■ツーリングレポート セロー 福島

 

原点回帰 裏磐梯ソロ(?)キャンプ記


綺麗に晴れた2日間でした

 

 

garage Ak!rA

 

<2011年9月下旬>

何年ぶりでしたっけ?

 朝6時起床。
 ツーリングへ出かける日としては普通ともいえる起床時間だが予定よりは大分早い。今回は目的地が比較的近いので出発は10時頃にしようと思っていたからだ。
 「どうしようかな?でもまぁせっかく早起きしたんだから早めに出かけるか。」

 えいやと開ける窓の外は見事な青空。
 うん、まぁ俺の久しぶりのキャンプの朝としては当然のことですよ。

 ここ久しくキャンプしていないことに気づいたのは少し前の事。
 「そろそろキャンプやりたいよねぇ」と友人連中に相談したらさくさくと話がまとまった。うん、じゃぁその前に、軽く慣らし(?)のソロキャンプに行っておくとしよう。

 「ソロ」と考えて思いついたのが「初めてのツーリングキャンプ」だ。

 今を去ること13年【驚】、先代V-Maxに荷物を積み込んで出かけたのが福島県は裏磐梯のキャンプ場
 今から考えると距離もネタも実に微笑ましい内容だが、当時の俺にとっては新鮮で思いで深いものだった。
 どうせソロキャンプするなら、あの時と同じ裏磐梯に行ってみるとしよう。

 荷物一式は昨夜のうちに準備済み。セローに積み込んで指差し確認。
 う~む、それにしても大荷物だ。ソロの1泊だというのになんでこんな量になってしまうのだろう?キャンプ慣れすると荷物は減るって聞くんだけどな。

 そしてこれだけ大量の荷物にもかかわらず、相変わらず「何か忘れてるんじゃないか?」な予感がしてならない。(←心配性)
 ま、忘れ物をしてもソロなら他人に迷惑がかかるわけじゃなし、無いなら無いで我慢すればいいんだし、どうしてもって時には現地で購入してもいいし、慌てない慌てない…

 パラパラとアイドリングするセローは相変わらずの好調。
 タイヤも新品フロント周りも整備したばかり。ハード的な心配はなさそうだ。
※もちろんステムとフォークオイル交換後の試乗は済ませてある。でなきゃ怖くてツーリングなんか出られませんって(笑)


まさにマッ晴れです

 出発は7時過ぎ。

 おお、さすがにリアが重いわ。北海道行った時より荷物の重量あるかもしれないからなぁ…
※北海道の着替えの重さ<テントの重量

 県道を北へと向かう。
 空は快晴、空気はひんやり。首筋に当る風が心地良い…良い……って、「寒いわっ!」

 ベンチレーション全閉ではあるのだが3シーズンジャケットの下はTシャツ1枚。首筋からぞくそくした冷気が入ってくる。
 「つい1週間前までは暑くてヒーヒー言ってたのになぁ…一昨日の台風15号の通過で空気が完全に入れ替わったみたいだな」

 1時間ほど走ったところで我慢できなくなり、コンビニの駐車場でバッグから長袖のインナーを取り出して着込む。首周りには風進入防止用にバンダナを巻いておくとしよう。

 県道30号、那須手前。さてと考える。これからどこを通っていこうか。
 「行き当たりばったりでいいや」と思っていた裏磐梯までのルート。宇都宮近辺からだといくつもの道が考えられるのだ。

 最も一般的なのは、東北道→磐越道のルート。これは帰りに使おうと思っているので行きはパス、行きは一般道オンリーのつもり。
 鬼怒川から会津田島、会津若松のルート。これも良い道なのだけれど、会津田島まではちょくちょく行っているので新鮮味が薄い。(なのでここ那須まで走ってきた)
 那須から甲子道路、会津若松も良いのだけれど、VMAXならともかくセローだとあまり面白くない。となると…

 「那須から羽鳥湖、その後猪苗代湖経由かな…ここならセローでも楽しめそうな道だしな」

 ちなみに今回、林道へ入るつもりはない
 荷物満載なせいもあるが、今回のメインはあくまでもキャンプ。ツーリングで下手に欲張るとろくなことにならないのは散々経験済みなのだ。それに福島の林道は、台風来の雨(一昨日~昨日)の影響も心配だしね。(そうそう…)


那須岳が綺麗でねぇ


 県道68から281、国道289を横断していく。
 国道289といえば、いつもならは嬉々として雪割橋から西部林道あたりへ突っ込んでいくところ。だが上記のとおり今回はパス。

 スキーで羽鳥湖へ行く時通るお馴染みの県道37へ曲がろうとして「7km先通行止め」の標識に気づく。
 え?でもここ止めちゃったら「レジーナの森」とかへ行けないんじゃあ?(←ちょい縁のあるレジャー施設。そして今現在営業休止中というのは聞いていない。)

 「きっと迂回路があるんだろうな」と進入する。ぱたぱたと山道を登っていくと、「あ~なんかあちこち崩れてるぞ…」

 下の畑へと落ち込んでしまった道路、土砂崩れの名残のある路肩、瓦礫が路面を覆っていた跡がうかがえる場所もある。そしてそこここで路面修理の工事車両が。
 「先の雨の影響なのかな?それともまだ震災の影響が?」


これは道路際の崩れ跡

 きっちり7km先、峠の登り口で「進入禁止」の標識に前を塞がれる。「うっへ~、完全通行止めじゃん」

 看板によると理由は雨と言うより震災の影響らしい。って事は半年間も閉鎖され続けているのか…


全面NGでした

 セロー的には看板を避けて進入できないこともないのだけれど、今日の俺にはそんな冒険をする気はなし。「さて迂回路はっと」

 ちゃんとした県道を通ろうとすると先の標識まで戻ってぐるり大回りするしかない。だが地図上では県道58までショートカットできる細い道がある。セローなら大抵の道は平気だし、これを使ってみるか。


 ちょいと戻り、ゴルフ場の脇から山へ入っていく。

 最初は普通の山道だったのだが…「うわ~、結構厳しい~

 路面は一応舗装されている。だがところどころ路肩にヒビや崩れがあり油断すると危ない感じだ。
 そして路肩から恐ろしく伸びた夏草。これが道幅を狭め、前方の視界を狭くする。
 「あんまり好きじゃないんだよな、こういう見通しの効かない状況はさ。」


これは(崩れているけど)見通しの良い場所
この先は見た目の車幅が半分になります

 先がまったく見えないヘアピンをクラクションを鳴らしながら走る。万に一つくらいはあるかもしれない対向車も心配だが、それより怖いのは野生生物との遭遇だ。

 走ること数キロ、2山ほど越えてやっと人里に出る。ふへ~


 平地には出たものの道路標識もなく方向がいま一つはっきりしなかったので、ここでも絶賛工事中だった土木系お兄さんに道を聞く。
 「ああ、羽鳥湖方面はそっちなんですか」

 とぽとぽ走って無事県道58へ合流する。
 お~し行くぜい!と走るが、峠へ入ると道が急に荒れてきた。

 山側からざばざばと水が流れ出ているのはまぁ仕方ないとして、路面に散らばる小枝や落ち葉、それに小石。小規模な崖崩れあとの上にはワダチの跡一つなく……「なんかここ、車が通った様子がまったくないんですけど…」

 いつぞやの北海道の山奥と異なり、道を間違っていないのは確認済み。(標識もあった)ま、先へ進むとしましょうか。

 ごとごと数キロ走ると無事県道へ抜けられた。が、合流地点にはなにやら向こう向きの看板が。
 通り過ぎて振り返ると、それは「通行止め」の看板でしたとさ。

 「うが~、やっぱ止められていたのか。向こう側の看板は見逃しちゃんだろうなぁ…まぁ抜けられたから良かったけどさ…」

 そうかそうかと走る。
 比較的広い、VMAXで吹っ飛んで走ると面白そうなワィンディングを抜け、いつもの県道37へと合流する。
 その先にあるドライブイン(?)での休憩が丁度10時……って「ダメじゃん!こっち側じゃないじゃん!」

 そう、いつもの癖でついここへ来てしまったが、猪苗代湖へ抜けるなら羽鳥湖の反対側へ行かなければならなかったのだ!


ここで画像を撮っていて気づきました

 「習慣って怖いよなぁ」とUターン、来た道を戻る。
 ぐるっと羽鳥湖を回るには東側(今来た道)と西側(県道37の続き)があるが、メジャーな西側の道はこれまた通行止めなのだ。
 今更だけど、地震といいこの前の大雨といい台風といい、この辺りには結構な被害が残ってるんだな。
#ってか、その辺り下調べしとかなきゃダメだよな。でも比較的ご近所だとかえって疎くなるんだよな…

 国道118へ。
 そこから県道235へ入って後は一路北上……って、「また通行止めかよっ!」

 
すいませんねぇ、こんな画像が多くて

 またまた前を塞ぐ通行止め標識。しかも今回はご丁寧に「迂回路なし」と明記してある。

 しかしこれは困った。ここから北へ上るには本当にこの道しかないのだ。
 東も西も大きな道まで出るにはかなりの距離を走らなければならない。その間に林道的なものが無いわけではないけれど、メジャールートがこれでは無事にそこを抜けられる保証などない。
 「ど~しよ~っかな~」

 たっぷり5分悩んだがUターンを決意する。「とにかく今日は無理はしないって決めたからな」

 華麗なるアクセルターン!…はやめて、とぽとぽとセローの鼻先を南に向ける。と、道路脇の畑で野良仕事していたおっちゃんが手招きしているのに気が付いた。

 シールドを開けて聞くと「大丈夫だから行っちゃいな~、少し崩れてるけど軽トラックでも走れたからよぉ~」
 あ、ありがとうおっちゃん!大変に助かりましたあ~っ!

 ペコリとお辞儀して再度Uターン。看板脇を抜けて行く。

 うらうらと山を下っていくと、なる程崖が崩れ路面が川になっているところに出くわした。流木やら石やらが転がっているとはいうもののもちろんセローなら問題なしだ。


こんな感じで。でも全面流木だとセローでも辛いかな?

 その後も荒れた箇所は1、2箇所、無事山を降りると周囲は水田地帯へと変わった。

 やれやれと走る田圃の間のあぜ道の先には1本の松、そしてその根元にはお地蔵様が。


こういうところへ入っていけるのもセローならでは


 そのまま真っ直ぐ北へ。県道235から236。

 ぽかんと猪苗代湖畔へと出る。湖際の駐車場にセローを止めて小休止。

 うへ~、距離は走ってないけどなんか疲れたぞぉ…(精神的にね)


湖へ出たぞぉ

 湖の西岸をゆるゆると走る。
 道は水際だったり遠く迂回したりと忙しい。湖にはボート・ジェットスキーの人多数、ま、猪苗代はこの手の遊びのメッカだからね。


そして砂浜まで降りてみたりとか

 ゆっくり見学しながら国道49へ。おー、この辺りも結構変わったなぁ

 以前よりひらけた感じなのは、歩道も道も広くなったせいかもしれない。こちらも湖沿いにマリーナ多数。人出も結構ある。
 「でも車・道路が混雑してる感じがしないんだよな…何故だろ?」(後述)


 国道49から115へ。時刻はちょうどお昼。
 さて、昼飯は何食べようか?ここまで来てファミレスってのも芸がないしなぁ。
 結局、喜多方ラーメンの店にセローを停める。オーダーはしょうゆ味のチャーシューメン+ミニチャーハン。味は安心できるもの。

 「うい~食った~」と出発する。

 この先、裏磐梯へと上がるとコンビニ以外に食料を買える店はないはずだ。
 ここで夕食の買い物をしていくかどうか悩んだのだけれど、とりあえず上ってみることにする。時間もまだ早いし、何よりまだ泊まる場所も決めていないのだから。


 国道をうらうらと登る。
 相変わらず相応の交通量はあるのだが、混んでいる気がしない。何故だ?と考えていて思いつく。
 「そうか、観光バスがいないんだ…」

 今は秋の3連休、いつもなら群れを成している筈のバスの姿がほとんどない。なので急な上りの続くワィンディングもすんなりと走っていけるのだ。
 う~、ツアー客に見捨てられてるのか…こりゃぁここの風評被害は相当なものだな…

 国道459で磐梯山をぐるり回って北側へ。
 ここで右手に見えてきたのが桧原湖、ワカサギ釣りでも有名な湖だ。ここから湖沿いに県道64へと入っていく。

 湖の西岸をゆっくりと走っていくと、うっすら覚えがある景色に出くわした。「お、ここだここだ」
 それが、13年前に泊まったキャンプ場だった。

 景色に覚えはあるものの、あらためて見ると記憶とはまたちょいと違う風景
 それは今の湖面の水位のせいか、周囲の草の伸び具合か、それとも経過した年月のせいなのだろうか。

 景色を眺めながらしばらく感慨に耽ってみる。「どうしようか、今夜はここへ泊まってもいいんだけどな」


この小道に見覚えが

 「…ん~、でもまったく同じキャンプ場ってのも芸がないか?…」とセローを動かし、数十メートル走ってでもやっぱり?と停めようとしたまさにその時だった。

 縁石へ乗せようとした左足がつるりと滑り内側へ。

 足首が縁石とエンジンにびったりと挟まれ、

 車体重心は既に左側へと移動中。

 「あ゛~っ!」

 見事にひっくり返るセローと俺。左足がまったく動かせないので受身も何もあったものではない。
 そしてその瞬間、「やっちまった!」と思った。エンジンと縁石に挟まれた左足からグキっという嫌な音が響いたからだ。
 「あ~、これって骨折する典型的なパターンだよな」……とか思ったのはもちろん後になってからなのだけれど。

 副腎髄質からどぱどぱと出たアドレナリンを受容体がダバダバと受け入れる。「うおおおお!」

 挟まった左足はそのままに、右足を軸にして体を入れ替える。
 覆いかぶさっているセローの下に左手を差し込み、右手はリアのバッグ下に。
 そのまま右足一本でデッドリフト、横倒しになったセローをふんぬと持ち上げる。「うがががが!」

 …いやぁ、人間やればできるものだねぇ…(しみじみ)
#って言うか、100kgのセロー(+30kgの荷物)だから持ち上がったけど、VMAXだったら身動き取れなかったぞこれ。


 持ち上げた(?)セローをゆっくりとサイドスタンドで立てる。放っておいた左足を引き抜いて……痛たたたたた……

 縁石に腰を下ろしてそーっと足に触ってみる。
 指は動くから神経は大丈夫、足首もちゃんと動くから関節も大丈夫、間の骨も…足に力が入るから多分無事だろう。

 ブーツを脱いで確認。
 出血はなし、一番痛い足首の上のあたりにぞっとするような青あざが出来かけているくらいで大きな外傷はなしっと。

 どうやら足首はブーツに包まれていて無事だったようだ。、ニーシンパッドに守られたスネも大丈夫、なのでその間の打撲だけで済んだようだ。いやぁ、ホント安全装備って大事だねぇ…
※そしてもしオフロードブーツを履いていたら無傷だったかと。まぁキャンプにガエルネは履いて行けないけどね。


 安心して縁石にヘタりこむ。そしてアドレナリンが引いていくと共に増してくる痛みに耐える。
 それでも5分ほどじっとしていたら痛みは大分減ってくれた。

 よろよろと立ち上がってセローをチェック。路面にこぼれたガソリンが乾燥したことを確認。オイル漏れなし。
 エンジン始動。無事のアイドリングに安心してシートに跨る。

 痛む左足でギアを1速にいれ、クラッチ繋いで発進……と、尻の下から「ガガゴゴギュギュ!」
 なんだなんだ!このゴムが擦れるような音は!パンクか!?

 立ちゴケでなんでタイヤに影響が?!と慌てて後輪を覗き込む。
 タイヤは異常なし。だけど左に付いた工具ケースが曲がってサスが縮むとタイヤに当っていましたとさ。

 「お~ど~ろ~か~す~な~」と、力任せにえいやと曲げて応急修理完了。


コレが内側へ(画像は修正後)

 う~、それにしてもなんかアヤが付いた感じだな。そういえば近くに別のキャンプ場もあるはずなんだよな。


 左足を気にしながら走り、見つけたキャンプ場を覗いてみる。

 ここもWEBではなかなかに評判の良かったキャンプ場だ。
 テントサイトは芝生で景色も良さそう、なら今夜はここにお願いするとしよう。


綺麗なサイトですね

 受付をと思ったが、管理人さんは留守の様子。しばらく待ったが音沙汰ないので適当な芝生にマットを広げて昼寝と洒落こんでみる。
 「ああ、やっと足が落ち着いてきたぜぃ…」

 テントサイトは広く、いくつかのブロックに分かれている。
 俺の居るブロックには既にテントが2、3張り。ただこちらも住民は留守のようだった。

 落ち着いて眺めると、ここは先に思った以上に綺麗なキャンプ場だった。

 水辺はすぐ先で、手前には一面の草むらが広がっている。水量が上がった時にはこの辺りまで水に浸かるのだろう。
 湖には小さな島がぽつんぽつん。さながら小松島といった雰囲気だ。「うん、なかなかいいぢゃないか…」


山も綺麗で


クリックすると大きな画像が出ます


 マットにひっくり返って景色を眺めていたら、隣のテントに人が戻ってきた。
 どうやらあちらもライダーのよう。「受付された時にテント張る場所とか指定されました?」と聞くと、「自由にやってくださいって事だったんで大丈夫だと思いますよ」とのこと。
 そうか、んじゃお言葉に甘えて勝手にやっちゃおうかな?

 2シーズンぶりのツーリングドーム。特に問題もなくさくさくと張る。
 今日は晴れてるけど、昨夜来の雨の湿気が心配なのでテントの下にはビニールシートを1枚敷いておこう。


設営完了


 テントを張り終え、やれやれと腰を下ろしたら、先の方から「飯の買出しに行きますけど一緒にどうですか?」と誘われた。
 ああ、丁度行こうと思っていたのでご一緒させてくださいな。

 もう一人の方を含め、3台のバイクで東へと走る。コンビニで済ませてもよかったのだけれど、時間も早いので30分かけて街中のスーパーまで戻ってみる。
 途中、まだ痛む左足にシフトチェンジが大雑把だったのは秘密の話だ。

 スーパーで買うのは、いつものパスタ系と明日朝用のパンと…「うわっ!なんで300g以上あるサーロインが500円なんだよ!」
 「これも風評被害の影響なんだろうなぁ…」と首をひねりながらカゴに入れてみる。
 あとはビール(本物)を6本買って買い物は終了だ。

 ★

 相変わらず混雑のない国道を使ってキャンプ場へ。戻ってこられていた管理人の方に挨拶して受付を済ます。

 テント横(テント横にバイクを停めても大丈夫とのこと。但し混雑時は除く)にセローを停めて、ハンドル周りにはカバーをかける(電装系にトラウマが(略))
 
「よ~し、今日はもうセロー動かないぞー」

 湖に向けた椅子に座ったら、さて、エビスを1本開けますか。まだ午後4時前だけどな!


でも日は傾いてきています

 ★

 夕刻、これまた一緒にどうですか?と誘われ焚き火の元へ。そう、このキャンプ場、ごく限られた場所だが直火が使えるのだ。

 このブロックのテントはもう2張り増えた。計5人のキャンパーの足は全部バイクで全員ソロキャンプとのこと。
 いやぁそんな事もあるんですねぇ…と焚き火を囲む。


お世話になります


火はいいねぇ…

 夜は飲み食いしながらあれやこれやのバイク・キャンプ話。
 全員関東圏なので「んじゃこのメンバーでもう一回キャンプやりますか」等という話で盛り上がる。
 多めに作ったパスタはおおむね好評、ニンニクを利かせて塩コショウで焼いた500円のステーキも旨くてびっくりさせられた。

 酒も食い物を旨い。そして何より燃える火がある。

 う~む、久しぶりの「ソロ」キャンプのつもりが、思いもかけぬ楽しい夜になった。こういうサプライズもいいものだよな。


今日も快晴です

 翌朝、7時前起床。

 昨夜は早め(11時くらい?)に引き上げたのだけれど(まぁ飲み始めたのが5時頃だからねぇ)夜中に急に冷え込んで2回ほど起きてしまった。

 結構着こんで寝たつもりだったのだけれど、やっぱりこの時期の裏磐梯で夏用のシュラフだとちょい寒い。
 キャンプは春秋がメインだし、そろそろ冬用のを買い足してもいいかもしれないな。

 起きだしてきた他の方とどもどもと挨拶。
 やはり昨夜は寒かったとのこと。尤も連泊の方は前日の寒さに懲りて毛布を購入しておいたので平気だったそうだ。
#そうか、ブランケットという手も…バイクじゃ無理か。


おはようございます~

 ゆっくり朝飯。ゆっくり片付け。ミニクロワッサンにエスプレッソ用の豆で淹れたコーヒーが旨い。

 今日の俺は帰るだけなので慌てる必要はまったくない。各々帰っていくバイクを見送らせていただこう。
 「楽しいキャンプをありがとうございました。縁があったらまたよろしくです」


そして俺も準備完了!

 9時、さぁ俺も出発しよう!

 見送ってくれる管理人さんに「また来ます!」と頭を下げてキャンプ場を出る。よし、とりあえずは県道を逆周りしてみるか。

 県道64、確か以前来たときは反対側から回った気がする。そしてその時より確実に道は広くなり、大きなトンネルもいくつかできていた。全線2車線になれば立派な観光道路になることだろう。

 ふらふらと走る。
 昨日痛めた足が心配だったのだがどうやら大丈夫そう。シフトチェンジも今日は問題なしだった。

 「野鳥の森」の看板を見つけて覗きに行き、わき道を見つけて水際へ降りてみる。
 う~む、こういう気楽なポタリング(?)ってのも楽しいな。


裏磐梯野鳥の森は旧道を利用しています


景色いいなぁ・・・


 桧原湖の東側に回り、道が県道2号へと変わると雰囲気が変わる。
 こちらは普通のワィンディングロードで、これまたVMAXだと楽しめそうな曲がり具合だ。こりゃぁやっぱりもう一度V魔で来ないといけなかも。

 せっかくなので、お隣の曽原湖の周囲も回ってみる。
 こちらはペンションが多数。ボートやカヌーも多く、救命具を付けた小学生のグループが道を歩いていたりする。家族連れでゆっくりするならこの辺りも良さそうだ。


こちらも綺麗な湖で

 国道459まで戻り、さてと地図を広げてみる。
 これからどこを回って行こうかな?特に目的があるわけじゃないし急ぐ必要もないのだけれど……そうだ、今は無料だと聞くレイクラインでも通ってみるか。

 レイクラインは綺麗なワィンディングロードだった。(←過去に走った事もあるはずなのだけど覚えていない)
 アップダウンが激しく、路面は少々荒れてはいるが充分に楽しめる。ここもVMAXで走ったら楽しそうな道だった。

 「三湖パラダイス」とやらで停まって景色を眺めてみる。「うむ、良い景色である」


上から見る湖も良いですね

 ぐわっと走り、中津川渓谷レストハウスで一息をつく。
 レストハウス前に店を広げていた屋台のおっちゃん曰く、「観光バスが来なくてなぁ…」ああ、やっぱそうですか、実は俺もそれをねぇ…(と話し込む)

 
なので俺は玉こんにゃくを食う!


 その先、レイクラインから県道70へ入ったところで眼下に気持ち良さそうなダートを発見する。「ちょっとだけちょっとだけ…」

 川沿いに走るダートは砂防ダムの管理用だろうか?「季刊砂防ダム!」と意味不明の言葉を叫びながら走る。ああ、やっぱりTR-011はこういう道だと活き活きするな。


そりゃまぁこんなのが橋の上から見えちゃったら


行くしかないでしょう

 どわ~っと走って川沿いにセローを停め、快晴の空に「季刊砂防ダム!」と意味不明の(略)
 満足したところで、さあ先へ進もう。

 国道115を東へ。道は一気に上ってトンネルを抜け一気に下っていく。見晴らしの良い丘からは二本松(?)の街並みがちらりほらり。

 道の駅つちゆ。
 相応の数のバイクと自家用車が停まっているのだけれど、やっぱり観光バスの姿はなし。こりゃぁ本当にドライブイン的なところは大変だわ。

 時刻はまだ11時だが、朝飯が早かったのでここで昼飯にすることに。
 何気に頼んだ蕎麦+牛飯のセットの味は、まぁ見た目そのままということで。


温泉卵付き


 東北道・二本松ICまでの道は、以前ドラッグレースを見に来た時にも使った道。
 IC手前で給油、燃費はタイヤ交換前から…ああ、結構落ちてるなぁ…

 高速へ乗れば後は一気に帰るだけ。とはいってもペースは90km/hプラスだし、SA、PAを全て制覇する勢いで休憩するのだけれど。
 「あ~、それにしても気持ち良い天気だわ…」
※結局ずっと晴れてました。


 帰宅は3時過ぎ。

 大荷物を下ろし、セローをガレージへ。お疲れお疲れとぽんぽんとシートを叩く。
 昼飯は食ったし、途中のSAでも散々買い食いしたし、さぁ、ビールでも飲んで昼寝するかぁ!


<総括>

 久しぶりのキャンプはとても楽しめた。
 ロングツーリングで「キャンプか宿泊(やどはく)か?」となると宿を選択してしまう事が多いのだけれど、キャンプそれ自体が目的なら話は別というものだ(笑)

 さて、これで用品一式の確認もできたし、次のキャンプも楽しむぞぉ! 

 そしてもう一度福島へツーリングに行こう、今度はVMAXで!


もちろんキャンプにも!

2日間の走行距離:500km 
本日の教訓:キャンプはやはり楽しい


 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。



 

ツーリング紀行へ戻る ツーリング紀行へ戻る