■ツーリングレポート セロー 埼玉、長野、山梨

 

中津川林道・川上牧丘林道走破記

中津川林道・川上牧丘林道走破記
楽しい林道連荘でした

 

 

garage Ak!rA

 

<2019年10月5日>

ドンピシャのスケジュールで

 きっかけは、某ヤングライダー誌のWEBサイトで「中津川林道が3年ぶりに開通してるよー!」な記事を見つけた事だった。
 「そうか、走れるようになってたのか、中津川……」

 ここしばらく荒天の影響で閉鎖されていた超メジャーな埼玉の林道、中津川林道(秩父市道大滝幹線17号線)

 有名どころだし一度走ってみたいと思ってはいたものの、栃木からだと日帰りには(セローだと)ちょいきつく、かといって1泊するほどではなしという微妙な距離感。なかなか足が向かなかったのだ。

 「そういえばここ、何処と繋がってるんだっけ?」と調べると、埼玉県側から入ると出口は長野県。
 その先もう一本、これも有名な川上牧丘林道(県営林道川上牧丘線)を使って南へ降りるとそこはもう山梨県。

 「ん?山梨?」

 実は次の日曜日、山梨県の朝霧高原イーハトーブの森でセローミーティング(SEROW only presents セローミーティング 2019)がある。

 造形社主催のこのイベントに参加するのは去年に引き続き2回目だ。
去年の様子はこちらからど~ぞ

 前週参加した「ヤマハモーターサイクルデイ2019」に引き続き、山梨行きは2週連続。
 「行ったり来たり同じ道走るのはつまらないよな~」と思っていたところだった。

 これ、土曜日に中津川~川上牧丘走って、甲府辺りに宿泊して、翌朝朝霧高原へ向うとすれば、がっつり2日間オフ走れるし、何より朝の出発時間が楽になるんじゃなかろうか?
※山梨へ朝9時に着く為には栃木だと4時起きが必要。

 天気予報、土日ともに問題なし。
 甲府の安宿、取れた。

 「うん、こりゃ出かけるしかないでしょ!」

 土曜日朝7時、がらがらとガレージのシャッターを開ける。
 ツーリングにしては遅めの出発だが、1泊なので慌てる必要がないのがありがたい。

 セローにはいつものお出かけ箱をセット……なのだけれど、念のための工具類を積み込んだら入りきれなくなった。
 なので雨具は上に載せてネットをかけて。
 使い勝手はちょい悪くなるけれど、いざという時に箱が落ちない保険にもなるだろう。(せやな)

セロー発進
前振り(謎)

 エンジン始動……が一発で行えなかったのは久しぶりというか数年ぶりというか。

 チョーク戻してスロットル全開空回ししてちょい開けで長回しして始動・白煙多め、って事はカブってたのかな?北海道ツーリングから帰ってきてから何かしたんだっけ(忘)
 ふむ、これ、何かの予兆とかでなきゃいいけれど。(せやな)

 出発。
 気温は23度と温かい。空は青く降水確率はほぼ0%だ。

 今日のウエアは、下はパッドGパン(腰パッド入り)にガエルネといういつも仕様。
 だが上はちょい変則的で、長Tシャツの上に着たのはコミネのプロテクタジャケット。

 これはがっちりプロテクタの入った薄いメッシュジャケットだ。
 真夏の林道用として買ったものだが正直今まであまり活躍の機会は無し。今日はこいつをオフロードでのプロテクタとして使ってやろう。
 もちろん10月にメッシュジャケットのみというわけにはいかないので、この上に薄いウインドブレーカー(ワークマン製)を着用した。

※いつものパーカーでもプロテクションに不満は無いのだけれど、明日はセローミーティングだからドロドロになっちゃうかもだしねー(正解)

<俺メモ>
 ワークマンのウインドブレーカーは薄くて着心地も良いのだけれど、オートバイの速度だと若干風を通す。またベンチレーションの類が無いので停止時には逆に中に熱気がこもりがち。

 パタパタとR4を南下する。「やー、さすがに(先週の)VMAXとは速度感違うよなー」

 小山からR50へ乗り換えて西へ。その先埼玉までは「お願い!GoogleMAP様!」
※最近頼りがちなので今日は物理マップで検証しながら

 2時間走ってコンビニ休憩。「おお、空が青い、そして暑い!」

 いつの間にやら気温は急上昇。「30度あるんじゃないか?」と疑う程だ。
 「よもやこれを脱ぐことになろうとは」と呟きながらウインドブレーカーをしまいこみ、グローブも3シーズンからメッシュにチェンジする。

コンビニ休憩
アイスコーヒーが旨い!

 花園IC近くへ出て長瀞までR140。「ああ、ここ小鹿野町へ行くとき通ったわ」
#そしてもう8年も前になるのか(しみじみ)

長瀞
この天候なら川下りも楽しいでしょう

 さて、今日まず目指すのは、秩父にある大滝食堂。
 バイク弁当(バイクのタンク型の器で出てくる弁当)が有名なお店で、前々から一度行ってみたいと思っていたのだ。
※実はツインリンク茂木でもイベントの時に売っていたりはするんだけど。
 お店のOPENは11時、今日の朝の出発時間も実はこれに合わせてある。

 R140を外れ、町道(?)でショートカットしてもう一度R140へ。
 お店はもう少し先のはず、と考えていて気付く「そうだ、ガソリンどうしよう?」

 大滝から先は山道になる。
 航続距離の長いセローだから数値的には今日1日持つはずなのだけど、林道&見知らぬ土地で余計な心配はしたくない。そしてここまでGoogleMAP様に頼りきりでGSのチェックをしなかったのだ。
 「ま、最悪10kmくらい戻れば確か1軒あったはず、店に着いてから考えよう」

 ほどなく大滝食堂の「バイク弁当」という大きな看板が見えた。
 駐車場はと見回すと、その更に向こうになにやら看板が見える、もしやと進むとやはりGSだった。
 よしよしと満タン給油、これで何があっても大丈夫、うん、今日はツイているかも。

大滝食堂
奥には青い大きな看板も
(GSはこの先100m)

 営業20分前だったが大滝食堂には既に列ができていた。
 名前を書いて待つ。客はほぼバイク乗り……かな?(あと自転車乗り)

 11時OPEN、オーダーは「ノーマル」(他にボアアップとかフルチューンとかある)
 うん、美味しい。奇をてらっていない「見た通りの味」だ。俺好きだなこういうの。

バイク弁当
おいしゅうございました

 げふーと店を出る。
 食べたバイク弁当の箱(←貰える)をリアに積んで、さぁ、腹もタンクも満杯になって、次はいよいよ林道だ!

 中津川林道入り口までは思っていたより距離があった。

 ループ橋を回ってダム脇をいく山間の舗装ワィンディング。VMAXで吹っ飛んで走っても楽しそうで、実際それ風のバイクも多かった。

ダム
滝沢ハムダム

 道が細くなり、キャンプ場を抜けると路面が未舗装に変わる。
 「よし!ここから林道開始っと!」

中津川林道開始
いざゆかん

 噂通り、中津川林道は比較的走りやすい林道だった。

 しばらくは川を下に見ながら走る。ところどころがけ崩れ跡を補修した部分はあるが、それほど荒れた場所は無い。
 注意しなければいけないのは路面より対向車。そう、交通量が非常に多いのだ。

 さすがに四輪は少ない(それでも数台あった)が、二輪の交通量はびっくりするほど。
 もちろん対向だけでなく同じ向きでも。林道で知らない人の後ろを走るなんて何時ぶりだろうか?

 ともあれ、前が見えると追いたくなるのは人の常(そうか?)うひょうひょ調子に乗って走っていたら、ネットに入れていたペットボトルと先のバイク弁当の箱が吹っ飛んだ。

 「そう、ペットボトルって重いから振り回すと飛んでいくわけで、これが通称『ペットボトル爆弾!』」
……とかなんとか言いながら拾ってしまって。んじゃま、ここからはゆっくり行きますか。

トンネル
トンネルとか

林間
林間木漏れ日とか

倒木
こんな名残りも残っていたり

砂防ダム
時々休憩
(どこで休んでいるんだか)

 道は川から離れ上りになる。交通量が多いのは変わりなし。
※そして自転車部隊が現れてびっくり

 時々停まってペットボトルのお茶を飲む。
 天気は最高、気温は相変わらず高い。メッシュジャケット姿なのに汗をかくほどだった。
「やー、今日はここ走るのに最高の天候だわー」
※これが雨だったら結構厳しいような気がする、まぁ林道はどこもそうだけどね。

林道立体交差
有名な林道立体交差(通行は不可)

切通し
格好いい切通し

記念撮影
よーしよしよし……

 ぷはぁと走り切って頂上手前の看板で記念撮影。
 そしてそこに見えるトイレが有名な「できれば入りたくないトイレ」(汚)なんですな。

三国峠
三国峠

頂上
右側がトイレ、そして相変わらずの交通量

 切通しを超えるとそこからは舗装路になる。
 駐車スペースとベンチがあり、オートバイと自転車数台が休憩中。なるほど、向こう側からなら舗装の上り、ダートは下りになるから自転車でも……って、俺はお断りだわ!

 ともあれ、よっこら混ぜて座らせていただいて。スマホの電波が復活したのでネットにつないでっと。

頂上
そりゃま、ここまでの交通量を考えればこれくらいの台数は
(画像の外にも多数停まってます)

記念撮影
せっかくなので記念撮影(してもらい)

 舗装路を一気に下る。道は狭いが快適なワィンディング、これならオン車で頂上まで登って帰ってくるのも楽しそうだ。(自転車ではお断り)

 降り切ったら、次の林道入り口までは、またまたお願いしますGoogleMAP様。

 川上牧丘林道の入り口はキャンプ場との分岐だった。

 表示は「大弛峠」(おおだるみとうげ)方面。
 「もしかして80年代にローリング族が大発生したところかな?」(それは大垂水)

標識
右がメインに見えるので注意

林道へIN
このちょい先からダートになります

 林道の下部は走りやすい素敵ダートだった。

 間伐された林間ルートは明るくて見通しが良くて、今日のような天候だとすこぶる気持ちが良い。
 「良いなここ、近くにあったら通うだろうな」
 俺的にはここの方が中津川林道よりお勧めかもしれない(但し下部分のみね:後述)

青空
空は青く

ルート途中
路面はこんな感じ

 先ほど同様、停まったり撮影したりしながらゆっくり進む。交通量が多いのは中津川と同様だ。

対向車あり
アフリカツインとはいえ林道でタンデムって凄いなあ

雰囲気良し
よしよし(再)

 そんな油断して走っていたら、林道の上部、頂上手前最後の3kmくらいの厳しいこと厳しいこと。

 大きな石がごろんごろん。
 「砂利を捲いた」ではなく「石が転がってる」ので不安定この上ない。

 ぼっこんぼっこんとハネながら進む。「あー、肩甲骨が疲れるわー」(手に力入れすぎなんだよな)

ゴロゴロ路面
ずっとこんな路面なんだもの

 頂上の大弛峠へと到着してホっと一息をつく。

 さっくり登ってしまったが(そうか?)ここは2,000mを越える高地だ。
 乗鞍高原が閉鎖になった今では、一般車両が走れる場所として富士山スカイラインの次に高い場所だそうだ。
※ってことは無料の場所としては日本一?

 とりあえずセローを路肩に停める。
 この先は舗装路になる。峠の駐車場は反対側から来たと思われる四輪で大入り満員、きっと登山客なのだろう。

大弛峠
到着

駐車
やれやれ……

 「さすがに登山は無理だけどなー」と見渡すと地図があった。
 「夢の庭園」とある場所は確か件のWEBにも出ていたはず。ここからの距離は300m、うん、これくらいなら見に行ってもいいかな。

 ……って思ったんですけどね

 いやまぁ道の急なこと急なこと。道がホントの登山道なのもだが、階段の斜度も45度くらいあるんじゃないだろうか。

急階段
この角度は伝わるや?

登山道
「インディージョーンズかよっ!」と突っ込み入れました

 ゼーゼーハーハーしながら足を進め、夢の庭園(という名のスペース)に着いたときはへとへと&大汗をかいていた。
 「日頃ジムで鍛えてます!とかうかつに言えないなこりゃ……」(ふー)

 それでもここからの景色はさすがだった。特に今日のような天候だとね。

景色良し
もしかして紅葉が始まってる?

一望
クリックすると大きな画像が出ます

記念撮影
せっかくなので記念撮影(してもらい2)

 山道は下りの方が危険と聞くので気を付けて降りる。
 万に一つもここで怪我をしてしまったら元も子もなくなってしまうからねぇ。

 セロー発進、舗装路を下る。
 走行距離7万に近いオンボロセローでも下りに馬力は関係なし、ぽこぽこと快適に下っていく。

 途中までは細いワィンディングだったが、ダム脇まで下りると立派な2車線になった。
 これまた快適に下りれば、そこはもう山梨県の甲州市だ。

 ゆっくり走って、ビジネスホテルへの到着は16時過ぎ。

 二輪駐車場は屋根下。そしてちょい離れてはいるけれど、関連クアハウスの入場券付き。
 これがなかなか素敵施設で、ここで半日過ごしても良いくらいだった。
 「うん、これまた良いホテルに当たったかも」
※眉を顰める点が1つありはしたけれど、それはまぁソフトウエア的事象(?)ということで。

 風呂を済ませてホテルへ戻ったのは20時というあたり。
 ビールをやっつけながら(バイク移動なのでクアハウスでは飲めなかった)考える。

 「いやぁ走った走った。それにしても今日は全部正解・予定通りに事が進んだよな、こりゃ明日あたり揺り返しがありそうだから気をつけなきゃな」(せやな)

翌日の様子は別のレポートで

今日のルート(主として林道部分)


今日間の走行距離:300km 給油回数:1回
今日の教訓:晴れているって素晴らしい!

 

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

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