■ツーリングレポート VMAX1700 福島、宮城

 

ほぼ宮城散策記、の1


ルートがほぼ海、ってのは良いですねぇ……

 

 

garage Ak!rA

 

<2018年8月>

お盆休みなんですから

 恒例(?)お盆休みの北海道ツーリングは、諸般の事情により今年はお休み。

 なので家にこもってひたすら溜まったヤボ用を片付けようかとも思ったのだけれど、それだけだとちょいと悔しい。
 「とりあえずアレかな、ほぼ1泊2日くらいは遊ばせてもらおうかな」

 この時期に出かけるならやはり北、東北が妥当なところだろう。

 1泊2日でがしがし走っても仕方ないので、気軽に行けて帰れて、それでいて遊ぶところの多そうな場所。となると……仙台というか宮城県?

 あの辺りへは何度も出かけているけれど、行くに行けなかった場所も残っているし、最近の状況も知りたいところ。
 「んじゃさくっと行ってみるとしますかね、VMAXで。」

 出掛けるにあたり、NEXCOのツーリングプランへ登録を済ます。

 去年も使った、ETCのカード番号他諸々をあらかじめ登録しておくと高速料金が定額になるプラン。

 今回使った「東北コース」だと、北限が東北道だと福島飯坂、常磐道だと相馬。この範囲でなら高速道路が3日間5,000円で乗り放題になる。

 正直「東北ツーリング」としては中途半端な範囲だし、3割引きの効く日だと総額でお得かどうかは微妙なところ。

 だが、今年のお盆前半の8/11~12は、土日だけれど(渋滞対策で)料金が平日扱い。
 だからこの日に行くなら若干ではあるけれど安くはなる。それに「オートバイだって高速走る需要があるんだぜい=早く二輪車専用料金作れ」というアピールにもなるわけだし。

※今年は特別に8月限定で9000円で5日乗り放題、しかも青森までOKというプランもあり。まぁ今回の俺のツーリング用としてはオーバースペックだけれど。

<2018年8月12日>

出発は明け方に

 早朝5時起き6時発……の予定が、3時前に目が覚めてしまう。

 「遠足前の小学生か!」と喚きながらいそいそと着替え。
 うん、起きてしまったものが仕方がない、ほぼ2時間早いが出発してしまおう。

 荷物は昨日のうちに準備万端(のはずだったんだけどねぇ……) VMAXで自宅を出る。


行きましょう

 走る国道、路面は所々にウエット部分。

 昨夜の雨がまだ乾いていないのだろう。今日の天気予報はほぼ晴れで、まだまだまっ暗な空だけれど雨が落ちてくる気配はない。

 矢板ICから東北道へとIN

 お盆中の日曜日で心配していたのだけれど、下り線の混雑はさほどではなかった。
 もちろん空いてはいないけれど、ほぼほぼ流れている。
 二輪ならではの機動性を生かして右へ左へ……の際には、リアに積んだサイドバッグの幅を忘れないようにっと。

 路肩の温度計が示す気温は23度。那須、白河と北上するにつれこれが21度辺りまで下がっていく。

 Tシャツの上に羽織ったジャケットは、前ベンチレーションは閉め、後ろベンチはOPEN。これで丁度良い感じだった。

 福島県へと入り、東の空がゆっくりと明るくなっていく。
 「うん、これなら今日は予報通り、雨の心配はほぼしなくて済みそうだな」 (さてさて)

 5時前後、いつもの安積PAへと到着。

 トイレを済ませて、給油は出がけに行うとして、この先どう走るかをチェック……「あ……地図忘れた……」

 なんとツーリングマップルを持ってこなかったことに気づいてしまう。

 「うわー!観光ポイントとかわからんじゃないか!今日は地図見ながら行き当たりばったりで決めようと思っていたのにぃ~!」

 うおおおおと喚くが無いものは無い。道自体はほぼGoogleMAP様に頼れるのがせめてもの救いだった。

※ついこの前発売になったばかりの「ツーリングマップルダウンロード版」をスマホに落とすか真剣に考えた。(結局やめたけど)

 せめてもの参考にと、PA入口に置いてあった高速の地図を入手する。
 やれやれ、どうやら今回は本当に本当の「行き当たりばったり旅」になりそうだ。

 給油後出発。

 郡山JCを通過するとさすがに交通量が減ってきた。よしよしとペースを上げる。

 そして調子に乗りすぎて、朝食に寄るはずだった安達太良SAをスルーしてしまう。
 代わりに入った吾妻PAは案の定大混雑。「交通整理のおっちゃん、朝から大変なのは判るけど、その来い来いってのは俺に言ってるのか隣のRX-8に言ってるのかはっきりしてくれないと動きようが……」


二輪も駐車エリアから溢れてまして

 併設のコンビニでのおにぎり朝食は5:45という辺り。

 口元にご飯粒を付けたまま出発し【嘘】 東北道を降りたのは、ツーリングプランの北限である福島飯坂ICだ。

 ゲートに出た表示は、「二輪車・割引2100円」の文字。
 「ん~、割引されてるって事は、意識しなかったけど矢板ICに4時前に乗ったのかな?帰りの福島飯坂~矢板間は3,000円のはずだから往復で5,100円。面倒くさいツーリングプランの登録して割引になったのは100円だけか、ほぼ同じ額になっちゃったなぁ……」 (愚痴らない愚痴らない)


この辺りは既に秋の気配……にはまだまだ遠い気候かな

 福島市内から国道115を東へと向かう。
 目的地は宮城県だけれど、ほぼ2時間早く出たことだし、この辺りで一度海岸線へ出てしまおう。

 途中からは無料の高速(東北中央道)を使い距離を稼ぐ。
 相馬市手前でR115へと復帰して、そろそろガソリンをという辺り。「ありゃ?雨?」

 さっきまできれいに晴れていた空に黒雲が。そしてぽつぽつと降り始めてしまう。

 「今日はほぼ1日晴れのはずなんだけど?」と路肩の木の下にVMAXを停め、スマホで雨雲レーダーを確認する。

 雨情報は無し。ということは1mm以下の雨量だし、東は比較的明るい感じ。なら雨具は着けずにこのまま行ってしまおう。


路面は濡れているけれど日は差して

 ハーフウエットの路面を気にしながらR6、これまたスマホでガソリンスタンドを探して給油する。
 見上げる空は……「を、上がったっぽじゃん、雨」

 さて、それではどこを走るか、とスマホの地図を見ていて気が付く。

 すぐ先にあるこの「松川浦」という場所、先の震災で内海(?)との境の堤防が壊れて、それが最近直ったってどこかで聞いた気がするんだよな。


 松川浦

 なるほど、出来たばかりらしい新しい堤防が続いている。上部にある道路へ南側から侵入する。

 「あー、こりゃ景色いいわー」

 右に太平洋、左は内海。ややカーブを描いて走る白い堤防が綺麗だ。

 VMAXを停めて海を眺める。雲の流れは速く、黒雲は後方へと消えていく。


風強し


雲があるのも趣あってよし

 この堤防上の道路、GoogleMAP上ではまだ繋がっていないのだけれど、実際には北へと通り抜けられる様子。

 ゆるゆると走り、堤防の端に小さな公園があったのでVMAXを滑り込ませる。

 道はこの先トンネルに。その入り口上には多数のお地蔵さま。


よろしくお願いいたします(交通安全的な意味で)

 海沿いの北上を継続する。

 雲は流れ、次第に薄くなっていく。それと共に気温はぐんぐん上がり、夏ジャケのベンチは既にほぼ全開だ。

 海沿いは、堤防を含め工事中の箇所多数。
 そしてあえて空き地にしてある感じの空間が。その中に所々人工的な丘が作られている。

 「避難丘」とあるので津波避難用の高台のようだ。もしかすると鎮魂の碑的な意味もあるのかも。


そして公園でもあるわけです

 亘理の先、同じような丘の一つで休憩する。
 上る階段が長くて辛いけれど、まぁ高くないと避難場所にはならないわけだし。

 頂上は見晴良し&風気持ち良し。
 設置されているベンチは、いざというとき合体変形してトイレとかBBQグリルになるタイプかな?


頂上着


いかにもなベンチ

 その先、地図上に「東日本大震災 慰霊碑」の表示を見つけ、寄ってみる。

 思ったよりもこじんまりとした碑だったが、訪れる人は多く駐車場は満車。

 これまた堤防の向こう側、元海水浴場だった海岸には、当時の写真が立てられていた。


手前の駐車場はいっぱいです


元海水浴場


本格的に晴れてきました


途中にあった旧荒浜小学校は震災遺構、兼避難場所に

 9:30am
 「さて、どうしようか、ほぼ2時間早く出てきたわけだし、あそこへ寄れるかな?」

 あそことは、宮戸島の「大高森」
 (バイクでは)3度目の訪問だけど、回復してきたこの天候なら頂上からの景色はさぞ綺麗なことだろう。

 塩釜、松島を一気に越える。松島は明日のお楽しみなのだ。

 鳴瀬川沿い、宮戸島へ入る道はほぼ記憶通り。だが島へ入ってしまうと給油が怪しいので、一度R45まで出てGSへと寄る。

 戻って海沿いを走って大高森へ。「着いた着いた、あれ?」

 着いたのは良いのだけれど、途中の景色に見覚えがない。
 震災直後に来た時に通った、海の中に強引に作った道(というか岩場の上に鉄板引いただけの道路)はいったい何処へいってしまったんだろう?

 「上から確認してみようか」と、大高森登り口にVMAXを停める。

 この辺りも大きく変わっている。何しろ道路の反対側には道の駅的なものができていたりするのだから。


到着


向かい側には立派な施設が

 ジャケットを脱ぎ、Tシャツ姿で遊歩道を登る。

 「ああ、この階段はほぼ記憶通り……でもないか、そこそこ整備されたみたいだな」


下は緩めの傾斜なんですが


上の階段がきついきつい

 大汗をかきながら15分の山歩きで頂上へと到着する。

 「おお、これはこれは!」

 相変わらずの絶景ポイント。吹く風にかいた汗がすうっと引いていく。


絶景なり


観光客も多いので撮ってもらうのには困りません


今の道に比べ、昔の道はこの辺りだったような?

 下りでまたまた大汗をかき、VMAXの元へと戻ったのが12時前。
 よし、昼飯だけはここでと決めてきた女川へと向かうぞ!

 石巻を一気に越える。石巻は明日のお楽しみなのだ。(再)

 女川までのルートはGoogleMAP任せで……なのだけれど、途中も工事個所・仮設路多数で状況判断を強いられる。
 MAPの更新が間に合っていないので時折逆方向へ走る必要があったりもする。


 12:40、女川駅前のショッピングモールへ。「さぁ飯だ飯だ」

 「孤独のグルメ」にも出てきたこの場所で何か食べるつもりだったのだけれど、さすがはお盆休暇中。中は人で溢れ、周囲は駐車場を求める四輪車がぐるぐるを回っている有様だった。
 二輪なのでなんとか停められたけれど、はて、これ飯屋空いているんかいな?

 「空いてないよ!」

 目当てにしてきた海鮮屋も丼屋にも長い長い行列が。もう13時を回っているのだけれどねぇ。

 ど~こ~か~な~い~か~、とぐるっと回って、ほぼ喫茶店っぽい店にスープカレーのランチを発見する。
 出てきたカレーはなかなか旨かった。そういえばいつぞや北海道で食ったスープカレーも旨かったよなぁ……


あ、これだとそんなに混んでる風には見えないかも


おいしゅうございました


展示してあったダンボルギーニ
(「紙製品なのでお手を触れないでください」の表記あり)

 13:45出発。
 行き当たりばったりの旅ではあるけれど、ここまで来たら牡鹿半島回らないわけにはいかないでしょう。

 東側の県道41は細いワィンディングだ。西伊豆の県道17によく似た雰囲気で、17号よりは広く走りやすい。
 ただここでも工事箇所多数。ところどころ片側交互通行で信号待ちさせられる。まぁ急ぐ旅じゃないし慌てない慌てない。


と、漁港で休憩も

 またまた心もとなくなってきたガスを補給すべく、半島東側から西側へ移動。見つけたGSでのハイオクは高かったが仕方なし。

 ここから県道2号で南下する。道は似たような感じ。

 到着した牡鹿半島の先端(本当の先端は灯台なので異なる)の駐車場は小さかった。
 車は10台は停められないだろう。見晴も今一つな感じだ。
 「ふーん、もうちょい整備すればいいのにな」と出発してすぐ、「御番所公園」なる看板と分岐を発見する。どれどれと曲がっていくと、「あ、ここだ、ここがいわゆる"先端の公園"だわ」

 広い駐車場とトイレ、そして見晴台。そうそう、先端ってのはこうでなくちゃいけません。

 VMAXを停めてジャケットを脱いで見晴台へ。

 観光客もバイクも多数。後からVMAXの30thが入ってきたけれど、声をかければ良かったかな。


御番所公園


向こうに見えるのが金華山……かな?

 戻り路。半島中央を抜けていく県道220は素敵なワィンディングだった。

 程よいアップダウンとコーナー、見晴しは今一つだがバイクで走るには楽しいワィンディング。
 うーむ、南下の時にもこれ使えば良かったかな?いや、やっぱ海岸沿いを走ってこその半島一周というわけで。

※帰ってから調べたら、県道220は「コバルトライン」という有名ルートだった。あれ?コバルトラインって俺、昔走らなかったっけ?【忘】 (←2006年に走ってるよっ!ついでに県道2号も走ってるよ!すっかり忘れてるんだものなぁ……)


 220号からまた2号へと移り、今度は北上する。

 今日の宿は牡鹿半島付け根の西側にあるホテル。
 まずは場所だけ確認して、さて、まだ時間が早いから近くの「弁天島」ってのを見に行こうかな?

 名前に惹かれたのに加え、地図上では渡れるようにみえたので行った弁天島だが、どうやら堤防で繋がっているだけだった。う~むこれは残念。


工事関係者なら渡れるかも

 それでも近くの漁港まで降り、VMAXを停め、ヘルメットを脱ぐ。

 海上を太陽がゆっくり西に傾いていく。

 岸壁の上の釣り人を眺めながら、ぼんやりと風に吹かれてみる。


あ~落ち着く……

 まだまだ明るい16時、宿へとチェックインする。

 俺のツーリングにしては早い引き上げだけれど、なにしろ今日は朝4時から動いているわけだし。


お世話になります

 そして案の定、早めに摂った夕飯で、ビールを2杯飲んだらダウンとなる。

 「さあ寝るぞー!まだほぼ20時だけど寝るぞーっ!」

ほぼはここまで!

今日の走行距離:480km 給油回数:4回
今日の教訓:VMAXでがっつり走ったのはほぼ久しぶり。(まだ言うか)

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■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。



 

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