■ツーリングレポート セロー 福島、北海道

 

2016北海道ツーリング・二島二過記

<6>


GO!GO!

 

 

garage Ak!rA

 

<2016年8月16日>

晴れ男パワー全開

 6:30am起床。 「あれ?晴れてる?」
 窓の外は明るく、鳥のさえずりも聞こえてくるではないか。

 昨日、北海道の北東をかすめて低気圧に変わった台風6号。これで一安心と思っていたら、次の7号が北海道へ一直線に向かってきているという。
 どうやら明日、17日あたりに直撃とのこと。昨日の天気予報でも雨・雨・雨が並んでいたし、今日の天気は望めないなと思っていたのだ。 

 宿謹製の朝食をたっぷりと平らげ、出発準備が整う頃には空はすっかり青空になっていた。
 「よーし、それでこそ晴れ男ってもんよ!」(今のところはね)


 8:30、見送られて宿を出る。
 今日は一路南下の予定、距離は結構あるのだけれど、この天気ならどこかへ寄り道していこうかな?


とか言いながら砂利道を見つけて入ったりとか


 R275から道道120、647
 人気が無いなと走っていたら、路肩にキツネが2頭座っていた。
 キタキツネはともかく、2頭というのは珍しい。まだ若そうだし兄弟とかなのかも。


見てても何もやらんぞ


って言ったら去っていきました


 音威子府へ着いたのは9:40am、ふはは、セローで一般道なのに1時間で60km走れたわ。

 街中で給油。
 相変わらず天気は悪くない。南下と共に黒雲が流れてきたりもするのだけれど基本的には晴れの範疇だ。
 行けるか?これならあそこへ行っても大丈夫か?

 10:15、「加須美峠はこちらです」の看板下へと到着。
 そう、せっかく天候が回復したのだから函岳へ上るのだよ!

 林間用にサングラスを外して、さあ行くぞーっ!


いつもの場所到着


では行きましょう

 砂利の峠を駆け上がる。
 深い砂利に足をとられておっとっと、WR(250)に追い越されておっとっと、鹿に飛び出されておっとっと。
 美深側ってこんなに難かったっけ?逆側から楽々下ってくるイメージしかなかったんだけどな。

 函岳分岐までの18kmにたっぷり25分かかる。うーむ、途中撮影していたとはいえこれはペース低すぎじゃなかろうか。


飛び出し危険


分岐ゲート

 分岐から更に駆け上がる。
 残念ながら、上るほどに空には雲が増えてきた。くそぉ、やっぱり晴天というわけにはいかなかったか。


でもまだ「晴れ」ではありますね


お約束の場所で

 頂上の駐車場到着。
 下の看板からここまで、かかった時間は50分というところ。
 「ん~、そうすると往復+見学で2時間の寄り道か……ま、今日のスケジュールなら大丈夫でしょ」

 ヘルメットを脱ぎ、レーダーサイトまで登ってお約束画像を撮影する。
 あーでもやっぱいい景色だなぁ…


れえだあさいとぉ~


恒例の自撮りを


見晴らしいいんですよ
(自撮りはまだまだあるけど自粛)

 駐車場のセローまで戻ると、先着の(途中追い越された)WR氏から「もしかしてアキラさんですか?」と声をかけられた。
 うちのサイトを観てくださっているとのこと。いや、よく気づかれましたねぇ。そしてVMAXとかセローとか隼だけじゃなく、違う車種に乗ってる方も観てくれているってのは凄い嬉しいものなんですよ。


 11:30、下山開始。

 途中、車数台、バイク1台とすれ違う。
 バイクの車種はなんとCB400。さすがにピースサインへの返答は無く、大きく頷いてくれたのみ。

 カスミ峠までもう少しというあたり。
 急な下りの最中、カーブの向うから赤い四輪車が現れた。そして1車線の幅しかないのにすうっと俺の方へ…「なんで寄って来るんだよ!避けるスペースなんて無いよっ!」

 じわっと踏んだつもりのリアブレーキだが、リアタイヤはドバっと右へスライドした。
 次の瞬間、反動で今度は左の路肩へガサガサっ!(←草むら)
 それをカウンターで抑えるハンドルのすぐ脇を、スレスレで抜けていく赤い車。
 すれ違い終わった瞬間、カウンターの反動でまたリアタイヤが右へドバッと。

 数十メートル先、路肩にセローを停めてヘルメットを脱ぐ。
 「みたかっ!これが林道直線ドリフトだぁっ!」(ブルブル)

 ああ怖かった怖かった。そしてこんなところでぶつかっていたら面倒極まりないことになっていた。ご先祖様毎回ありがとうございます。【祈】
 震える足をなだめながらゆっくりと山を降りていく。


ガクガクしながら戻ってきました

 高速道路規格のR40を抜けて、12:45、道の駅なよろ

 さて、腹は減ったが何故かあまりがっちり食べる気にはならない。(先のドキドキの影響かも)
 何か軽いものを…と見つけたのが、道の駅の敷地内にあった蕎麦屋だった。

 蕎麦の一大生産地である北海道、だが考えてみればここで蕎麦を食べた記憶が無い

 大盛り蕎麦をオーダー。(←軽くじゃなかったのか?)
 うん、つるつる系で喉越しの良い蕎麦。ツユの味も俺好み。北海道の特徴という白い蕎麦とはちょい違うけど、旨くて安くて大満足だった。


美味しゅうございました


そしてこれは道の駅で売っていた「ソフト大福」なるもの
デザートにばっちりだけど見ためよりボリュームあり(げふー)


 和寒で給油。

 その先、塩狩峠の農家の出店で茹でとうもろこしを買ってみる。
 とうもろこしには柔らかくてがしがし食べるのと、大粒の奴を歯で剥がしながら食べるのとがあるけれど(ここのは前者)、旨けりゃ俺はどちらでもよし!
 そして食べ終わってから気づいたけど、俺、何年か前にここで同じようにとうもろこし食ってるわ。


「ゆで トウキビ 生、あります」


調べたら5年前ですね→前回食べたの


 比布まで来てさてと考える。

 これから向かう今日の宿は士幌町。ルート的には東回り(層雲峡、三国峠経由)と西回り(旭川、富良野経由)が考えられる。
 雨雲レーダーによればどちらのルートも天気が怪しい。今居るあたりはまだ晴天だが、更に南はこれから降ってくるとのこと。

 「台風直撃だから雨は仕方無いとして、なら距離的に近い東回りかな」


 無料の愛別上川道路へと上がる。
 天気はまだ大丈夫、パラっとくることはあったけれど路面は完全ドライのままだ。

 おりゃおりゃ走って層雲峡ICでR39へ。空はやや怪しくなってきた。
 「そういえば層雲峡って雨のイメージしかないんだよなあ」と思い出す。こちらのルートを選んでおいて何を今更という感じだけれど。

 それでもしばらくはドライ路面が続いていた。
 その先、真っ黒な雲の広がる下、長いトンネルを抜けるとそこは……土砂降りではなく、路面がウエットに変わっただけ。
 通り雨だったのかな?と合羽の下のみを履く。


こんな路面ですが雨はまだ落ちては来ず

 R237、大雪ダム。
 さすがにここまで上がると空気が冷えてきた。雨はまだ大丈夫だけれど、防寒を兼ねて合羽の上着も着ておこう。

 そしてこの判断は正解だったのだ。ただ、どうせならもう少し考えを深くすべきだったのだけれど。


この状況を鑑みて・・・までは良かったんですけどねぇ


 三国峠へと向かう途中、とうとう雨が落ちてくる。

 次第に本格的になる雨。もちろん合羽上下を着ている体は平気だが、平気ではない場所があった。
 「アーッ!ブーツがっ!ブーツの中がぁっ!

 つるりと冷たい水が忍び込んできたのに気づいた時は遅かった。
 「最終防衛ラインを突破されました!」『何!塗っておいた防水オイルはどうした!』「革からの浸水ではありません!リアエントリーの継ぎ目からです!」
 一人なんとかごっこをする暇もあればこそ、ブーツの中はあっというまにぐしょぐしょになった。
 先に「ブーツは濡れると乾かすの大変」とかしたり顔で語っていてこのていたらく、「だから偉そうに語るなとあれほど…」


 三国峠。
 ここまで来てやっと雨が小降りになってくれた。しかし代わりに現れたのが深い霧で、まったく前を見とおすことができない。


三国峠はこの有様


見た目以上に深い霧でして

 駐車場で4輪を2台前にやり過ごし、そのテールランプを目印に峠を下っていく。
 濃霧の時には定番の方法だけれど、ここでは果たして正解だったのかどうか。

 三国峠から先は一方的な下り道だ。直線が多く、その先に急カーブが現れるパターン。
 下りの直線なので四輪車は知らず知らずにペースが上がる。そしてカーブが現れてびっくりブレーキ。
 これが後ろからセローで付いていくと大変に危険なのだ。

 視界ゼロの中ペースを無理やり上げさせられた上、効かないブレーキでの急制動を強いられる。しかも路面はフルウエットで、履いているのはブロックタイヤ。
 メンタンピンイーペイコウに表裏ドラが乗ったような状態は、アガったらハネ満以上なのは間違いない。(なんじゃそりゃ)

 たっぷり30kmはこの状況が続いただろうか。やっと霧が晴れた頃にはヘトヘトになってしまっていた。

 霧は消えたが雨は相変わらず降ったり止んだり。そしてブーツの中はぐしょぐしょである。
 ここまでの通算100km2時間半の行程は、ここしばらく無かった程俺の気分を落ち込ませた。
 「うぐぅ……でもまぁ、これで新品ブーツも足に馴染むようになるはずさっ!」(無理やりポジティブに)

 17:00、上士幌のセイコーマート。
 食料、ビールを買い込みバッグの上に山積みにする。
 ようやく雨が上がってくれたので、食料が濡れる心配をしなくて良いのはありがたい。

 ここでお馴染みこたろーさんにTELし現状を報告する。

 今夜は、「レインマン」「雨と共に現れる男」「雨と共に去る男」「渇きを知らぬ者」「ミスタータイフーン」「The Deep Ones」「濡れそぼりし靴下」など数多くの異名を持つあの人達 こたろーさん、56号さん他さん他の仲間と待ち合わせ。
 彼らとここから30分ほどの場所にコテージを借りて連泊しようという算段なのだ。
※なので誘われた時点で雨は一応想定済み。(今更)

 給油後、コテージへの到着は17:30。
 既に到着済みの面々の雨具が干してあってほっとする。
 いや、だって濡れたのが俺だけだったら悔しいじゃん?(をい)
※ちなみに西回りも同じような降りだったとのこと。

 同じように雨具を干し、びしょびしょのブーツの中には新聞紙を丸めて突っ込んでおこう。(←昔ながらのこれが結果的に一番効く乾かし方)


とうちゃ~く


高台のコテージなので見晴らし良好(晴れていれば)

 こたろーさん、56号さん、岩氏、大氏と5人が揃って、夜は当然大宴会になる。
 買ってきた食糧を肴にしてがっつりと呑む。「ああ、ビールをたっぷり買っておいて本当に良かった…」

 TVの天気予報では、「明日は台風直撃だよ!凄い雨になるよ!」
 先の6号はどうやらフェイント、どうやらこの7号の方が本命だったらしい。

 ともあれ、立派なコテージに泊まっているし、バイクは施設のガレージに保管してもらっているし、これなら台風が来ようが万全な環境ではある。

 「明日は丸1日林道三昧の予定だったけど、出かけずにここに篭ってた方が良さそうだな…」
※良さそうってか実際的に無理!


ま、ともあれ呑みましょ。(撮影:56号氏)

今日のルート



本日の走行距離:400km、給油回数:2回
本日の教訓:晴れと雨がハーフアンドハーフ!

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。



 

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