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空も海も青くてですねぇ
■大変な災害でした
2011年のゴールデンウイーク。仕事は忙しいわ休める日はわからないわで、ぎりぎりまでどうするか決めることが出来なかった。
決められなかった原因はもう一つ、先(3/11)の東日本大震災だ。
地震の後は「よし、なら今年のGWは東北へ出かけて金を落とそう!」と思った。
だがその後、被害が尋常ではないことが明らかになる。
ルートや宿泊に苦労するのはかまわないが、現地の迷惑になってしまうのなら行く意味は無い。
事前にざっくり聞いた範囲では、震災後2ヶ月近く経った今では「観光客ウエルカム」の状態になりつつあるらしい。
ただ聞いた話と実際が違うのはありがちなこと、どうするかずいぶん悩んだのだが……「ともかく行ってみよう!」
現地の状況をこの目で確認し、その上で迷惑になりそうだったらそのまま帰ってくればいいのだから。
当面の目的地は宮城県仙台市付近。
この辺りは以前隼で出かけたことのある場所だ。海沿いは被害甚大と聞くが、あの頃とどう変わってしまってしまっているのだろうか。
★
5/2朝7:00過ぎ、セローエンジン始動。
当然といえば当然だが、状況と航続距離を考えるとさすがにVMAXは使えない。
天候やや曇り、タイヤよしオイルよし。
リアにはいつもの大バッグ…ではなく、去年の岡山行きで使ったチューバッカ中バッグを積んでみた。今回は宿に2泊(予定)だし、大げさな荷物は必要ないのだ。
上に「予定」と書いたのは、一切予約をしていないから。
先のとおりどこまで行くか・行けるかわからないので、宿は行程途中で手配するつもり。
海沿いは無理として、内陸部のビジホ的な宿ならなんとかなるに違いない……よね?(さぁどうでしょう?)
「っしゃぁ、んじゃ行くぜぃ!気分だけでもいつもどおりになっ!」
#そうそう、「いつもどおり」がやっぱ一番。
ええ、行きましょう
★
矢板ICから東北道へ。たぱたぱと北へと走る。
セローで仙台へ向かうのなら、本来は北茨城の海岸線へ出て海沿いに北上したいところだ。
だが今回は途中に福島第一原子力発電所という障害があって適わない。(この周辺は常磐道も閉鎖中)内陸部をスルーしなければならないのが実に残念だ。
「くっそ~、今のシーズンの北茨城~いわき辺りって走ると気持ちいいんだけどなぁ…」
★
「空いているかな?」と思ったGWの東北道。意外…と言ってはなんだが結構な交通量があった。
もちろん自衛隊やら災害復旧の車両も多いが、普通の観光客的雰囲気のファミリーカーもそこそこ走っている。
例の「自粛ムード」とやらも多少は解消したのだろうか?まぁこれは東北の観光業にとっては喜ばしいことなのだけれど。
その東北道、福島へ入ると路面が荒れてきた。
地震で路面が全体的に沈んだのだろう。橋的な土台のある場所とそれ以外で高さが異なってしまい、その間の段差をアスファルトで埋めてある。これが結果的にジャンプ台的な感じになってしまっているのだ。
車高の低い車や飛ばしていると結構な衝撃がきそう。(さすがにこの区域には80km/h規制が出ている)
だがもちろん、制限速度以下で走るオフ車にはなんの問題もなしだぜぃ!
★
北上と共に高度も上がり、気温がぐっと下がって来た。
実は今日も相変わらずの3シーズンジャケット姿だ。
北行きだからと出掛けに冬ジャケもだしてはみたものの、「さすがにもう5月だしなぁ…」としまいこんでしまったのだ。(←前々回・前回のツーリングからなにも学習していない)
「あ~、寒ぃ~、やっぱ"暑けりゃ脱げばいいの法則"って偉大なんだなぁ…」(←自業自得)
★
遅い朝飯にと寄った安積SAは、北海道行きの時(の新潟フェリー行きの時)に立ち寄るSAだ。
定番の豚汁定食を頼むと、ご飯と豚汁が何故かとんでもない大盛りで出てきた。
「いいの?おばちゃんこんなに盛ってくれて。もしかしてこれ"東北へ来てくれてありがとう"的なサービスとか?」
「最近食が細くてねぇ…」(そうか?)とボヤきながらわしわしと完食する。
腹へ汁物入れて体は温まったがこの先また冷えてくるはず。ここから先はジャケットの下にウインドブレーカーを着こんでおこう。
#ああ暖かい暖かい…
腹が膨れて暖かくなると眠くなってくるのが人の常。
そしてそれを見越したように、路肩の電光掲示板には「居眠り注意」の文字が…って、何もこんなものまでAA(アスキーアート)で書くことはないんじゃないか?
※こんな奴が→ /_゜ ネムイー
★
10:00、国見SAで念のため給油。
金を落とすという意味で本当は現地で給油したいのだけれど…GSの状況がわからないのでまずは安全策をっと。
白石蔵王ICで高速を降りる。
降りてすぐ、きょろきょろ辺りを見回したのだけれど、店もコンビニも普通に営業している様子で一安心。
コンビニでお茶を買って水分補給。確かに店内の品数は100%ではないけれど、これはうちの近所と変わりなし。
一緒に糖分補給もね
ここからR4で仙台市方面へと向かう。
右手に阿武隈川が現れ、海が近くなるにつれ、周囲の状況が変わってきた。
R6と合流し、仙台東部道路の盛り土が見える頃には…「うへぇ…」
それはひどく違和感を感じる景色だった。
<これらについては別途ページにとりまとめます>
★
13時前、名取川土手で小休止。
他が他なので河原がとても平穏な場所に感じてしまう。「でもここも少し前までは酷い状況だったんだろうなぁ」
こうしてみると普通の河原みたいにも見えますね
津波のこなかった仙台市内。食堂その他の店は、確かに休業中もあるが通常営業中も多かった。
「地元の小さな定食屋でもあれば」と探したが、さすがにその手の店は休みのよう。なので全国チェーンのファミリーレストランで昼食を摂る。
14時過ぎ。ファミレスの駐車場で今日の宿探し。
それではと市内のビジネスホテルに片っ端からTELしたのだけれど、皆「まだ営業してません」か「満室なんです」とのこと。
う~む、まさかビジホがこんなに満室だとは思わなかった。
※後で聞いたら、復興作業に携わる人の宿泊で混雑しているのだそうで。
それでも、探す範囲をちょい郊外まで広げたら空いているホテルが見つかった。
「ボイラーが壊れているのでお風呂は外風呂になりますがよろしいですか?」とのこと。
いえいえお気になさらずに、というかむしろそちらのほうが歓迎です。(←俺的銘:風呂とガレージは広いほうが良い。)
★
再度市内をぐるりと回り、阿武隈川まで南下して川の土手で西に傾き始めた太陽を眺めてぼーっとする。
土手の上部では作業服姿の人たちがあれこれ作業中。
「ああ、一見無事そうに見えるこの辺りでも修復作業が必要なんだねぇ…」
それでも花は咲いてます
★
ホテルへの到着は17時。
まだまだ早いので周囲を一回り。近所に歩いていける飲み屋は…ない事はないけど営業していないっぽいな…
「ま、コンビニ飯に缶ビールってのも悪くないさ」とチェックイン。
セローを軒先に止めさせてもらってディスクロック。雨の予報は無いけど電気系には念のためにとコンビニ袋でカバー。ぽんぽんとシートを叩いて宿泊準備は完了。
そしてフロントで「夕食はお出しします」と言われてびっくりする。
サービスで朝飯が付いているという話だったが、夕飯までもとは思わなかった。まぁ外に飲み屋もなさそうだし、ご馳走になるとしましょうか。
その夕食は食堂でのバイキング形式で、酒飲みには非常にありがたいものだった。
メインはなんとステーキ、それに揚げ物煮物漬物が数品。
決して品数は多くないが、量が自由になるのがうれしいところ。しかも酒は持ち込み自由なのだ。
自販機で一番絞りの缶ビールを買い、だらだらと飲む。
宿泊客にはやはり工事関係の人が多い。「○○の作業が」「△△の見積りが」「□□の船が」
面白そうな…と言ってはなんだが興味深い話が多数。「それでは私も聞き耳を…」とかなんとかつぶやきながら飲んでみる。
500ccを3缶空けて、「うーい、酔ったどー!」と部屋へ戻る。
飯も豪華じゃないけどたっぷりあったし、外風呂も広くはないけど充分な大きさだったし、これは思いもよらず良い宿に当ったかもしれないな。
★
■本日の走行距離:330km
■本日の教訓:屋根瓦が落ちたとか石塀が壊れたなんて騒いでるうちはまだまだ幸せだわ…
■ ご注意 ■
ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。
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