地図も見られるのだけれど、枝道との見分けがつきにくい。でもまぁ、西へ抜けているのはこの林道しか無いわけだから。

林道入口付近
この辺りは電波ビンビンだったんですけどね

林道合流
なんやかんや走って本道に合流できました

 「それでは!」と走り出す。

 林の中を通るのは一見普通の林道だ。だが見た目より岩が多い
 加えて、連日の降雨で雨水が流れた深い溝も掘られている。

 「こりゃ油断してると危ないな」

 万が一岩にハネられて道を外れたら、左手は崖下に川だからねぇ。

岩路面
一見フラット風ですが注意必要

落石
落石も珍しくはなく

 タパタパトペトペと走る。

 林間で見晴らしは無いけれど、緑の木々と木漏れ日が綺麗だ……けれど、路面の岩を忘れずにっと。

林間の林道
休めるところはなかなか見つからず、でも見つかると良い場所で

ヒカリゴケ自生地への入り口
唯一あった広場はヒカリゴケ自生地への登り口
……はいいんですが、ここまで車で来られるんですかね?

崩落場所
だってこんなところ通るんですよ?
(ジムニーパイセンなら大好物だろうけど)

 ここまで道はずっと上り坂。

 上り切った峠の頂上のような場所。ここは左右にも林道が見えるけれど閉鎖中。
 ってことは開いているのが本道だよな?

頂上付近
左手前から走ってきて、右手前と左先の道は閉鎖中、右の先のみ可能
この辺りだけ簡易舗装されてました

 ここから道は下りへと変わる。

 路面は基本的に同じなのだけれど、それに泥が加わってきた。
 場所によっては泥の沼になっていたりとか。当然だけど滑る滑る。「頑張れ!4分山のGP-610!」

 あわあわと降りていく途中、唐突に現れたのが分岐だった。

分かれ道
アナタナラドチラヲエラビマスカ?

 もちろん、GoogleMapが入る・見られるような場所ではない。

 道幅は同じくらい。ならとりあえずは上かな?
 ちょい伐採道っぽい雰囲気があるけれど、間違って下っちゃうと帰りに登れない可能性があるからな。
※「下りきってUターンしたら登れなかった」ってのは林道あるある。

 それっと上る。

 画像のとおり道はところどころ舗装済み……はいいけれど、これまた画像に似て泥が凄い。
 アスファルトの上に乗った泥が滑るのはご承知の通り。うひゃうひゃ騒ぎながら数百メートル登って……ハイ残念でした、伐採道でした。

行き止まり
はい終了!

作業中のユンボ
お邪魔しました

 ユンボに頭を下げてUターン。「ああ、下りの泥は登り以上にズルズルで……」

 分岐まで戻って下りルート。

 変わらぬ泥路面に閉口しながら走っていると、前から砂利山積みの軽トラックが現れた。
 ここまで何か所か深い水たまりの横に(埋め戻し用の)砂の山ができていたからそれ用の砂利なのだろう。って事はそろそろ出口が近いのかな?

格好良いトラック
途中、停まっていた格好いいトラック

出口付近
「知ってる!」(看板に)

 9:30、林道出口の橋へと出る。

 車体とブーツには泥がべったりと……でもないか。あの状況でよくこれくらいで済んモンだわ。まぁ蚊の鳴くような速度だったからな(慣用句違い)

林道出口
やれやれ

サイレンサー汚ればし
サイレンサー汚れてないものな

川の流れ
下には涼やかな河が
(でも気温は既に相当に高く)

……というわけでこの秋鹿林道。

 全体的に、上りは岩場で石ゴロゴロ、見通し悪し。
 下りはドロドロで見通しも同様、道的には若干上りより楽かも?な感じだった。

 ゆっくり走る分にはさほど問題はないだろう、先のとおり木々の緑・木漏れ日も綺麗だし。

 ともあれ、「デカいバイクでは走りたくない」
 いや、デカいオフ車で走ったことが無いので本当のところはわからないのだけれどね。

 「万沢林道前の足慣らし」のつもりだったのに結構へとへとになった。むー、こりゃ手ごわいぞ(せやな)

 R353を北へ。

 付近にはなんとかの滝とかなんやらの淵とか面白そうな場所が。
 んでも今日は林道メインだからスルーするのさ!

 5km程走って万沢林道の入り口へ。
 こちらは銘板を確認できた。全長は10km程らしい。

万沢林道入口
白杭があると安心します

白杭と銘板
全長10,359m

 どれどれと走り出す。

 入口付近は比較的広く、走り易そうに思えた。
 ただ路面には先程同様岩が多数、ゆめゆめ油断することなかれ。

万沢入口付近
走り易そうに見えますけどね

滝
脇には川、小さな滝も多数

 たぱたぱ走る万沢林道。

 決してフラットではないが「荒れている!」と騒ぐほどでもない。
 地元のお馴染みNAK林道の雨上がりに似た感じだ。

 若干広い道幅に救われてはいるけれど、地質のせいか水たまりが多数。

 タイヤを進ませるルートは限られているので毎回避けるわけにはいかず、派手な水しぶきを上げて走ったりもする。
 まぁこの気温ならあっという間に乾くので心配はしないことにする。

万沢林道
これはごく走り易い場所
こうして見るとなんてことないんですが

ゴロ石注意
浮石要注意

切通し
格好良い切通し

 その後も続く上り坂。

 落石を避けながら走っていると、唐突に道が舗装になった。

 びっくりして周囲を見渡す。「なんだなんだ?もう終わりか?」
 距離的にはまだ半分も走ってないはずなのだけれど。

唐突な舗装路
舗装になりましたが木漏れ日は綺麗でした

 ここが頂上付近だったのだろうか、平坦からやや下りに変った道を数百メートル走ると、路面はまたダートに戻ってくれた。

 「よしよし、でもどうしてあんな中途半端な場所・距離だけ舗装だったんだろう?」とかつらつら考えながら走っていると……

 道路左手、木の上がガサガサする。

 なんだ?と目をやると、大きな黒い獣が木を滑って降りて行った。

 「熊だーっ!」

 そして道路の右手、すぐ近くからも同じようなガサガサ音!

 セロー、スロットル全開。
 リアタイヤが石を跳ね飛ばし暴れるが知ったこっちゃない。

 岩も水たまりも関係なし、ダートをひたすら駆け下る。

 多少路面が良い場所だったのが幸いした。林道前半と同じ路面だったら全開にした途端外に吹っ飛んでいたことだろう。

 1km程逃げて、後方確認の後一時停止。ドキドキする心臓を落ち着かせる。
 あーびっくりした。ちょい前にニュースになった北海道の熊(軽トラが前から襲われる奴)みたいになったらひとたまりもないものな。

※熊の画像はありません(あるかっ!)

路面良好
比較的良い路面で運が良かった

浮石路面
まぁその先はまた浮石エリアでしたけどね

洗い越し
更にその先では、またまた舗装部分が出たり、洗い越しがあったりとくるくる変わり

 道は下って川を渡ってまた上って。

 ぽんっと現れたのが広い直線路。ここがいわゆる万沢ストレートだ。

万沢ストレート
1km程あるそうです

自撮り
いかんいかん、ここまで自撮り忘れてた

 直線路をゆっくりと走る。

 両脇には工事個所が多数。トラック・ダンプがやってくるが、なぜか乗用車の姿もある。
 地図上では近くに別荘地風のエリアも見えるからそこへ行くのかもしれない。

 11時丁度、万沢林道出口、R405へ到着。

万沢出口
出口は救急ポイントでもあるらしく
(林道の距離が入口と違うのは測る道が違う:名前が違うからかと)

……というわけで万沢林道。

 先の秋鹿林道よりは走り易いものの、岩が多く浮石も多数。
 有名林道だからと油断してはいけないだろう。

 ところどころにあった舗装部分は意味不明。でも正直なところ、岩場を越えた後にほっとできる一面もある。

 ともあれ、「デカいバイクでは走りたくない」(再)

 なんのかんの言いつつ、セローの2輪2足に救われる場所も多かった。
 車高が低い分アンダーガードにがんがん石が当たってたけれど、それを差し引きしても、俺は足が付くバイクがいいな、うんうん。

※そう、熊に襲われた時の事も考えるとね!("どこでもUターン"も鍛えねばな)

 さて、まだ午前中だけれど、スタンディングの連続で結構足にキているような。
 むー、こりゃ手ごわいぞ(せやな)

<長くなったので続く>

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