■ツーリングレポート VMAX1700 岩手、秋田

 

GW・弾丸岩手ツーリング記

<1>


行ってきました岩手まで

 

 

garage Ak!rA

 

<2016年5月2日>

今年はどうしようかと思っていましたが

 2016年のゴールデンウィーク。
 休みは人並みにとれたものの、諸般の事情で長期間家を空けることはできそうにない。
 「ま、今年は家でゆっくりと」と思っていたのだけれど。

 ふとWEBで、八幡平の雪壁を紹介しているサイトを見てしまう。

 4月に冬季閉鎖が解除され、高く積み立った雪壁の脇を走れる八幡平。
 雪壁自体は近隣の(?)金精峠でも見ることができないわけではないが、八幡平アスピーテラインは、一度行って「霧で何も見えないよぅ!」と引き返してきた場所である。
#そうか、あれからもう17年か…

 季節も違うし(以前は晩秋・初冬)リベンジかたがたこの時期に行ってみるのは面白そう。
 何より岩手県なら1泊でも行ける距離。長期間は無理でも1泊2日なら家を空けられないことはない。

 「宇都宮から高速だけで450kmくらいか…早朝に出れば向こうでもそこそこツーリングできるかな?」

 朝2時起床、VMAXの始動は3時
 「よーし、これなら4時までに高速に乗るのは楽々だな」 (←今日は平日扱い&長距離なので4時前後で結構高速料金が違う)


最近恒例のサイドバッグスタイルで
(ダミータンク上のガードテープも恒例に)

 東北道へIN、北上を開始する。

 ゴールデンウィークの混雑は心配した程ではない。時間のせいもあるだろうけれど、やはり平日というのが効いているようで走る車は半数以上が大型トラックだ。

 1.2~1.3KS(KousokuSeigen:意訳)でゆっくりと進む…のはいいのだけれど、「む~、結構冷えるなぁ」

 今日はゴールデンウィークツーリングの定番である革ジャン仕様。
 中にはウインドブレーカーと厚手のワッフルシャツ&ロングTシャツ、そしてぎりぎりまで悩んで薄手のフリースシャツも追加してある。下半身はいつもの防風ジーンズとニーシンパッド。

 これはほぼ冬仕様といっていい恰好。しかし首筋を抜けていく風に背中がゾクゾクと冷えてくる。

 確かに高速脇の電光掲示板の表示は10度丁度と考えていたよりかなり低い。
 3シーズングローブでグリップヒーターのスイッチを入れながら考える。「フリースを追加したのは正解として、この様子だとこの先、もっと北へ行ったらどうなっちゃうんだろう?」 (そうそう)

 お馴染み安積PAへ入ったのが4時ちょい過ぎ。

 4輪でいっぱいの駐車場を尻目に、トイレ+給油のみでさくさく出発する。


4輪は多けれど2輪は無し

 東の空は、うっすら明るくなってきているようないないような。
 クリアシールドとはいえ夜の走りは気を使うもの、早く明るくなってくれると良いのだけれど。

 案の定、北へ向かうに連れ気温は更に下がってきた。
 現在は8度という辺り。ペースは相変わらずゆっくりなのだけれど背中が(略)

 そして突然「国見から先は雨だよばかやろう!」という電光掲示板が現れてびっくりする。
 「え~っ!今日は晴れって言ってたじゃん!」

 言われてみれば、路肩にちらりほらりと濡れた場所。
 きっと日中は晴れるのだろうけれど、昨夜の雨の上がりが遅いような感じだった。

 この寒さに加えて濡れでもしたらたまらない。予定外だけれど吾妻SAへ入って状況を確認しよう。

 SA付属のコンビニでおにぎりとコーヒーを買い、もごもごやりながらスマホで確認する。

 どうやらこの先の雨はさほど経たずにあがってくれそうだ。
 だが更にその先では、小さいながらも雨雲がぽつぽつと流れてくる気配。雨の心配が完全に無くなるまでにはまだまだ時間がかかりそう。でも今日は先が長いし…「ま、濡れたら濡れるまでよ!」 (←先と矛盾、ってか寒くもあるんだから合羽着ろよ)

<余談>
 SAの二輪駐車場にずっと止まっていたニンジャ250のお兄さん。待っていたのはJAFのガソリン補給だった。
 そうそう、この辺りは給油所間隔が長いからうっかりするとガス欠くらうんだよな。そうと知ってたら予備ガソリン分けてあげたんだけど、1Lじゃ貰っても仕方ないか。(この場所・この時間ではね)

 走行再開。なるほど路面はじわりじわりと濡れてきた。

 雨粒は落ちてこないけれど、シールドに付く霧雨的なものをヘルメットを左右に振って飛ばしながら走る。

 やがて路面がほぼウエットに。わだちラインだけ乾いているので左車線を選んで走る。

 6時、菅生SAへの立ち寄り給油は予定通り。
 Gパンが少し濡れた…かな?休憩がてら乾かしていくか。


このくらいの濡れ具合

 スマホで再確認。どうやら7時前には全面的に雨は上がりそう。それではとここで本格的な休憩をとることに。
 朝飯(?)は豚汁定食。安積SAとはまた違った感じで旨かった。

 食堂では同じように休憩中のライダーも何人か。
 でもそこの黒い皮ジャケットの人、確かに空いてはいるけれど、食堂のソファー独占して横になるってのはどうかと思うんだよな。

 7時出発

 仙台から先、交通量が更に減る。そして予報どおり路面もドライへ。
 うきうきとペースを上げるも、きまぐれにウエット路面へ変わるので油断はできない。太陽は高く上ってきたけれど、気温は相変わらず1桁のままだ。

 8時、前沢SA、給油のみ。

 この辺りから周囲に霧が出始めた。
 走るには問題ないのだけれどやはり気になる。明るくなって上げたペースをやや落とす。きまぐれにウエット路面が出るのは変わりなし。

 9時過ぎ、岩手山SAで東北道最後の給油。

 「よーし、ここまでよく走った俺!何しろ気温は更に下がって6度だからな!」

 さすがにこの寒さはこたえるので防寒に合羽を…でも悔しいので下だけ。(何に対して悔しがっているのかは不明)

 その直ぐ先、松尾八幡平ICで東北道を降りていく。

 この辺りは桜が良い感じだった。
 種類によって盛りだったり青葉が出ていたりするのだけれど見ごろのものも多数。


曇り空が残念ですけどね

 県道45から23。八幡平アスピーテラインの入り口はすぐそこで…「え~っ!開通してないのぉ~っ!」

 なんと、入り口掲示板に「オープンは12時予定だからまだ通っちゃダメよ」の表示。
 下にはしっかり係員さんがいて、聞くと「12時にオープンできるよう頑張って整備中です」とのこと。
 ならばと「んじゃ南の八幡平樹海ラインはどうですか?」と聞くも同じだという返事。

 今はまだまだ10時前、「あと2時間か…なら途中のSAでもっとゆっくりしてくるんだったなぁ」 (ま、情報収集不足ですな)


全面通行止めだし


予定は未定だし

 ともあれ、通れないものは仕方が無い。入り口脇にあるビジターセンターの駐車場にVMAXを停めてっと。
※そしてこの後、俺同様に「え~、まだ通れないんですかぁ~」な連中が続々と駐車場に。


ビジターセンター


そうですか、頂上は1度ですか

 さてそれではと、この時間を有効に使うべく、スマホで今夜の宿探しに入る。
 そう、突発で出かけてきたのでまだ宿を予約していないのだよ。

 「ビジホならやっぱ盛岡市内か」と探す。
 さすがに盛岡ではホテルに困らない。そして今日は一応平日だから空きもそこそこあるのだけれど、VMAXはうかつなところに停めたくない。(ホテルから遠く離れた露天の駐車場とかね)
 何件か連絡して良さそうな宿を確保。よし、これで安心して走れるぞ。

 ビジターセンターをぶらぶら見学していたら、駐車場がざわつきはじめた。
 バイクへと戻ると、まだ11時前だが開通となった様子。「お、早いじゃん!おっちゃん達頑張ってくれたんじゃん!」


 うきうきとゲートイン。

 先の駐車場には結構な台数の待ち車があったように見えたのだけれど、アスピーテラインは空いていた

 路面は完全ドライ。見通しも悪くなく、その気になれば結構いいペースで走れそう。
 でももちろん、観光がメインで来たのだし、ゆっくりじっくり走るのだよ。

 九十九折れの続くルートをゆるゆると上っていく。

 とあるコーナーを曲がって次のコーナーの先、頂上が真っ白になった山が現れた。
 あまりに綺麗なので一時停止。これは岩手山…なのかな?
 同じように止まった4輪カップルと画像の撮り合いしてみたりする。


撮っていただいた画像は自粛(何故?)


これはまた違う山(のはず)

 更に高度を上げると、目の前に尾根筋が広がってくる。「やー、良い景色だなー」


これはわき道(旧道?)から


下界を望む

 その先、尾根を一つ超えた見晴らし台へと出ると、「うっは~」
 白い山とその下に広がる雲海…というか霧だろうか?とにかく見事な景色が広がった。
 「凄いなー、曇りの天候でこれだから、快晴だったら凄いんだろうな」 (快晴時に雲海が見られるかどうかはわからないけど)


柱の表記は「八幡平アスピーテライン展望所」かな?


少し天気も良くなって


クリックすると大きな画像に

 その後も走って止まって撮影、を繰り返す。

 高度が上がると今日のメイン、路肩に雪の壁が現れてくる。
 をををと見学。不思議なのはこれだけ雪があるのに路面はドライのままだったこと。雪解け水はどこへ行ってしまうのだろう?
※後で考えて、雪が解けるほど気温が高くなかったんじゃないだろうか?と思いついたり。いや、気温1度は伊達じゃないですわ。


かなり上ってます


メインディッシュ

 頂上のパーキングまで来て思い出す。「あ、ここだ、前に引き返したのは」
 あの時はどちら側から上がってきたんだっけ?人の後ろ走ってるだけだったから道覚えてないんだよな。


そうそう、ここここ。


見通しよし

 ここから先は秋田県になる。

 尾根筋は見晴らし最高、そして日陰な場所では雪の壁更に高し


路面はドライのまま


雪高し

 その先、メインルートを外れ「蒸ノ湯温泉」へと降りていく。
 さすがに細い・荒れた道をそろそろと進み、砂利の駐車場へVMAXを停める。
 やれやれ、んじゃここでひとっ風呂浴びていきますかね。


分岐の看板


ちなみに駐車場には結構な台数の4輪あり

 サイドバッグからお風呂セットを取り出してフロントへ。

 聞くと、内湯と内湯の露天風呂の他に「外の露天風呂」(ややこしい)があってそこがメインの様子。
 それではとまずは内湯の露天に浸からせてもらって…「あ~、丁度いい湯加減だわ」

 画像でわかるとおり、湯船を含め施設はアレなのだけれど、それがいい味を出しているといえないこともない。
 貸しきり状態の風呂を堪能後、さすがに真っ裸では移動できないのでGパンTシャツだけを着て外の露天へと向かう。

 蒸気の噴出するまさに温泉場の中に作られた男湯の湯船。
 駐車場が混雑していたわりにこちらもほぼ貸切り(後から1人だけ男性が来た)でゆっくりと浸かることができた。

 お湯の温度は内湯に比べやや高めで露天風呂的にはありがたい。
 空は相変わらずの薄曇りだけれど、吹く風が冷たく気持ち良い。「うむ、善哉善哉…」

※この男湯の他、女湯はもちろん別途混浴露天風呂もあるのだけれど、そちらはそこそこの人出だったので遠慮してみたり。
 まぁ女性は湯浴み着来てるし何より皆おば(略)


これは帰りがけに上から撮った温泉場全体の図
もちろん湯船の画像はありません

 休憩所まで戻ってほうと一息。自販機のコーラが冷たくて旨い。

 俺はあまり温泉に対する思い入れは無いのだけれど、ここのお湯はなんとなく気に入った。
 いずれまた来る機会もありそうな。まぁ混雑するシーズン(平日ではない昨日とか明日とか)だと雰囲気が違うかもしれないけれど。

 ここで時間は午後1時という辺り。
 せっかくなので食堂(これがまさに古きよき食堂)で山菜うどんを頼んでみる。
 もちろんできあいの奴(だろう)なのだけれど、こういうところで食べると妙に旨く感じるものだ。

 ホカホカに温まった体でVMAXまで戻ったのが13:30。
 さーて、どうしようかな。時間はたっぷりあるんだよな。

 ここからのルートは2つ。
 ちょい戻って、先の頂上駐車場から南の樹海ラインへと降りるルート
 もう一つはこのまま進んで国道341まで出て、田沢湖まで南下するルート。但しこちらはツーリングマップル上に「50km以上ガソリンスタンドなし注意」のコメントがある。

 それではとスマホのナビで計算。GSのある田沢湖畔を目的地にすると、ここからの距離は60kmちょいと出た。
 「あ、意外に近いな。ガソリンも持つし、んじゃこっちのルートにするか。」

#ナビできっちりと距離が測れるってのはVMAX的にとても助かるもの。しかし凄い時代になったものだねぇ(しみじみ)

 県道23から国道341。これが素敵な道だった。

 森林の中をうねうねと走るワィンディングルート。
 路面は相変わらずの完全ドライで、この時期にありがちな路肩の砂もほとんど気にならない。そして交通量がほぼゼロだったのだ。

 快適に走る。うっひゃ~と走る。
 空も次第に青くなってきた。こんな道ならどこまでも走っていけそう、但しGSがあることが条件で。
※気持ちよく走っていたので画像はなし。

 予定通りガソリンスタンドで給油して、田沢湖畔に付いたのが15時前というあたり。
 よし、ではゆっくり一周してやるか。

 反時計周りに湖を回っていく。
 さすがに綺麗な湖だ。時々止まって画像を撮るのだけれれど、小アブが多いのは水辺だから仕方なし。


景色良好

 半周して有名なタツコ像
 さすがにここだけは混雑があった。
 そして以前も見ているはずなのだけれど、タツコ像ってこんなに金ぴかだったっけ?(ま、メンテされてるんだろうけど)


金ぴか像と


それを撮る人々

 最後に山を登って、湖が一望できる展望台へ。
 「おー、ここも桜が綺麗だな」


この咲き具合


偶には自撮りも入れておきましょう


湖の南側も綺麗な道で

 よーし、一通り遊んだし、そろそろ宿方面へ向かおうか。

 盛岡市街を目指して走り出す。

 決して急いではいないのだけれど、追いつく車がことごとく道を譲ってくれるので自然にペースが上がってしまう。
 「煽ってるつもりは無いんだけどな。岩手の人は皆優しいよなぁ」 

 真っ直ぐ宿へ向かうつもりだったのだけれど、「小岩井農場」の看板を見つけてVMAXの鼻先を北へと変えてみる。
 有名な場所だし、時間もあるからちょい覗いていこう。

 ほどなく付いた小岩井農場だったのだけれど、時間的にクローズ寸前。本当に土産屋をちょい覗いただけとなった。


しかも園内へ入るのは有料っぽく

 救いは農場の周辺に桜並木があちこちにあり、(ちょい遅めだけれど)綺麗だったこと。

 そしてもう一つ、「一本桜」という名所を見つけたり。
 有名どころらしくカメラマン多数。うん、シチュエーションによっては良い写真が撮れるんでしょうな。
※そしてこの駐車場が砂利で、しかも後ろに車停められてしまい出すのに大汗かいたりとか。


桜並木


一本桜にはそれらしくエフェクトを


 ホテルへの到着は18時。

 屋根下の通路脇にVMAXを落ち着かせる。よし、ここなら何も心配はなし。


万全のポジション

 夕食は、ホテルで貰った割引券を片手に居酒屋へ。
 たっぷりのビールと刺身と何故か牛タンと。

 俺にしては珍しく、呑むのは程々にしてホテルへと戻る。

 「さー寝るぞー!今日は19時間動き続けだから寝るぞー!」

※あ、盛岡レーメン食べ損ねた…

<続く>

今日のルート(東北道を除く)



本日の走行距離:640km、給油回数:6回
本日の教訓:終日うす曇りだったけれど、気持ちよく走れたからそれでよし!

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

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