■ツーリングレポート SEROW250 北海道

 

2021北海道・NO密駆け足道南ツーリング記、の2

2021北海道・NO密駆け足道南ツーリング記、の2
林道から街中まで

 

 

garage Ak!rA

 

<2021年8月11日>

海から山へ向かいます

 「寝たぞ!9時間寝たぞ!」

 6時起床。窓の外に雨は無くホっとする。
 昨夜の予報では「一日曇り」だったのだけれど、例の台風・低気圧の影響で天気予報の信頼性が低いのだ。

 朝飯はホテルでゆっくりと。

 駆け足と書いた今回のツーリングだが、言い方を換えれば「予定をあまり決めていない」
 今夜はこのホテルに連泊する。だから今日は函館の周囲をゆっくりと回るつもりなのだ。

 7:30発。
 気温は18度と低めだが、空にちらちら青空が見えはじめているのが大変に嬉しい。
 嬉しくないのはヘルメットの頬パッドがまだ湿っていることだ(部屋に入れておいたんだけどなあ……)

 そしてもう一つ。
「良い子のみんな!メッシュシートカバーは意外に乾きが遅いぞ!気を付けろ!」(濡れたGパンの尻を上げて走りながら)

朝模様
空はむしろ晴れと言っていいんじゃぁ?(贔屓目)

 さて、まずはせっかく函館へ泊ったのだからと、駅前の朝市を見に行ってみる。

 尤も前回のように買い物・食事をするつもりはない。バイクから降りずに遠くから眺めるだけだ。「あ、でも結構人出あるんじゃん」

函館朝市
お店も沢山開いていました

 函館市街を南へ出て国道278。天気は更に良くなった。

 おお海だ海だ。そういえ前回函館の海ってじっくり見てないんだよな。

函館の海
空はもはや晴れと言っていんじゃぁ?(確認)

 国道278を東へ。
 道は空いていた。今日は平日だからもう少し混むかなとも思ったのだけれど。

 青空が見えていた空は東へ向かうにつれ雲が多くなっていった。でもまあ雨にならなければそれでよし(達観)

 うらうらとツーリングマップル(物理)の観光地情報と照らし合わせながら進んでいく。

戸井線アーチ橋
旧戸井線コンクリートアーチ橋は軽井沢碓氷峠旧道のめがね橋にも似た雰囲気

汐首岬
汐首岬、なるほどなるほど

 せっかくなので国道を外れ旧道へも入ってみる。
 趣あるトンネルの手前には供養塔、手を合わせて旅の無事を祈る。

海辺トンネル
昔はこんな感じの道が多かったのかも

近海遭難者供養塔
近海遭難者供養塔

 更に東へ。
 今日も風が強い。連泊なので荷物はホテルの部屋に置いてきて、リアのデカボックスの中はほぼ空だ。
 昨日のようにフロントが軽くないのは嬉しいけれど、この風だと重い方がかえって安定するのかな?(さて)

 強風の海岸縁を走る。潮の粒がシールドを曇らせる。

 「良い子のみんな!コンビニでくれるウエットシートはシールドの汚れをとるのに便利だぞ!でも白く残る事もあるから要注意だ!」

海辺
海も「荒れている」って程ではないでしょう

 8:40、道の駅なとわ・えさん。トイレのみ(店舗はまだ営業前)

 また晴れ間が出てきて喜ばしいかぎり。
 二輪駐車場に停まっていたいたVストロームは同宿の方だった。『この先通行止めですね、私は行くだけ行こうと思ってますけど』
 ああ、そういえば手前になんかそんな掲示がありましたよね。でもどこからでしたっけ?(町の名称なのでピンとこず)

道の駅なとわ
空暗く見えますがやや回復中

 Vストを見送って、さて、んじゃ俺は道道635の行き止まりを見に行きますか。

 地形が厳しすぎて恵山岬を周る道路を作ることができず、「こっち側(南)」と「向こう側(北)」でぷっつり切れているのが道道635。
 そう、我々ライダーは、行き止まりとか先端とかがあるとつい寄ってしまうのだよ。

 国道から道道へと別れ、雰囲気の良い漁港を抜けるとなるほど道は行き止まりになった。
 「オフ車ならもうちょい先まで行けるんじゃ?」な希望も持っていたけどこれじゃ無理だわな。

御崎行き止まり
見事に切れてました

 Uターンしてちょい走り、今度は山へと上がっていく。
 恵山登山道路の先、ツーリングマップルにもある恵山の自然公園(火口原)がなかなかに雰囲気が良いとの噂なのだ。
 「うわー、凄い上り坂だな。舗装路の14%ってなかなか無いぞ」

急坂
セローでも再発進に気を遣うくらいの坂

 途中にある海峡展望台は今日のような曇りだと見晴らしは今一つ。
 それでも海が見えて気持ちが良い。強い風に煽られながらしばし休憩。

海峡展望台
「これで晴れてれば」は言いっこなし

海峡展望台
いろいろ見えるみたいです

 その先が恵山道立自然公園
 「火口原駐車場」とあるとおり茶色い火口が見える。福島の浄土平にも似た雰囲気だ。

恵山自然公園
凄い凄い

恵山自然公園案内図
遊歩道もあるようで

 広大な駐車場だけれど今日は乗用車が2、3台停まっているのみ。
 なので好き勝手に撮影させていただくとしよう。

恵山自然公園駐車場
贅沢な構図で

 またまた戻ってR278を今度は北へと向かってみる。
 と、途中で先のVストさんとすれ違った。ってことは通行止めはこの先なのかな?

 岬を横断して向こう側の海へと出る。
 国道と別れ道道231へ入ると、お祭りなのか山車と大勢の人々が。そうこれ、お盆時期の北海道をツーリングしていると結構出会う景色なんだよな。

山車
近くにある八幡神社のお祭りのようでした

 道道231を東へ、その先は635。
 行き止まりの温泉(水無海浜温泉)が恵山岬の「向こう側(北)」になる。
 あはは、確かにこりゃ道路造るの難しそうだわ。

岬行き止まり
こちらはロータリーになってました

海岸湯舟
海岸には湯船が2つ

湯船看板
なるほどなるほど

 納得したらまたまたUターン、R278へ合流して今度は北へ。

 数キロ走ると、道端に警備の車とおっちゃんが現れた。「この先通れないよー」
 ああ、通行止めってのはこの辺りだったんですねぇ。

 原因は大雨による冠水らしい。海沿いとはいえここは国道、って事は昨日はよほど酷い雨だったのだろう。

強風海岸
手前の海岸も相変わらずの強風でした

 またまたUターン、R278を戻っていく。
 山間部分には面白そうな林道がいくつか顔を覗かせる。まだ10時過ぎだし、今日は時間もあるし、良さげところがあったら入ってみよう。

林道1
……と、進入するも先がヤヴァくなって引き返す

林道2
こちらは明確に進入禁止

道が川
場所によっては道にざばざば水が流れていて

 あちこち覗きながら道を道道41へと変えて西へと進む。と、望んでいた「良さげな林道」が現れた。
 入口は広いし「小平治林道」なる立派な看板も立っている。ここなら大丈夫かなと進入してみる。

小平治林道
路面は普通だし距離4km弱(看板による)だし

 ところがまぁ、これが凄かった。

 走り易い坂を一つあがった先、急坂部分で突然道が荒れ荒れになる。路面の砂利に深い溝が何本も走りガタガタになっていたのだ。

 あわわわわと登る。ハンドルが猛烈に暴れる。
 空荷状態でこれだから、昨日のようなフル積載だったらいったいどうなっていたことやら。
 それでも戻らず先へと進んだのは、単に停まると再発進できない恐さがあったのと、Uターンする余裕が取れなかったからだ。
#もちろん画像なんか撮れるはずもなし

 激荒れ部分を抜けると路面はぐっと良くなった。これだけ荒れていた原因は間違いなく昨日の雨。本来は走り易い林道なのかもしれない。
 「ふーやれやれ、でも帰りにあそこを通るのはちょっと嫌だな」


 先はどんな感じかなと登ると道が二つに分かれていた。
 上への道には「板小屋林道(5.1km)」の看板、下への道には無し。ならやっぱ上だよな。

分かれ道
同じ林道なのにどうしてここはこんなにフラットなの?!と驚きながら
そして先の4km看板はなんだったのか?(ここまでは1kmくらい)

 「走り易くなったじゃん!」と山を上がるが、周囲の森が次第に暗くなる。道はまだまだ続いているけれど雰囲気的にちょいヤヴァい。
 もちろんGoogleMAPはとうの昔にロスト済。どこへ通じてるか(もしくは通じていないか)まったく判らない。
 ふむ、ソロだとこの辺りが引き返し時かな……

林道
地図上のこの先(北?)にはまったく何もなし

 Uターンしてすぐ。なんと4輪とすれ違った
 四駆ではあるけれど乗用車的な車体。三菱のアウトランダーのようにも見えたけど、こちらはフロントタイヤを路肩のどこに通すかに集中していたので確認できず。

 すれ違ってから考える。あの車はどこから来たのだろう?さっきの下の道からかな?

 なので先の三叉路をその下の道へ曲がってみる。

 なるほどこちらは見通しも良くて走り易かった。さすがに路面はドロドロだけれど、最初の坂や上の道に比べればおしゃれ林道と呼んでも良いくらいだ。

林道下の道
見晴らし良いのがありがたく(熊的な意味でも)

 しばらく快適に走る。あの四輪がこちらから来たのならタイヤ跡があるはずだが今一つはっきりしない。

 そして行先が怪しくなってくる。見通しは悪くなく、時々さっき行った恵山がちらちら見えるから東へ走っているのは間違いないが、どこかへ抜けている気配がまったくない。
 位置的には南へ下れば道道41へ戻れる気がするのだけれど。

 尾根に出ると下が見えた。海の手前に見える町並みは国道278沿いのはず、であればそのかなり手前に道道41が通っているはずだ。

 むむむと考えたが、やはりここで引き返すことにする。道は確かにこの先下りになるのだけれど、ぐっと細くなってどうにも不安なのだ。
 路面に落ちたシカの糞の塊からは盛大にキノコが生えているから、しばらくここを走った車もなさそうだし。

林道途中
恵山が見える方が東(のはず)

林道途中の2
中央(南)に見える町並み
(シカの糞のキノコ画像は自粛)

 来た道を戻る。
 慎重に三叉路まで戻ってよくよく見ると、初めに俺が入ってきた方向にうっすら4輪のタイヤ跡。ああ、やっぱりこっちから来たのか。あの荒れ荒れを登るとは凄いなアウトランダー(推測)

※探すと三叉路の工事看板の後ろ側に、傾いた「三枚岳方面」の標識が隠れていた。どちらを指していたのかは不明だけれど後で検索してみよう。

 その荒れ荒れ急坂部分をあわわわわと降りて道道41へ復活する。

 あー大変だった、無事帰って来られて良かった。
 そしてこんなお遊びにチャレンジできるのも、足つき万全で航続距離の心配がないセローのおかげなのは間違いなし。
 「お、今の林道でオフロード車らしい見た目になったじゃん」

林道口
 I came back

泥エンジン
まぁまだまだ甘いレベルですが

<余談1> 帰宅後GPSを確認(当ページラストに掲載)すると、「下の道」は道道41とほぼ平行に東へ向かっていた。
 あのまま行けば戻れたのかな?いや、その先に川も流れていたみたいだしな……

<余談2> とまぁ林道でGoogleMAPは見られなかったのだけれど、なぜか代わりに「dポイント払いにするとお得だよ!」メッセージがたびたび現れてイライラさせられた。通信復活と同時にアプリは即削除!

 道道41を西へ。

 「舗装路は~どうしてこんなに走り易い~」とたらたら走っていたら、枝道からオフ車が2台飛び出てきた。
 地図を確認すると、なるほどここから海まで出られる林道が1本ある。よぉし俺もと突っ込むがすぐに通行止めのゲートに阻まれた。
 うーむ、あの2台はここで引き返したのだろうか?それとも向こう側からゴニョゴニョしてきたのかねぇ?(と引き返す)

道道970
道道970とあるからちゃんとした(?)道のはず
でもツーリングマップル上でも×印がついてました

 道道83へと出て、遅めの昼飯はラッキーピエロ
 函館で有名なチェーン店で、9年前には「函館まで行ってラッキーピエロに入らなかっただと!」とずいぶん莫迦にされたものだ。(そうか?)

ラッキーピエロ
幸運な道化師

 店内に人は多かったが「混雑」というほどではなかった。ほう、なるほど、先にオーダー&支払いして、それから席で待つんですね。

 山ほどあるメニューからチャイニーズチキンバーガーセットを選んだのは、それがメニューの先頭にあったから。
 知らない店での俺の定番の選択方法。まぁ主としてラーメン屋でなのだけれど。

 席で待つ間、周囲に響くのは「お待たせしましたヤキソバです」「オムライスです」「カレーです」
 ああ、そういう選択肢もいいなあ……(空腹)

 届いたチキンバーガーは旨かった。
 大きさは驚くほどではないが重い。具は甘辛いソースがかかったカラアゲ(ザンギ?)のよう、基本ジャンク味だが旨い。
 セットのポテトにもいろいろソース、これまたジャンク味で旨い。

チャイニーズチキンバーガー
ずしりと重く

 げふーと店を出る。さて、んじゃ一旦函館市内まで戻るかな。

<余談>
 途中「お土産も買えます!」の幟をみつけて地元的スーパーへ入ってみた。
 なるほど北海道土産的コーナーが作られていて「土産物屋街で買うよりはお安そう」とあれこれ購入。
 それにしても今年の蟹はなんでこんなに高いんだろう……

 函館市内に戻ったら向かうは赤レンガ倉庫街。
 ここも9年前に(バイクでは)スルーして、「函館に行って赤レンガ倉庫に行かなかったなんてと(略)

赤レンガ倉庫
メインストリート的な

 さすがにこちらには人出があった。観光人力車も走っているし、結婚式・パンフレット撮影のような事も行われている。

 観光的なことをするつもりはないのでセローで細い路地をぐるぐると回る。
 雰囲気良さげなところで記念撮影、いろいろがんばったけど出来は……うーん……(腕)

赤レンガセロー
写真館に載せた画像(のベース)

赤レンガセロー2
どうせならとことんドロドロの方が面白かったかも

 ちょっとだけ土産物屋によってお買い物。その後近くの「緑の島」なる場所へ移りセローから降りて体を伸ばす。
 あー、走った走った。さて、まだ15時前だけどどうしよう。

 「立待崎」は観光スポット。海の向こう側に見える函館の街並みが綺麗だった。

立待岬
南西は海だけですが……

立待岬2
……北東には函館が見えます

 路面電車を追いかけながら(?)函館市街を走り、まだ時間があるな……と、俺には珍しくスパ・温泉を探してみる。
 昨夜のホテルのユニットバスも悪くはないけれど、やっぱり大きい風呂にも入りたい。

 「湯の箱こみち」はスーパー銭湯。大きい施設で函館温泉の源泉なのに料金600円とお手軽価格だ。

 ご時世を反映してこの時間帯の客はごく僅か。大きな湯船に浸かってホッとする。
#そして大声で話すおっさん2人組からは距離をおく

スーパー銭湯
立派な施設でした

 17時までまったりして、なんならここの食堂で夕飯にしても……にはまったく腹が減っていない。ラッキーピエロ恐るべし。

 ホテルへ戻る途中、道筋だったので五稜郭の土産物屋にちょっとだけ寄る。
 レトルトの函館カレーが買えて嬉しい。そして五稜郭ステッカーがなくて悲しい。

 ホテル近く。本日最初で最後の給油の際、GSのおっちゃんにナンバーを確認され「宇都宮の餃子って旨いんだろうねぇ」と声を掛けられ、笑顔を返してみたりする。

 18時半、ホテル着。

 相変わらずさほど腹が減っていない。なので今日も夕食はコンビニで。
 でも今日はGSの後にセイコマ(セコマ)に寄れたのだ。だからホットシェフのモノが食べられるんだぜい!
※もちろんサッポロクラシック付きなのは言うまでもなし。

リア箱
今日のように空に近いデカケースにはVZ-Ramがすっぽりと収まるわけで
(ツアークロス2は無理)
そしてヘルメットを取れば弁当だろうが丼だろうが丸ごと収められるわけで

今日の走行距離:200km 給油回数:1回
今日の教訓:たった200kmだけどとても充実した走りになりました

今日のルート

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 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。