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こういう場所があるとホッとしますね
■今日はもう少し北まで
あけて翌日。
朝飯付きなので早起きの必要はなし。6時に起きて7時に飯を食う。
朝食バイキングは純日本風。飯と味噌汁でわしわしと喰う。「あ~、旅行先の朝飯ってのはなんでこんなに…」(略)
お世話になりましたとフロントに挨拶し、セローへ荷物を積み込む。
見上げる空は…昨日同様ちょい雲か?でも気温は少し高くて一安心。
8:00am、セロー発進。
昨夜、飯(酒)を食い(呑み)ながら酔った頭でいろいろ考えたのだけれど、今日は仙台の北、松島から石巻あたりを回ってみようと思う。
あそこは前回、隼でぐるり回らせてもらった場所でもあることだし。
★
亘理(わたり)ICから仙台東部道路へと上がる。
高速道路の高台の上からだと海沿いの状況が広く見てとれる。言葉にならないのは昨日同様。
<これらについては別途ページにとりまとめます>
仙台東部道路から三陸自動車道へ。
道は少しだけ混雑してきた。松島海岸ICの手前ではインターの待ち行列もできるほど。
ほんの数日前「松島の観光船が復活しました!」とニュースで流していたのでその影響もあるのだろうか。
★
2回目の松島、海岸線をゆっくりと走る。
道路沿いの土産物屋街は、片付けられてはいるもののまだまだ営業している店は少ないようだ。
交通量はそこそこあるが、歩く観光客の数は少ない。まぁ、まだまだ朝だからねぇ。
観光地ということでか、市内を巡回するパトカーが多数。いつもなら目障りに感じるのに今日はご苦労様ですと声を掛けたくなるから不思議なものだ(笑)
一通りぐるりと見て回ったら…そうだ、前回も訪れた奥松島へ行ってみようか。
★
松島を反対側(海側)から眺めることができるのが奥松島。
地図と記憶を頼りに県道を走るが、道は途中で途切れてしまっているようだった。そして、そこにもまた、言葉にならない風景が広がっていた。
正直、ここで引き返そうかと思った。
だがよくよく良く見れば、海沿いに一筋の道が作られている。あそこは確か、陸と島を繋ぐ唯一の道があったはずの場所だ。
ゆっくりとセローを進ませると、それはまさに、できたばかり(と思われる)の奥松島(宮戸島)へと繋がる道だった。
もちろん、綺麗な道ではない。
未舗装なのは当然だが、津波に流された海岸に瓦礫を押し出して道にしただけのようなものだ。鉄板を引いてとりあえず通れるようにしただけ場所もある。「力任せに」という言葉が似合う道だ。
「そうだよな、この道なかったらこの先の島の人達は何処へも行けないんだものな…」
★
乗用車はともかく、セローで通るのには何の障害もなし。工事車両の邪魔にならないよう気をつけながらそろそろと走り、島へ入る。
山陰の高台に入ると道は急に良くなった。この辺りの道は特に大きな損壊もなく普通に走ることができるようだ。
以前も来た奥松島の大高森。前と同じ駐車場にセローを停める。
えんやこら登る坂道も以前と同様。違うのは周囲に人が居らず、完全な貸切状態だという事だ。
以前と同じ場所ですね
10分ちょいかけて山道を登っていく。
「ふははは、だがこの俺を以前の俺と同じと思うなよ!」
ぜいぜい息を吐きながら(←あまり変わってない)頂上到着。「お~、相変わらず綺麗だなぁ、ここは…」
下界の状態は嘘のよう。高みから見る松島湾は実に美しかった。
やっぱり画になりますね
こちら側にはさっき通ってきた道が
★
鳥の声と風の音しかしない展望台でぼ~っとしてみる。「ああ、ここは静かで平和だなぁ……本当言うとちょっとだけヘリコプターの爆音も聞こえるんだけどさ…」
慌てて足をくじかないように(←お年寄りか)慎重に山道を降る。「ああ、鳥の鳴き声が気持ち良…ぜいぜい…」
結構急です
おとなしく待っていたセローに跨り発進、島をぐるりと回ってみる。
そしてここで、このツーリングではじめて「本当の海岸線」へと出てみる。
島の端ではあるのだが、すぐ先では重機がごうんごうんと作業中。「ここも酷かったんだろうなぁ、今は平和な海にしか見えないんだけどさ…」
はじめての海岸線です
★
一旦戻り、国道を使って出たのが石巻市だ。
市内に入ると交通量も増えたが、何より人でいっぱいだった。ここまで「大勢」というほどの人には会わなかったので少々びっくりする。
地元の人もいるが、ボランティアも多そうだ。道を歩く人は大抵派手なウインドブレーカーを着ているか、ディパックを背負っている。
家の中から荷物を運び出している親父さん。歩道の泥をスコップですくっているお兄さん。
その横をハンディスピーカーで「○○で炊き出しをやってま~す」と叫びながらお姉さんが通る。
それを横目にGSで給油する。まだまだ必要はなかったが何かしたくてたまらなかったのだ。
「ごめんなー、セロー燃費良くて4Lしか入らないけどごめんなー」
港の堤防の壁画は無事てした
★
セロー発進。ううむと考え込みながら女川方面へ。
なんとなく覚えのある峠道はところどころ崩落していたが無事に通行できた。そして…「あ、あの橋が残ってる!」
前回「なんだあれは?」と立ち止まった海の中の橋、どうやら無事残ってくれたいたようだ。
ここでなにか安心してしまい、路肩に立ち止まりしばし考える。
この先、気仙沼まで行こうかとも思っていたけどここで引き返そう。お昼は石巻で食べたいし。
★
ぐるり回って戻る道は、行きと違う山側を通ってみる。
一山越えた裏側では重機で平地を造成中、ここにはきっと仮設住宅が建つのだろう。
時刻はお昼を回ったところ。そのせいもあってか市内の混雑は更に増していた。
午前中はするり通れた道が渋滞中。信号の点いていない交差点ではお巡りさんが交通整理に忙しい。
俺が言える立場ではないのだが、道路の通行は復興車両優先にすべきなのではと思う。
ちょい裏通りで、地元のチェーン店らしいラーメン屋へ入る。
オーダーは「仙台ラーメン」。トンコツ醤油のやさしい味だった。
★
「よし、食った!落ち着いた!」…というところで今日の宿探し。
この辺りでは仙台以上にビジホには期待が持てない。「内陸部なら大丈夫だろう」と鳴子温泉の宿へTELするも満員。それではと観光協会へ連絡するも「温泉は今日は全て満員でして…」との事。
う~む、さすがはゴールデンウイーク。でもまぁ、それは良いことですよ。
観光地を避け、昨日同様ちょい(かなり?)離れたビジネスホテルで予約に成功する。
午後はホテルを目指してゆっくりと内陸部を走る。
海を離れると被害の形跡はほぼ無くなった。この辺りは地震で大きく揺れたはずなのだが建物の被害はさほど目立たない。地震に比べ津波の被害がいかに大きかったかの証明だろう。
そして花はそんな事情に関係なく咲くわけです
宿への到着は夕方。ここも風呂は大風呂だった。
さすがに夕食は付かないので近所のコンビニへと向かう。そして帰り道で1本裏通りに飲み屋街を見つけてしまう。
「うわぁっ、ならコンビニ弁当なんて買うんじゃなかったぁっ!」
★
■本日の走行距離:200km
■本日の教訓:そうか、たった200kmしか走ってなかったんだ…
■ ご注意 ■
ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。
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