■ツーリングレポート セロー 福島、北海道

 

2017北海道原点回帰ツーリング記、の4


ほら、原点回帰ですから(再)

 

 

garage Ak!rA

 

<2017年8月14日>

晴れ男パワー充填中

 6時起床。宿の周りを散歩する。

 雨はないが幹線道路はフルウエットで気温が低い。それはもう、ほぅと息を吐くと白くなるほどだ。
 気温はしかたないとして、さて、日中の天気はどうなることやら。

 セローの荷物を整理しているところに宿のご主人が現れた。
 昨夜の食事時に、昔セロー乗りだった事を聞いてある。
 「あれがそれが」のセロー話。そうですねぇ、次期セローはどうなっちゃうんでしょうね。

 朝食をいただいての出発は8:30amとなる。

 「っしゃぁ!」と気合を入れて道路へ出ると、あれだけ濡れていた路面が今はハーフウエットに。
 これなら履いた雨具の下は不要だったかな?でもまぁ、寒いから防寒の意味も込めて。

 一路北上。空は基本的に曇り、時々パラっと降ってくるのが煩わしくて雨具の上着も着てしまう。
 まぁ、寒いから防寒の意味も(略)

 なんとなく覚えのある道道を繋いで走り、9:30am、開陽台

 おお、結構バイクがいるじゃないか。こんな天気だってのに皆元気だな。(含む俺)

 
晴れてりゃ景色いいんだけどねぇ

 さてと下のトイレ脇にセローを停めて、ふと気になったのが2つの看板、「バイク登り口」

 確かに上にはキャンプサイトがある。(はず)

 だが昔はそこまでバイクで上がるのは禁止されていて、ここは「こっそり登る」連中用の秘密の道だったはずだ。最近オフィシャルになったのかな?


にしても妙に挑発的に感じてしまうのは何故?


こんな感じのルートなんですが

 「ククク、そこまで挑発されちゃぁ仕方ねぇ……」 (されてません)

 セローエンジン再始動。
 (シングルトラックなので)上から降りてくる気配の無いことを確認後、一気に駆け上がっていく。
 「うはははは、どーだまいったかー」 (まいりません)

 
雨でヌタっていてもこの程度


ブロックタイヤで問題ナッシング

 一通り自己満足したら、ゆっくりと降りてまた駐車場にセローを停める。

 今度は歩きで正規ルート(?)の階段を登る。
 ついでに展望台まで上がって上からぐるり360度の展望を……「ま、今日は無理だよねぇ」


地平線望むべくもなし

 久しぶりに入った展望台の内部には、なにやらおしゃれな喫茶・売店ができていた。

 ソフトクリームが美味しそうだったけど、さすがにこの時間(&気温)には食べる気にならず断念。


知床がらみで売り出し中かな?

 さてと出発……いかんいかん、開陽台まで来たら、原点回帰的にあの直線で画像を撮らないわけにはいかん。


たとえ雨模様であってもだ!

 一旦道道150を戻って北西へと曲がる。
 この先の山の斜面にはあの「牛」の文字が……「ま、今日は無理だよねぇ」(再)


目を凝らせばうっすらとなんとか

 11時、摩周湖は裏摩周湖展望台

 人出は結構多い、でも……「ま、今日は無理だよねぇ」(再2)


湖畔でも撮ったけど映るは真白い霧のみで


 早々に出発して道道1115

 「こりゃぁ神の子池へ寄っても無駄かなぁ」ととぼとぼ走っていると、「あれ?晴れてきた?」

 なんと、天候が急速に回復してきたではないか。

 灰色の厚い雲に覆われていた空がみるみる白くなり、ちらちらと青空すら見えてきた。
 路面はあっという間に乾き、気温もぐんぐん急上昇。

 「なんだなんだ?誰か太陽神に貢物でも捧げたのか?」(なんじゃそりゃ)


 神の子池

 手前のダートはさすがにまだ湿っていたが、それがかえって走りやすい。
 うきうきと爆走……するには交通量が多すぎる。ここはおとなしく制限速度を守っていこう。

 駐車場には多数の車両。二輪はオンオフ問わず、まぁここまでならSS車でも問題なく入って来れるはず。


路面もフラットですし

 神の子池には一周できる道が整備されていた。

 これまでと違う角度から観賞できるのはありがたい限り。あとはもうちょい静かであれば。
※団体観光客は仕方がないんだけどさ。

 
こちら側には木道的なものが


人が多いと画像撮ってもらいやすいのは嬉しいですけどね


奥側からだとこんな雰囲気に

 もう大丈夫だろうと雨具を脱いで、さて、次は近くにサクラマスの遡上が見られる滝があるっていうから覗きに行くか。

 滝へ南側から入る道がわからずちょいウロウロ。こっちかな?こっちだよな?

 入った林道は未舗装だが素晴らしく走りやすかった。

 まっすぐ続くダートは見通しも良く、さらに良くなった天気と相まってついペースが上がり気味に。でもまぁ慎重に慎重に。


うひょひょひょひょ

 到着した滝。

 深々たる山中の滝を想像していたら、大きな駐車場に観光バスが停まっていて驚いた。
 「そうか、北側からだと舗装路で来れるのか……あ、ってことは!」

 嫌な予感で覗きに行った滝は案の定、外国からのお客様に占領され大騒ぎ状態でしたとさ。
 「これじゃ上がってきたサクラマスも逃げるよなぁ……」


なのでさくっと画像を撮って引き上げました

 帰り道。来た林道を戻ろうとすると、なんと駐車場を出た何台かの乗用車が同じダートに入っていく。
 おいおい大丈夫か?確かに南へ行くにはこっちが近いし、ナビにも道が出てるかもしれないけど、四輪だと結構気を遣う道なんだぞ。

 そしてこれまた案の定、狭いダートに驚いてか、止まってはじりじり進み、また止まってを繰り返す乗用車数台。
 我慢していたけれどさすがに堪忍袋の緒が切れる。「オラオラオラオラオラ~っ!」

……とヘルメットの中で小さく呟きながら、車が止まったタイミングで「そっと」横を抜けていく。
 道幅が無いので草むらをガサガサする(?)のは仕方なし。

 ホント、四輪でも二輪でも、「これは拙い」って思ったら即Uターンしなきゃだね。【自戒再&前フリ】

 さて、時刻はそろそろお昼。そしてガソリンも減ってきた。
 どこかで休憩・給油しても良いのだけれど、この先に狙っていた林道があるんだよな。

 「江鳶山」を越えて清里に抜ける林道は、これから知床へ向かう俺には方向が丁度良い。

 途中には見晴らしの良い展望台があるというし、昨夜の宿のご主人に相談したところ「あぁ、江鳶山の林道なら走りやすくていいよ」と言っていた。
 なら昼飯はちょい遅らせるとして、一丁走ってやるとしよう。

 「江鳶山こちら」の標識に従って走る。

 道は舗装路からダートへ。路肩に乗用車が停まっているのは釣り客だろうか。
 いずれにせよ広くてフラットで、四輪でもなんなく走れる明るい林道だった。そう、途中までは。 


車も入っていってるし


むしろ物足りないくらいの気楽さだったんですが

 「あれ?なんか雰囲気変わってきてないか?」と思ったのはどれくらい走ったあとだったろう。
 気づいた時には人気(ひとけ)がまったく消えていたのだ。

 道はそれほど悪くない。だが痕跡というか「誰かが通った気配」が感じられない。

 そしていきなり現れた二股路
 物理ツーリングマップル上では二股などないし、GoogleMap様はそもそも「そんなところに道は無ぇ」状態。
 標識的なものも立ってはいるのだけれど、「江鳶奥林道改良工事」とかだけで参考にならず。
 「どっちなんだ?これは。」


左 vs 右

 「方向的には左だよな?」と覗きに行くと、100mといかないうちに画像の状態に。
 となると右しかないのだけれど。


左、違う、これは違う


ならこっち(右)、だよな?

 方向を決めて走り出したものの、不安がどんどん膨れ上がる。

 これだけ人気が無いということは、この先通行止めという可能性もあるのではないか?
 その場合、Uターンしか方法はない。だが、先のとおりガソリンが心もとないのだ。

 ツーリングマップル上の江鳶山林道は13km弱と長くはない。
 だが、給油する為には道道1115まで戻り、更に街中まで走らなければガソリンスタンドが無いだろう。

 そしてそもそもこの道自体が間違っていて、延々遠回りさせられている可能性も無いわけではない。
 ボックスの中に緊急用の「命の1L」(予備ガソリン)を積んでいるとはいえ、そこまで考えると……う~む……

 「よし、途中でリザーブに切り替わったらそこでUターンしよう!」
※リザーブ+予備≒3L*30km/L≒90km走れればなんとかなる……はず。 

 さらに先へ。

 道は上りになり、なんとなく頂上方向へ向かっている風。
 だがまだ油断はできない。相変わらず誰かが通った雰囲気は皆無だし、森はさらに深くなりいつ「アレ」が飛び出してきても不思議ではないのだから。

 
それでも少しだけ走りやすくなった……かな?


 「熊っ!熊っ!出るな熊っ!」と叫びながら、やっと木々が切れてきた頂上付近の右コーナーを曲がっている最中、ふと視界の片隅に映るものがあった。 「?!」

 いったん止まってUターン。戻ってそのモノをじっくりと観察する。

 「もしや……これが……」

 そう、どうやらそれが「見晴らしの良い江鳶山展望台」の現在の姿だった。


「まさかお前が!」
(左のタイヤ跡は一度通り過ぎた時のもの)


「俺が追い求めてきた展望台だというのかっ!」

 言葉もなく立ち尽くす。

 当然クマザサをガサガサやって登る元気はない。それどころかクマザサをガサガサさせてアレが出てきてもまったくおかしくない状況だ。

 「でもまぁ、これで道は間違っていなかったことが証明されたわけだな」 (ポジティブすぎる)


これは路肩から。確かにもうちょい上からなら綺麗に見渡せそうな気も。

 一気に気が抜けてしまったのでそこからの下りはゆっくりと。

 だが「行き止まりガス欠」の危険はまだ去ってはいない、下りを良いことにできるだけ高いギアでとぽとぽと進む。

 「燃費によってはそろそろリザーブかも?」な頃、林道の先に開けた景色が見えてきた。

 出口か!と進むとそこには……「ゲートをっ!」


避けようのないゲートが

 「ここまで来て!」「まるまるUターンの場合の距離」「燃費」という言葉が頭をぐるぐる回り始めるがちょっと待て。これはもしかすると?

 そう、このゲートは北海道(だけじゃないけど)でよく見る「鹿ゲート」でカギはかかっていませんでしたとさ。「ふ~っ」


出られました。


「ふ~」(再)

 セローを停め、だあっ!っと大きく伸びをする。

 「ああ、怖かった。遭難するかと思った。人気の無いホッカイドーおっかねぇ……(再)

 ここからなら清里の街中まではすぐ。ガソリンはの心配はもういらないだろう。

<余談>
 結果的に抜けられたとはいえ、本来はUターンすべきだったんだろうなと後に考えてみたり。
 道不明でソロでガソリン少量。ホント何があっても誰にも文句は言えない状況だったのだ。
 そして「大丈夫だよ」って言ってた宿のおっちゃん、それ何時の頃の話だったんだよぉ……

 街中へと降りていく途中にあるのが、「海まで続く直線道路」

 まぁ道東によくある直線なのだけれど、ツーリングマップルに紹介されているので訪れる人が多いらしい。
 今日も薄曇りだけど数台のバイクが。どれ、せっかくなので俺も撮影をっと。


あ、でもこうして見ると結構いいかも

 清里、給油。
 給油量はリザーブぎりぎりといった辺り。燃費は思っていたより良かったようだ。

 付近をぐるぐる回ったのだけれど飯を食う場所が見つからない。んじゃ斜里まで行って道の駅にでも入ろうか。


その前に道東的風景も押さえておいてと

 ★

 14時前、道の駅しゃり

 この道の駅は展示場(?)のみのようで、食事やら土産物は隣の「斜里工房しれとこ屋」なるところが受け持っている様子だった。


道の駅には食事処なし

 どれどれと覗きに行くと、食堂は「昼の営業は14時まで」の看板が掲げられていて入れなかった。

 うーん、それは残念。まぁまだ14時前だってのには目をつぶってやるとしよう。
 んじゃ今日も昼飯もセイコマにするか。実は俺、セイコーマートでの食事が… (もういいんじゃね)

 今のセイコマ押しらしいカツ丼ととうもろこしを腹に突っ込んで一安心。

 さあ、宿のある知床へ向かうぞ!の前に、この先にもう一本直線路があるから見に行こうかな。

 先のが「海に」なら、こちらは「天に続く道」らしい。

 やはり見学二輪が何台か。四輪もいたし展望台もあるから一般客(?)にも有名なのかもね。


こちらもさすがの直線具合

 そしてこの直線は東西なのだけれど、この頂上から南北に延びる直線もあって、俺的にはこちらも気に入ったり。
 真ん中がダートだから、オフ車以外が走るのにはちょい気を使いそうだけど。


トラクターがいるあたりがダート 

 R334北上

 前回スルーしちゃったオシンコシンの滝、今日は覗いてみるとするか。

 滝までの階段は以前来た時より整備されている気がする。
 そして一番違うのが売店が設置されているところ。せっかくなので土産物を買ってみる。
 あとは……「もう少し静かだったらなぁ」 (お盆期間中にそれは無理)


雨が多いわりに水量少な目な気も

 ウトロの宿に着いたのは16時と早い時間。だがこれは予定どおり。

 今日はこれから近所の魚屋で知床土産の手配をしたり、その後着替え一式洗濯したり、いろいろやることが多いのさ!

※そして時間をかけすぎて付近の食事処が全部閉まってしまい、夕飯がまたセイコマになってしまいましたとさ。

今日のルート


今日の走行距離:210km 給油回数:1回
今日の教訓:距離は走ってないけど気は使ったわー

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

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