■ツーリングレポート セロー 山梨、静岡

 

セロー30thミーティング&富士山周遊記


富士山万歳

 

 

garage Ak!rA

 

<2015年5月23日>

まずは富士山を目指して

 「セロー30thアニバーサリーミーティング」があるというので出かけることにする。

 これはもちろんヤマハ主催の公式イベント。「そうか、セローももう30周年なんだ…」
※実はV-Maxも今年が30周年なんだよね。

 今を遡ること5年前、25周年記念の際にも同様のミーティングが行われている。
 この時俺も参加する予定だったのだけれど、諸般の事情で適わなかった。

 なので今回はなんとしても行きたかった。丁度うちのセローのセッティングも落ち着いてきたところだし、長距離を走る良いテストにもなるだろう。

 会場は静岡県の朝霧高原。富士山の西の裾野といった辺りだ。

■ちなみに同ミーティングは、今年は日をズラして全国8箇所で開催とのこと。
http://www.yamaha-motor.co.jp/mc/blog/2015/03/20150312-002.html
 
 栃木県からだと埼玉や宮城の方が若干近いのだけれど、日程的な面で朝霧に行くことにした。
 何より初回開催だし、一番賑やかそうだし。 

 富士山の西側というと、先代V-Maxで出かけたことがある(隼でも走ったかな?)でもそれはかなり前の話(先代MAXで行ったのは確か1999年)だし、訪れたというより通り過ぎただけだった気がする。

 今回はセロー、寄り道を楽しみながらゆっくりと走りたい。
 なら前日からの一泊で計画してみようか、幸いGW中きっちり働いた分の代休もあるわけだし。

 土曜日5時半、無事に起床。
 「無事に」というのは前夜飲み会でその影響を心配していたからなのだけれど、ビールのみ&量控えめにしたおかげで問題なし。
#ツーリングの為にならこういう抑制効くんだよな…(ぶつぶつ)

 行動食にバナナを2本胃に突っ込み、出発は6時半。

 荷物は準備してあったのだけれど、直前になって「あ~グローブカバーが無い~予備オイルの缶が見つからない~」と騒いでみたりする。
 そういえばセローでお泊りツーリングに出るのって久しぶりの気がするんだよな。
※一昨年の北海道以来かも?なので各種お泊りグッズが行方不明になりがちで。


いつもの格好完了

 ほこほこと国道を南下する。

 天気は良好だが気温は低め。いつもの長短レイヤードの上にパーカー姿だとセローのスピードでもちょい冷える。まぁ南へ下れば(&昼になれば)気温は上がるので我慢我慢。

 今日はこのとおり良い天気なのだけれど、実は明日、ミーティング当日の天気予報が芳しくない

 前後が晴天なのに当日だけピンポイントの雨予報。これが一週間前からずっと変わっていない。
 「誰か酷い雨男が参加するのかもなぁ…これは明日は俺の晴れ男具合と勝負になるな…」

 パタパタと走るセローのエンジンは快調そのもの。MJを落として「セロー感」(なんじゃそりゃ?)もいい感じになっている。
 リアにいつもの大箱を乗せてはいるけれど、1泊なので中身はスカスカ。なので操作感覚は空荷同様、乗っていてごく楽だ。

 実は出発してすぐ「何か異音がする!」とびっくりした。だがそれは、初めて本格的に付けてみたスマホホルダーの振動だった。

 安いからと買い、一度VMAXに装着し、最初のギャップ通過でスマホが吹っ飛びかけてお蔵入りしていたこのホルダー。
 ペースの遅いセローなら大丈夫だろうと付けてみたのだけれど……はて、大丈夫かいな?

 「祝・国道4号全線片側2車線化!」と叫びながら越谷で朝食休憩。

 そしてコンビニのベンチでパンをかじりながら、「俺、身障者エリアにミニバンを停めるような大人には絶対にならないんだ…」と手の中の紙コップをぐしゃりと握りつぶしてみる。

 新郷から首都高。いつものC2→山手トンネル→3号渋谷→東名高速。
 「さー、セロー的には問題の東名だー」

 速度90km/hプラスマイナスでパタパタと走る。

 混雑程ほど。土曜日の朝としてはいい感じで流れている。所々で渋滞気味にペースダウンするのは仕方なし。

 今日はハーレーのお兄様方集団が多い。やはり富士山付近でそっち系(?)のイベントがあるらしいのでその関係だろう。
 80km/hで走るお兄様方を90km/hで一生懸命追い越す。
 セローが言えることじゃないけど、自分の走りが他の人の迷惑になっていないかどうかは常に考える必要があると思うんだな。

 「足柄よっ!」(←もういい)と足柄でトイレ休憩。
 おお、富士山が見える見える…けどちょい雲被ってるか。でも綺麗綺麗。


バイクも程ほどの台数が

 御殿場で高速を降りて、セルフの給油所で本日はじめての給油。
 いや、航続距離300kmあるとホント楽だよな。あ、でも高速走った割りに燃費あんまり良くないな。(割りに、じゃなく、高速走ったからこそ燃費が悪いのかもね)

 時刻は11時前。さて、んじゃまずは何はなくとも富士山に登りますかね。


 R138を北上。道がやや混んでいて心配したが市街地を抜けたら快適に流れた。

 県道150の入り口に迷う。地図だとすぱっと曲がっているのだけれど、実際は立体交差に加え各種看板が惑わせるのだ。
 それではとスマホにマップを表示。なるほど今ここに居るのか、う~む、やはり文明の利器の威力は凄いものだな。

 須走口から西へ。

 すっと伸びる林間の広い道路。
 両脇は自衛隊の演習地。面白そうなダート・砂地・崖がちらちら見え隠れするものの当然進入禁止だ。

 広い路肩から伸びる木々の新緑が綺麗、木漏れ日が気持ち良い……のだけれど…「ありゃ、ここ地味だけど凄い上ってるぞ」


須走り口方面へ


素敵な景色なんですけどね

 比較物がないのではじめは気づかなかっただけれど、この道は結構な上り坂だった。

 放っておくとスピードがじわじわと落ちていく。そして(同様にスピードの落ちた)四輪を追い越そうとしてもなかなか加速しない。
 道が直線から九十九折れに変わると、その状況は更にひどくなっていった。

 「頑張れセロー!」と応援しながら3速で上る。場合によっては2速も使う。
 広かった舗装道路は中盤から普通クラスの幅・路面状況へと変わる。但し上る角度は継続。

 「うぐぐ、これ、川俣桧枝岐の荒れ荒れ峠越えと同じくらいの厳しさだな。今はオフシーズンでガラガラだからいいけれど、ここで渋滞にはまったら間違いなく泣くな、俺は。」

 そしてこんな急坂を、路肩をあえぎあえぎ上っていく素敵なロードバイク(自転車)の愛好家達
…この道を人力で上がる、いや、そもそも上がりに来る気になるってのはいったいどういう精神構造なんだろう…


途中にはこんなスポットもあります

 峠の終点は、須走り口登山道(五合目)と駐車場の分かれ道だった。

 駐車場へとセローを停めてやれやれとヘルメットを脱ぐ。おーやっぱ山の上は風が冷たいわー


こちらもあえぎながらとうちゃく~

 うす曇りだが、眼下に広がる町並みと湖が綺麗。
 向こう側に見える山から立ち上る煙はトレッキング中のおばちゃん連の世間話曰く、今、噴火で噂の箱根の大涌谷だそうだ。

 登山道入り口も覗きに行ってみる。店は開いているがオフシーズンで客はまばら。いや、まばらでも何人か居るってのが驚きなのだけれど。

 ベンチで風に吹かれながら一息入れる。あー、コーヒーでも買っておけば良かったな。


駐車場(の端)から下を


こちらが登山口


 一通り涼んでの帰り道。下りはゆっくりゆっくり…って、「こんな坂じゃスピードが出て仕方ないわっ!」

 ギアを6速に突っ込んだまま重力に任せて結構な速度で下っていく。
 膨らむのが怖いのでイン側に寄ると、新緑が生い茂った枝がばさばさと首筋に当たる。

 んでもまぁ、セローにはエンジンブレーキが付いてるからこんなもので済むけれど、件の自転車連はこの坂をどうやって下るんだろ?

 下まで降りて時間はお昼過ぎ。
 昼飯は地元の怪しい食堂を探索したいところなのだけれど、ここは安易に道の駅すばしりの食堂に入ってみる。

 オーダーはお勧めっぽい鶏から揚げ定食。
 注文して座って待っている間にスマホを弄ろうと…「ん?」

 首筋に違和感。手をやるともそりと動いたので掴んで放り投げる。
 壁際にぽとりと落ちたそれは、小さな芋虫でしたとさ。「うひ~、どこで付いたんだろ?」

 おそらく下りの途中だろう。結構ガサガサやったわけだし。
 幸い隅の席だったので他の客には気づかれなかった様子。芋虫はそ~っと植木の鉢に移してやって、自分はガラスに顔を映して首筋をチェック。脱いであったジャケットの中も確認を。
 う~、どうも俺、ツーリングに出ると蟲に好かれるんだよなぁ…

 から揚げ定食は可も無く不可もなく。食後に買ったミルクソフトクリームはばっちり正解で安心する。
 さーて、んじゃ5合目もう一ついっときますか。


アイスは別腹です

 国道をショートカットして県道23へ。

 前にはまたまたどかんと富士山が。さすが富士山スカイラインの名は伊達ではない、雲がかかっているのがちょい残念ではあるけれど。


それはもう真正面に

 ふいに県道152の標識が出たので慌てて曲がる。
 確か5合目への入り口が152だったはず、にしては早すぎる気もするのだけれど。

 そのとおり、そこは目指す表富士宮口ではなく、御殿場口の新五合目だった。
 尤もここも登山道入り口なのは変わりなし。オフシーズンで閑散とはしているが富士山が綺麗に見渡せる場所だった。


そういえばこの鳥居、TVで見たことあるような?とか

 14時過ぎ。今度は本当に表富士宮口への入り口を曲がっていく。
 確か以前一度来てはいるのだけれど、あの時は雲に隠れて何も見えなかったんだよな。

 ここも厳しい上り坂だった。角度は先の須走り口程ではないけれど、その分長い距離を上らなくてはいけないのだ。

 ゆるゆると上る。ヘアピンをクリアする毎に高度が上がっていく。
 近づくほどに山全体は見えなくなるのだけれど、斜面の残雪が視界のコントラストを上げる。「あー、気持ちいいなー」


雲もとれてきましたよ

 がんばれがんばれとセローを励ましながら上りついた五合目は標高2400m
 うーむ、金精峠に+500mか、そりゃぁキャブも喘ぐよなぁ。

 オフシーズンなのに駐車場が埋まっていて驚く。人出も結構ある感じ。

 隙間にセローを停めて、せっかくだから記念写真。
 ここまで上がるとさすがに寒い。グローブを外した手をこすって暖める。


お約束画像


結構な駐車台数でした

 オフシーズンなので登山道の入り口は閉鎖されているのだけれど、上からスキーを担いだ連中が降りてくる。
 まぁ自己責任なんだろうけれど、事故が起こった時世話になるのは変わりないんだよねぇ…(自戒自戒)

 たっぷり涼んで(?)出発する。先ほど同様下りは重力を活用するのでエンジンは関係なし。

 県道180まで無事降りてっと。
 さぁて、富士山参拝も済んだことだし、せっかくセローで来ているのだから林道を探してみますかね。

 まずはと訪れた某駐車場。地図に林道入り口が書かれていたからなのだけれど、その入り口はがっちりゲートが閉じられていた。
 んじゃ無理はしないことにしようか。向こう側から軽トラックがやってきたから走れないわけではないと思うのだけれど。


この駐車場から見る富士山がまたなかなかに…

 県道へと戻り次の林道を探す。こんな時にもスマホのマップアプリが大変に便利。
 「いやー、現在地と方向がわかるってホント安心できるわー…」


 しばらく走って「こっちはどうだ?」とわき道へ。

 そして、この入った道が何か不思議な感じだった。

 センターライン付きの立派な2車線道路なのだけれど、妙にうらぶれた感じがする。
 アスファルトの汚れ具合やラインの消え具合、路肩からの草の伸び方。しばらくメンテナンスされていない雰囲気は、閉鎖したリゾートへの連絡路のよう。

 晴天の土曜日だというのに交通量は無い。対向車は俺同様林道を探す風のヤマハのWR1台のみだった。


こんな道だったんですけどね

 「行き止まりならともかく、変なところに通じてたりしたら嫌だなぁ…」と恐る恐る走る。

 ダートっぽい枝道がいくつかあるのだけれど、さすがに皆チェーン等で閉鎖されている。
 だがあそこに見える枝道は…「注意してくださいとは書いてあるけど閉鎖ではなさそうだな」

 それっと突っ込んでみる。
 比較的走りやすい砂利道は林業用の道路だろうか。

 久しぶりの林道。今日のブーツはガエルネじゃなくブラックアンクルだし、タイヤの空気圧もパンパンだけれど、この程度の路面なら問題なく走っていける。
 うん、やっぱセローはこういう場所走らせてナンボなんだよな。


明るい林道はこの後砂利敷きになります

 枝道を探索しながらじわじわ南下する。(富士山的には下り)

 ここは妙に静かな林道だった。
 対向車が無いのはありがちな話だけれど、なんというか…気配がしない
 空は晴れているし緑は綺麗なのだけれど、なんとなく落ち着かない雰囲気だ。

 と、途中のちょっとした広場に古いランクルが停められていた。
 脇に置かれたチェアには帽子を顔に被って寝ている人物が。
 「よし、ってことは入ってはいけない道ではないんだよな。」

 それからどのくらい走っただろう。ポっと交差点に出てしまう。

 右も左ももちろん正面も砂利道。なのにきっちりした十字路というなかなかにシュールなシチュエーション。
 そして相変わらず静まり返った森林からはなぜか鳥の声ひとつ聞こえてこない。


しんとした十字路

 ふと視線を感じて振り返る。
 すると今来た道のかなり遠く、その道路中央になにやら茶色の影が見えた。

 なんだ?と被ったままのヘルメットのシールドを上げて目をこらす。だが遠くて判断不可。
 何気に一歩踏み出したら、その影はさっと動いて林の中に消えていった。

 いったいあれは何だったのだろう?生き物なのは間違いなしとして、大きさ的にはキツネ…なのかなぁ…?

※ここまでの不思議な雰囲気といい静かすぎる森といい、もしや狐に騙される寸前だったのでは?だとすると先のランクルもその脇の人ももしかして……(ブルブル)

 眉にツバをたっぷりつけて十字路を直進。路面変わらず。

 なぜか急に聞こえるようになってきた鳥の声に耳を傾けながらゴトゴトと先へ進む。

 1kmも走っただろうか、林道は舗装路へと突き当たった。
 スマホ上で確認するとこの先は国道に出るらしい。よし、いろいろあったけどとりあえず富士山周辺での林道一本目お疲れ様でした!


そしてその国道の標識がとんでもないところに
(多分旧道に取り残されたのかと)

 国道を経由。2本目の林道を探して某公園方面へ。

 一応標識に従ったのだけれど、道は次第に狭く、そして荒れてくる。
 「うー、なんかわかり難い道だなぁ…これ本当に公園へ通じているのか?」
#一応公園へは出られたのだけれど、どうやら裏側からの道だったようで。

 公園の先、地図上ではそこそこ走りでがあるように見えた林道は、実際には草ぼうぼうの藪状態だったのでスルーする。

 ちょい離れたもう一本は問題なし、それっと走る。距離は短いが本日の仕上げとしては悪くない道だった。


何も・問題は・なし

 16時過ぎ、森を抜けて舗装の県道へと出る。

 よーし走った走った。
 それにしても今日林道を2本も走れるとは思わなかった。この分だと富士山周辺って探せばまだまだ走れる場所がありそうだな。

 スマホのマップがあれば(そして電波の届くところであれば)道に迷う心配も少なくて安心なことも判った。
 そして今日は途中で気づいて走行ルートを記録しておいたから、後で地図上でどう走ったのかを検証するとしよう。


 ゆるゆる走って富士市の宿へと着いたのは夕刻となる。

 駐車場にセローを停めて施錠して。荷物を部屋に持ち込んでほっとする。

 さて、明日はメインのセローミーティング。
 今夜は例によってコンビニ飯だけど、前祝にプレミアムモルツ奢っちゃうもんねー

本日の走行距離:350km、給油回数:2回
本日の教訓:セローにはやっぱ林道が似合う

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■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

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