ホント、素晴らしい天気でした
■我慢もそろそろ限界に
「嫌だっ!もう出かけるっ!出かけるったら出かけるんだもンねっ!」
昨年来のコロナ禍は依然継続中。遠出はずっと我慢して、バイクに乗るといえば近場をぐるぐる回るのみ。
先日ロングに誘われて「よーし行ったるかー!」と意気込んでいたのに、ヤボ用が重なって泣く泣くキャンセル。
俺の心の座敷牢に押し込めてある「バイクで出かけたい病の蟲」が、入口の格子をガタガタ揺すりながら「ここから出せぇ!」と叫んでいる。そろそろ限界が近いのだ。
「ツーリングに出るぞ!そして行くなら東伊豆だ!」
コロナ禍第4波が見え隠れ、近々マンボウ(*1)とやらも発令される東京へは出かけられない。近隣の埼玉・千葉・神奈川も避けたいところ。そして東北はまだ寒い。
4月になってやっと寒さが和らいできたのだ。どうせなら暖かい場所に一泊してまったりと走りたい。
そしてそんな望みを叶えるなら伊豆半島は最適と言えるだろう。そしてそして、東伊豆には行きたい場所が溜まっていたりもするのだよ。
★
それでも本当に出かけるかどうか、ぎりぎりまで悩んだ。
ヤボ用続きの昨今。用事が1つでも入ったら中止するつもりだったけれど、「特にありません」
少しでも雨の気配があったらヤメるつもりの天気予報は、「土日両日とも晴天です」
3密回避が大前提。安いホテルが取れなかったら諦めるつもりが、「空いてます」
……うーむ、これだけお膳立てされたら仕方ないな(喜)
★
<2021年4月10日>
■出発の朝!……は冷え込んで
土曜日朝。5時起き。
ホント、休み・遊びの日には早起きが苦にならないんだよな。
「ちょっと冷えるかな?」を感じたのは朝のトイレで。
壁の温度計は10度を指していた。室内でこれだと外は結構冷え込んでいるはず。ここしばらく気温の上下が激しいのだけれど、どうやら今朝は低めのようだ。
そういえば2014年に出かけた南伊豆キャンプは、日付的にもっと後だったけどかなり寒かった覚えがある。さて、なら今日はどうなる・どうするかな?
悩んだ服装・装備は、下半身はニーシンパッドに防風ジーンズのみ。さすがに朝一番だけはこの上に合羽の下を履くつもりだ。
上は冬アンダーに極厚インナー、ウインドブレーカーを着てその上からパーカー。
これなら5度くらいまでは対応できるだろう。
荷物を持ってガレージへ。
がらがらとシャッターを開けた時、ちらり目に映った温度計は……ま、気にしないキニシナイ……(しようよ)
鉄板に接してるから派手目に出るんでしょ(さて)
※ちなみにグローブだけは完全冬用に換えました。(さすがにハンカバは付けず)
★
セローは空気圧その他諸々チェック済み。
早朝の控えめの暖機の後、走り出したのは6時前だ。
そういえば自作マップ・マップルケースは実戦はこれがデビューだったかも
国道4号バイパスへと出、南へと走る。
「うん……寒いね」(だろ?)
さすがにこの気温、合羽を履いているにも関わらず太股がスースーする。「やっぱり中にタイツ履いてくるんだったかなぁ」
尤も上半身は着込んでいるので「我慢する!」と意気込むほどでは無し。ツアークロスを被っている顔も大丈夫。
一番危ない首回りは、友人から貰ったJAPEXのネックチューブ(カバー)が大活躍してくれた。薄くて伸縮性があるので顎まで上げても邪魔にならないのだ。
こりゃいいもの貰ったな、次のブーツはJAPEX扱いのタフギアにするか(単純)
使い方いろいろ(取説あり)
★
たぱたぱ走るR4は、早朝だがそれなりに交通量があった。
そして(この道では毎度のことだけれど)皆ペースが速い。
(225と違い)ツーリングセローだと1.5IS(IppanSeigen:意訳)での巡行も楽々だけれど、ここではそれでも煽られ気味。ま、慌てずまったり行くとしよう。
途中のコンビニでコーヒー&パンの行動食を摂る。
ああ、空が青いわ。こりゃぁ今日はいい天気になるぞぉ……
真っ青なんだもの
さてこの先、伊豆までのルートはどうしようか。
このまま南へ下って首都高から東名か、はたまたぐるりと回る圏央道か。
料金的にも距離的にも首都高経由の方が有利ではあるのだけれど……「まあ今日は東京はスルーしようかな、マンボウ的な意味でもさ」
★
五霞から圏央道へとIN。西へと走る。
高速道路の混雑はやや少なめな感じ。その気になれば飛ばせるけれど、セローのペースは制限速度+5km/hあたりが丁度良し。
圏央道をぐるっと回って海老名から厚木、小田原厚木道路へと乗り換える。
……と、ポっとリザーブランプが点いた。あれ?まだ270km弱しか走っていないんだけど?
実は今日は中途半端な走行距離・ガソリン量で出発している。
満タン保管が原則のうちのバイク達だけれど、前回ちょい乗りの後給油できなかったのだ。
それにしてもリザーブが点くのは7L以上消費してから、ってことは燃費は40km/Lを切ってるんじゃなかろうか?
いそいそと大磯(韻)で下りて給油する。量は7.4Lで燃費は37km/L辺り。
んー、良くないな。しばらく乗らない間に蒸発した量が多かったか、それとも高速走行の影響なんだろうか。
※以前にも同じよう事を言ってた気が。
★
給油ついでにコンビニでコーヒー休憩。
神奈川まで来たし時間も経ってはいるけれど、気温はさほど上がっていない。冬グローブは正解として、こりゃ下も冬パンツで良かったかも。
※日中の気温が読めなかったからヤメたんだけどね
国道1号で西へ。
本当は西湘バイパスで海を見ながら走りたいところだけれど、今は工事で一部通行止めのはずだ。「あれ?んでも走ってる車いるなぁ……」(横目で西湘を眺めながら)
※通行止めなのは小田原西から先だったそうで。
乗り換えた国道135は混雑というほどでもなし。
真鶴、湯河原と来たところで、先に飲んだコーヒー効果でトイレ休憩。
「あー、ちょい雲出てきたけど海綺麗だなー」
それでもまだまだ晴れのうち(俺基準)
熱海、網代と進むうち、またまた青空が戻ってきた。
休憩がてらに宇佐美海岸。やっと上がってきてくれた気温にえいやと合羽を脱ぎすてる。グローブも冬用から3シーズンにチェンジ。
確かに脱ぎました的自撮り
海にはサーファー多数
国号135から県道109。この道は細くてくねくねと、これまたセローで走るには丁度良し。
「海だ海だ」と騒ぎながら走る。
さて、早朝から動いているので腹が減った。昼飯は早めに摂らねばな。
11:20am、地図にマーキングしてきたお店へ飛び込んでみる。
うん、有名な店(らしい)で確かに美味しいしお洒落なんだけど、俺には量と価格のバランスがというかコストパフォーマンスがというか……(フェードアウト)
お店から見える景色が素敵でした(フォロー)
★
「でもまぁそれはそれとして!」と出発する。
その先、城ケ崎で灯台やらつり橋やらを見学しようと思っていたのだけれど、駐車場にはゲートがあって有料の様子。
「そこまでじゃないかな……」とスルーして、しばらく走るとまた駐車場が。
何気に近づくと「二輪は無料だよん!」の文字。「うわ~ラッキー、さっきのところスルーして大正解じゃん!」(甘い)
これはこれは……
広々駐車場(フラワーミュージアム駐車場)
二輪駐車場にセローを停めて歩き出す。
案内図によれば目指すつり橋までは1km程歩くらしい。でもまぁ、上の駐車場からでも同じだろうし、何よりこっちは無料なんだし。
海沿いの崖の上、林間の遊歩道をえんやら歩く。ああ、気持ち良いわ。動くと体も熱くなるわ。
遊歩道というよりはハイキングコース
えんやら1km歩いて着いたその場所は……「ありゃ?ここも駐車場じゃないか」
どうやらそこは、先にスルーした上の駐車場(門脇駐車場)のようだ。
しかも、同じくらいの距離と思っていた灯台・つり橋がすぐ近くに。更に加えて……「こっちの駐車場も二輪は無料じゃないかよう!」
ぐぬぬ、わざわざ1km離れた駐車場に止めてしまったのか。帰りもあるから2km余計に歩くはめになったぢゃないか。
※ま、最近運動不足だからいいんじゃね?(ポジティブシンキング)
これだから生来の貧乏性は……とぶつぶつ呟きながら灯台とつり橋を見学する。
観光地だけにそこそこの人出。崖上で「犯人はあなたですね」と土ワイごっこ(?)する人多し。
門脇埼灯台
「灯台はやはり狭き門なのですね……」(←このネタも大分古くなったよな)
そんなには揺れない吊橋です
崖上にも人多数
景色凄いものねぇ
海・崖と橋を挟んだ反対側が、有名な「半四郎落とし」
ほうほうと見学して、1km歩いて(しつこい)セローのもとへ。
さて、んじゃ今日のメインへ向かうかあ!
……と向かう途中にて。向こうに見えるのは伊豆大島
★
今日のメイン、それは細野高原だ。
広大なススキ野原(秋)が有名だし、頂上からの見晴らしも素晴らしいとのこと。
何より草原の中をくねくね走る細い道がバイク乗り的にはたまらないらしい。ここ、一度訪れてみたかったんだよね。
あらためてスマホのナビをセットして、「教えて!GoogleMAP様!」
#国道からの曲がり角が判り難そうだったからだけど、実際には看板も立っていて問題なし。
★
稲取で国道を離れ、内陸へ。
細野高原の周囲=道が狭い、というイメージが強かったけれどこの辺りはまだまだ普通の幅。
それでも恐々走っている(風の)初心者マークを付けたミニの後ろをまったりと進む。
「ああ、ホント今日は天気がいいわ」
走る事10分。ふいに周囲が開けた。
左手に草原が広がり、見上げる山の上には風車が回っている。
駐車場っぽいスペースがあり車が数台。横には「1」と書かれた看板が立っている。
どうやらここが細野高原(の下の方)のようだ。
「ふむ、なるほど、でも道はまだまだ続いているんだな」
上はどうなっているんですかね?
★
どれどれと先へ進む。
道は上り坂。高度は次第に上がり、道端に駐車スペースが現れる毎に「2」「3」と看板の数字も上がっていく。
「4」までくると、草原が山の上まで広がっていくのが見て取れた。
「ふむ、なるほど、でも道はまだまだ続いているんだな」(再)
「4」を越えると道は林間へと入って行き、ぐっと細くなっていった。
路面も荒れ、ゴロ石が転がり始める。一応舗装はされているけれど、四輪で走るとすれば相当に気を遣うだろう。
「そうか……ここを走ったなら凄いな先生……」(誰?)
次第に怪しい道に
ガレ石というか壊れたコンクリートと言うか
石を越え、苔で滑り、泥を蹴立てて先へと進む。
そして、とうとう倒木に前を塞がれた。ふ、細野高原もこれまでか(違)
最後はこんな感じに
そりゃぁGoogleMAPも戻れって言うわ
★
Uターンして「4」まで戻ってセローを停め、やれやれとヘルメットを脱ぐ。「ふ~」
空は快晴。草原は緑。吹く風が実に気持ち良い。
青空が眩しくてねぇ
この駐車スペースにも車が数台。
そこから降りたと思われる人は観光……というか、手にビニール袋を持って草原の中をうろうろとしている。そうか、丁度ワラビ・ゼンマイの類のシーズンだからな。
※採っていいのかどうかは不明
駐車スペースには分岐があり、そこから細い舗装路がうねりながら山を登っていく。
そこを走れば気持ち良いこと間違いなしだけれど、入り口には無常の「乗り入れはご遠慮ください」の文字。んー、残念だなぁ……
いかにもな道なんですが……
残念無念
悔しいのでセローを移動して記念撮影
★
「そうするとWEBに上がってる細野高原の画像はどこで撮っているんだろう?」とか考えながら下へと降りていく。
途中にあった看板が「桃野湿原」
こちらは進入禁止ではなさそうなので楽しくぐるぐると回る。
大丈夫そうです
下でと
上からと
★
更に降りて「3」
ここからも草原方面へ向かう細い道があった。そして進入禁止の標識はない。
「これかな?」
枝道あり
どれどれと入っていく。
「うはは、これだこれだ!」
細い道は、草原の中をくねくねと曲がりながら山を登っていく。
道幅はごく狭い。軽自動車ならなんとかなるが、3ナンバーでは遠慮したい感じだ。
そして斜度とカーブがきつい。セローでさえ場所によっては1速を使う必要があったから、二輪でも大型車は苦労することだろう。
※案の定、苦労して登るホンダの大型車あり
ともあれ、セローならこの手のコースは大好物。嬉々として登る。
★
道の終点には小さな駐車場があった。
セローを停めてヘルメットを脱ぐ。おお、この景色は画像で見たことあるぞ!
「崖」といっていいくらいの斜度。そこから眺める景色は、今日ようなの天気だと恐ろしいくらいに鮮やかだった。
山は緑で空と海は真っ青。吹く風は爽やか。「うっひゃ~!最高だなこりゃ!」
なのでわざわざセローを移動して撮影
もちろん記念撮影も
本当の頂上はここから歩いた先のよう
たっぷり30分まったりとする。
バイクも何台か上がってきたが、大型車はやはり苦しそうだった。そして四輪はうかつに止まると発進できなくて大騒ぎだ(FFだと前輪が空転するほどの坂)
満足するまで眺めた後、よおしと来た道の反対側へ降りていく……と、なんと「4」に出てしまった。
ありゃ?ここ進入禁止の看板があったよな。知らなかったとはいえちょっと気まずいわ……
#なので歩いて上がってくる人にはにこやかに挨拶を
★
「4」から「3」、更に降りて「2」
ここにも草原の中入って行く枝道があったので覗いてみる。
こちらは山を登るのではなく、草原をぐるぐる回る感じの道だった。
更なる標識もあって「7」とか「8」とか。広いスペースはパラグライダーの着陸場のようだ。
7看板
パラグライダースペース
枝道も多数。進入しては行きどまってUターン、を繰り返す。そうそう、これこそセローの真骨頂よ!
素敵な小路に誘われていくと
こんな感じに行き止まり
「堪能した!楽しかった!」と高原を出る。
そして国道まで戻ってから「慌てる旅じゃなし、こんな良い天気なら歩いて頂上まで登るべきだったんじゃ?」に気づいたけれど後の祭り。
※なので次回のお楽しみに(ポジティブシンキング)
★
さて、次の目的地は「風車が並ぶ高台の丘」だったのだけれど。
「えー、閉鎖中なのー」
が~ん
が~ん*2
無情の看板は、「4/1から駄目になりました」
くっそー、2週間早ければ入れたのか。でもまぁこんなこともあるさ。
※細野高原が素晴らしかったのであまり悔しくない
★
いつの間にやら日が西に傾いていた。
今日の宿はすぐ近くの熱川温泉。
ホテルだけれど安プランなので夕食は無し、だから近隣のコンビニで飯を調達していこう。
伊豆まで来てコンビニ飯は残念ではあるけれど、飯屋で頼む大ジョッキ代で高い缶ビールが3本買えるわけだから(ポジティブシンキングというより貧乏性)
ホテル到着。
「安いプランのある宿にはバイク乗りが集まるの法則」はここでも健在っと。
お疲れお疲れ
「にゃー」(特に意味はありません)
そして部屋に入って驚いた。安プラン(しつこい)だったのに部屋が恐ろしく広かったのだ。
3部屋あってベッドはツイン+エキストラ。
うむ、広い分には不満はないぞ(偉そう)
夕日と共にビールを開けて、コンビニつまみでゆっくりとやる。
窓の外はすぐ海、その向こうに伊豆の島がぽかりぽかりと浮かんでいる。
うん、いいぞいいぞ……
ビール万歳!
*1 マンボウ:新型コロナウイルス対策の法律「まん延防止等重点措置」の略。
(何年か後には忘れられているだろうのでメモ)
★
■今日の走行距離:360km 給油回数:1回
■今日の教訓:天気サイコー!
★
■ ご注意 ■
ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。
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