■ツーリングレポート SEROW250 東京

 

強行!年末伊豆大島ツーリング記、の4

強行!年末伊豆大島ツーリング記、の4
ドコデスカココハ?

 

 

garage Ak!rA

 

<2021年12月27日>

BLACK and WHITE

 朝5時起床……したものの、慌てる必要がないので寝なおすことに。
 そしてどこからか聞こえる物凄い風の音。今日も昨日並みに風が強いのだろう。

 改めての起床は7時。荷物を整理して宿の朝食はホットサンド、美味し。

ホットサンド
おいしゅうございました

 荷物をまとめて外へと出る。やはり風は強いが日差しもまた昨日同様、今日も良い天気になりそうだ。

 ところがセローのシートの上には、なぜか雪の名残があった。あれれと見るとハンドカバー上にも溜まる氷の粒。
 夕べ雪雲でも通ったのかな?今はこんなに晴れてるしどこもかしこもカラカラなんだけど?

凍るシート
しっかり凍ってました

 セロー発進。
 装備は同様。だから昨日より気温が低くなっていることがはっきりと感じられた。

 まずは昨日同様大島一周道路で南下する。今日はいろいろ寄り道しながら走る予定。

 まずは看板のあった「王の浜」へ。
 海沿いの駐車場から眺める景色は相変わらず綺麗。海の白波も相変わらずだ。

海
飛び交う潮もまた同様

 先へと進む途中、気になったのが四輪車の上に乗った雪だ。

 今日は月曜日。さすがに交通量は昨日より多い(というか昨日はほぼゼロ)
 そんな行きかう車、もしくは駐車中の車の上に、10台に1台くらいの割合で物凄い量の雪が乗っているのだ。
 「なんだろあれ?山の上で仕事してる人とかかな?」(せやな)

車上の雪
左右の車とバランスがとれず(そしてこれは少ない方)

 首をひねりながら前へと進む。
 この先、島の西海岸から東海岸へ向かって、大島一周道路の内側にくねくねとした道(名称不明)が走っている。今日はここを通ってやろう。

 程なく着いた分岐には「林道間伏線」と「路肩決壊土砂崩れ」の文字。
 まぁ今日は時間もあるし、行きどまったら戻ってくればいいんだし。

林道看板
自己責任了承

看板
以下同文

 林道は細いが舗装路だ。地図通りくねくね曲がってはいるけれど走り難さは無い。

 路肩に頻繁に現れるのは「ワナ注意」と「メジロの密漁は犯罪です」の看板。まぁ大島と言えばツバキ、そしてツバキにメジロはつきものだからねぇ(花札的発想)

ワナ注意
ワナはイノシシ用かな?

密漁禁止
むしろメジロの生息場を知らせることになってるんじゃ?と心配にも

 道はゆっくりと高度を上げていく。
 林間コースだから見晴らしは無し。でも「木洩れ日がいいねえ……」とパタパタ走る分には十分に楽しい道だった。

 どのくらい上ってからだろう、ふと路肩にちらほらと雪が現れているのに気が付いた。
 うん、やっぱり山の上には少し降ったようだな。(せやな)

雪
そう、この時にはまだそんな生易しいことを(略)

 林道全線の八割がた進んだあたり、道は尾根を越えた。
 ここまで上りだった道が下り主体へと変わる。太陽は照り付けているが日陰も多い。

 そして、とあるコーナーを曲がるとその先には……「なんじゃこりゃーっ!」(驚)

 路面がガチガチに凍っていましたとさ。

凍結路
ガッチガチのパッキパキ

 ここまでの乾いた路面が嘘のよう。前に広がるのは見事なツルツル路面の下り坂だ。

 さあ困った。とりあえずここだけであれば下れないことはないだろう。
 セローの真骨頂でもある2輪2足方式で両足ついてズルズルいくなら倒れる可能性は低いし、最悪ガードレールがあるからぶつけて停まることもできる。
 だがこの先「上りの全面凍結」があったらどうにもならない、上り坂では何をやっても「登れないものは登れナイ!」のだ。
 かといってUターンとなると、ここまで来た道を延々戻らねばならない(ショートカット路なし確認済み)

 熟考1分、意を決して前へと走り出す。もちろん両足ついての2速アイドリング走行だ。
※1速ではエンブレ・スロットル共に危ないので

 ブーツの底で感じる路面が滑ること滑ること。ブレーキはもちろんハンドルもスロットルも動かすことは厳禁、体幹使ってバランスとって……「うひー、滑るよツルツルだよー!」

 100m程のこの下り坂をなんとかクリア、その先は……やはり似たような路面が頻繁に現れるので同じようによろよろツルツルと進む。

 幸いなことに、危惧した「上りの全面凍結」は現れなかった。
 本気にヤバそうな場所は路肩のヤブを使ってやり過ごす。下りカーブはまっすぐ下ってじわりと停まって方向転換。

 胃の痛くなるソロソロ走りを繰り返し、「ああ、やっと大通り・大島一周道路へ出られるわ……」というところで。「なんじゃこりゃーっ!」(再)

 路面が圧雪&ガチガチに凍っていましたとさ(再+)

凍結路
やっと大通りに出たのにこれだもの

圧雪路
その先なんかこうだもの

 恐るべきこの状況、どうやら昨夜島の東側だけに大雪が降ったようだった。

 西はカラカラなのに東はガチガチのパッキパキ。島の東西でこんなに状況が変わるとは思わなかった。それもたった一晩で。(せやろ)

 「地球温暖化なんて大ウソだー!」と怒鳴りながら走る。

 でもまぁ、凍結路よりは圧雪路の方が圧倒的に楽なのだ。以前セロー225で雪遊びに出た時にも感じたけれど、雪道ならD605クラスのタイヤでも(急な上りは別として)なんとか走る事ができる。
 反して凍結路は何をしてもダメ、というか何もできない。先の下りのように「なるようになれー」と諦めるしかない。

※なので上の画像のようにできるだけ雪の上を走るように。これは四輪のスタッドレスタイヤで雪道走るときと同じかな。

 神経をすり減らしながら進み、昨日訪れた「月と砂漠ライン入り口」を通過する。

 入口にはしっかり「この先通行止」の立て札があった。「そりゃそうだよな、これじゃあの細い道なんか酷いことになっているだろうしな」

通行止め
入口がコレだからねぇ

 そしてふと思いつく。「あれ?って事はもしかして?」

 いそいそとその先、裏砂漠入り口に。すると案の定「なんじゃこりゃーっ!」(喜)

 昨日真っ黒だった景色が真っ白へと変わっていた

雪の裏砂漠入口
なんじゃこりゃーっ!(念押し)

 真っ白なバージンスノー。そこに伸びる2本のラインは軽トラ師匠のタイヤ跡で間違いない。
 ということはつまり、走るのに大きな支障はないということだ。

 「うん、100人のセロー乗りがいたら、65人位は入って行く……よね?」

 深呼吸の後、セローを乗り入れる。
 わーい、雪道だ雪道だ。入口付近の積雪は5~10cmという辺り。上の方はどのくらい積もっているのだろうか。

雪の裏砂漠へIN
イン!

積雪量
風で飛ばされる場所でこのくらいの積雪量

 おっしゃぁ!と走り出す。
 アスファルトの上の積雪は滑るときは一気に滑るけれど、ダート上の積雪はグリップするか埋まるかの二択なので多少は気が楽だ。
 ゆっくりより多少はスピードを乗せた方がスムーズに走れるのは経験済み。だからこれまでの2速アイドリング走行の鬱憤を晴らすべく全開で……行くと間違いなく転ぶので慎重に。

 そんな中、よせばいいのに撮った動画がこちらです。


尚、特に何もおきません(定期)

 動画の最後で追いついた軽トラ師匠は2人乗りだった。地元関係者の方だったかどうかは不明でこの後Uターンしていった。

 残るは俺一人。やっはー、ここから先は本当のバージンスノーだぜ!

雪の裏砂漠・バージンスノー
あーっはっはっはぁ!

雪の裏砂漠
キレイダナー

雪の裏砂漠自撮り
いかんいかん(転ぶ前に)自撮りしておかねば

 登るにつれ雪は次第に量を増していった。

 前の画像の位置で10cm越え。時折派手にズルっといくのは雪と一緒に軽石が動いているのかも。
 そしてやはり上り坂は要注意、ちょっとでも急、もしくは角度が付くとタイヤがずるずる横へと流れていく。
 先の凍結路並みに神経を使う必要はあるのだけれど「でもいいもんね!こっちは楽しいから全然平気だもんね!

 昨日通ったノーマルラインがどこかなんて判るはずもなし。見た目走り易い場所にタイヤをすすめ、やがてロープが張られた限界点へと到着する。

 「うひー、風が凄いぜ、そして雪も吹き溜まってるぜ!」

限界点着
とうちゃ~く

自撮り
「いえ~い」(昭和)

雪の裏砂漠
登ってきたわー……

雪の中頑張ったタイヤ
よく頑張った!褒めて遣わすD605!

 そんな中、これは撮るべきと撮った動画がこちらです。


もちろん何もおきませんが、吹きすさぶ風の音をお聞きください

 ここの積雪は20cmを軽く越えているだろう。ごうごうと吹く風に粉雪が舞う。
 あまりに昨日と違う景色。ここ、ホントに同じ場所だよな?

限界看板
昨日

雪の裏砂漠・限界点看板
今日
見事に山の東側だけに積雪が

 またまた呆けて立ち尽くす。
 ううむ、こんなすごい景色を独り占めしてしまって良いものなのだろうか……(再)

雪の裏砂漠
クリックすると大きな画像が出ます
雪の質感とか判るかな?

 たっぷり見渡して満足したらくるりとUターン……はできないので、ぎしぎしと雪を掻きたてながらよいしょよいしょと切り返してセローの向きを変える。
 名残惜しい名残惜しいと呟きながら(転ばないように慎重に)舗装路まで戻る。

 「それにしてもホントどこもかしこも真っ白だわ。これじゃ裏砂漠じゃなく白砂漠と呼んでもいいんじゃなかろうか……」(伏線回収)

 さて、雪景色・雪道を堪能して戻って来て、張り詰めていた緊張が一気にほどけて気が抜けた。
 この先まだまだ凍結路は続くはず、はて、気を引き締めて走らないと。

 2速アイドリング走行継続で先へ進む。高度が下がるにつれ凍結部分が減っていく。
 但し橋の上だけどうにもこうにもパキパキなのは冬の北関東でもお馴染みの現象だ。
※橋下を風が抜けるので冷えやすい。

 昨日も通った動物園まで下りると凍結部分は無くなった。というか道はあっという間に乾いてしまった。
 「ここまでの苦労は何だったんだぁ!」と叫びたくなるほど「普通」になってしまった路面に唖然とする。凄いな、こんなに一気に状況が変わるんだ。

 ともあれ、これなら安心して走る事ができる。
 んじゃ昨日寄るのを忘れた名所ポイントに寄っていこう。

 昨日忘れたポイントというのは「泉津の切通し」
 旧道の脇にあるのだけれど、バイパスを走っていて見逃してしまったのだ。

 横にセローを停めて定番の画像を撮る。
 「ああ、WEBの画像が皆似てるのは道路の幅的にこれ以上下がって撮れないからなのね」

泉津の切通し
定番的画像

 せっかくなのでちょい戻って、道路わきのスペースにセローを停めて歩いて戻る。
 切通しの上まで歩いてみて。うん、上からでも雰囲気良いわ。

泉津の切通し、上から
映え~

 セロー発進。
 例によってまだまだ11時。今日は14:30岡田港発の船便で帰る予定だ。

 「バイクは13時過ぎくらいに……」と言われているが、岡田港は目と鼻の先なので時間はある。
※2速アイドリング走行中には「このペースじゃ間に合わないかも!」と戦々恐々していたけど

 いろいろ考えていたこともあったのだけれど、先の凍結路と「雪の裏砂漠」で満腹状態。あとはリアル腹も満腹にして、伊豆大島でのツーリングを終えるとしよう。

 岡田港到着。
 港の施設を一通り確認してから飯屋へと向かう。昨日と同じ店でも良いのだけれどせっかくなので店を変えて。でも選んだメニューは同様のべっこうモノ、んでも今日は「寿司」なんだぜ!

べっこう寿司
おいしゅうございました

 暖かい港の待合室でまったりと過ごす。
 13:30、手続をしてバイクを預ける。手作業でコンテナに収められるセローを確認。

大型客船さるびあ号
大型客船・さるびあ丸(日中バージョン)

 14時過ぎ乗船、14:30出航。さらば伊豆大島また来る日まで

さらば伊豆大島
また来るよ、きっとね

 復路も二等和室。そして往路より大きい16人部屋(だったかな?)なのに客は俺一人だった。

 スペースを贅沢に使ってごろごろして過ごす。
 夕食は船のレストランでカレーを頼む。ガラガラの分、なるべく還元しないとねぇ。

 東京(まぁ伊豆大島も東京都だけれど)への到着予定は19時。
 行きは8時間かかったのに帰りは4時間半というのがどうにも不思議。海流云々ではなく施設の使用時間を考えての事ではないか?と邪推してみたりする。

 東京・竹芝に到着すればあとは栃木へ帰るだけだけど、さて気温の具合やいかに。

今日の走行距離:50kmくらいじゃなかろうか? 給油回数:0回
今日の教訓:凄いものを見させて・経験させていただきました。

今日のルート

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