■ツーリングレポート セロー 愛知、三重、徳島、高知

 

伊勢・剣山オフオフツーリング、の2


なかなか来れない観光地へ

 

 

garage Ak!rA

 

<2017年5月4日>

今日はフェリー2連発

 午前4時起床。
 とはいえ、なにせ昨夜床についたのが19時だからたっぷり9時間寝たことになる。
 部屋の壁が薄くて夜中に到着した外国人客の大声に一度起こされてはしまったが、疲れはまったく残っていない。
 「っしゃあっ!今日も走るぞー」


今日は晴れになる……かな?

 荷物をさっくりとまとめ、セローを駐車場から動かして……ガチャ!
 ほらディスクロック外し忘れてるし。急ぐからって慌てるんじゃない俺。
#やー、軽く当ったところで気づいて良かったわ。これでブレーキディスク曲げちゃう人もいるって聞くからねぇ。


 5時前出発。昨日のフェリーターミナルを目指してセローを走らせる。

 早い時間にも関わらず今の気温は比較的高い。
 カバー類はもちろん、ウインドブレーカーも不要なくらい。やはり南の地方は暖かい。
 空いている道にも助けられ、港までは30分で着いた。

 急いだ理由は、やはり朝一番の便に乗りたいから。

 今日は距離こそさほどでもないが、時間的にちょい厳しいスケジュールになる。なのでできるところで余裕を作っておきたい。

 朝一番の鳥羽行き便は7:50発のはず。昨日受付のおばちゃんはああ言っていたけれど、さすがに2時間以上前に着けば乗れないという事は無いだろう。

 でも既に大勢待ってたりするなよとどきどきしながら二輪の駐車場へ向かってみると……

……「誰もいないよ!一番乗りだよ!」

 「二輪車はこちら」の場所には猫の子一匹居なかった。隣の広大な4輪駐車場にも3台ほどが並んでいるだけ。

 「だぁ~まされたぁ、騙されたぁ~、おばちゃんに騙されたぁ~!」

 くそぉ、こんなことなら途中のコンビニで朝飯食ってくるんだったな……


「ぽつんと1台」の図


 ぼーっと待つこと15分。やっと数台のバイクが集まったところで、係員のおっちゃんに場所を移動するよう指示される。
 やれやれと動かして、トイレへ行って帰ってくるともう一度別の場所に動かしてくれとのこと。
 う~ん、多くの台数(ったって今は数台だけど)をこなすことに慣れていない感じがひしひしと。ま、どこでもGWは特別なんだろうけどさ。
※でも「そこのお兄さん」って言われたから嬉々としてセローを押す。

 ようやく開いた受付で乗船手続きをし(昨日のおばちゃんは居なかった)バイクの乗船は出航の20分前なのを確認する。

 あれこれ見て回ってバイクへ戻ると、「そろそろバイク乗せるよー」とのこと。え~、まだ6:40amじゃん!

 しかし本当に乗船が始まってしまった。この時集まっていたバイクはせいぜい10台。
 こんな時間に乗せちゃって、この後来る連中はどうなるんだろう?

 首をひねりながらの乗船、バイク固定、大部屋のスペース確保の手順は北海道ツーリングで手馴れたもの。
 売店でパンとコーヒーを買って、やれやれ朝飯だと座り込んだら、「船が出るぞ~!」 え~、まだ7:00amじゃん!
 こんな時間に出航しちゃって、この後来る連中は(略)

 そして気づく。どうやらこれはゴールデンウィークのみの臨時便だったようだ。

 バイクの駐車場所が移動になったのも臨時だったからだし、出航が7:00ならぴったり20分前の乗船開始。
 俺同様、臨時便があることに気づいていなければ、乗る人(&バイク)が比較的少なかったのも頷ける。
 「伊勢湾フェリーの皆さん、いろいろ言っちゃってすいません!」(謝)
※でも昨日のおばちゃんは(略)

 鳥羽までの乗船時間は1時間ほど。
 湾内だし今日は天気も悪くないのだけどそこそこ揺れる船。これ、荒れた日に乗ったら結構スリルあるかもよ。


積み込まれ完了後


それ行けやれ行け

 8時下船。やぁお久しぶりキーハンター紀伊半島。

 「よーし、んじゃスカイラインへ向かうかぁ!」

 フェリーが着いた鳥羽から伊勢神宮付近まで、山を縫って走る伊勢志摩スカイライン
 絶景で有名な有料ワィンディングロードだ。

 そりゃっと入口へ曲がったのだけれど、一緒にフェリーを降りたバイクの中で入っていくのは俺一人だった。
 通行料がちょいお高い(二輪車880円)せいなのかな?


料金ゲート

 料金所を通過。狭めだった道幅は、上に登るほど広がってきた。

 斜度やコーナーの半径は、日光の半月山と塩原のもみじラインの中間くらいだろうか。(難解)
 大型車よりはモタード車が一番楽しめるであろうワィンディングだった。


路面状況良好なり

 天候はうす曇。時折さあっと陽が差してくる。
 山だけに風はひんやりしているがもちろん震えるほどではなし。これは絶好のツーリング日和と言えるかも。そして……

 「うわー、綺麗だなー」

 見晴らしがすこぶる良い。
 オープンコーナーの外側に広がるのはさっき渡ってきた伊勢湾?そして山々の新緑のコントラスト。 「うーん絶景絶景!」


晴れてるんだもの


見晴らし凄いんだもの


うはははは

 景色を眺め、写真を撮りながら快適に登る。

 交通量はごく少ない。バイクはもちろん4輪も数えるほどしか走っていない。これも料金(4輪1200円)のせい?

 頂上にはお約束の展望台+土産物屋(但し時間的にまだ開いていない)
 そしてもちろん、ここからの景色も見事なものだった。


クリックすると大きな画像がでます


やっぱ自撮り棒買うかなー(をい)

 満足満足と伊勢志摩スカイラインを降りて、街中に入ったのが9時というあたり。
 さぁ、次が今日のメインイベント、伊勢神宮への参拝だ。

 今更語るまでもない伊勢神宮。
 一市民的俺としては、出雲大社や厳島神社と共に一度は訪れてみたい場所だった。

 今日はゴールデンウィークの真っ只中、加えて近隣でお菓子フェスとかも開催されているらしい。(←フェリーの中で見たチラシ情報)
 さぞや混んでいるだろうと思い、そのとおり付近の道路は大混雑で規制もあったのだけれど、なんと、二輪車は大優遇されていた。

 道路規制はほぼ「二輪車を除く」。そして伊勢神宮の内宮入口近くに二輪専用駐車場が用意されており、かつ無料だったのだ。
 「凄いぞ伊勢神宮!ありがとうお伊勢様!」

 バイクを停め、ヘルメットを脱いで内宮へ。

 当然、こちらも大混雑ではあったのだけれど、大鳥居から先の空間には妙に静穏な雰囲気が漂っていた。
 昨今の観光地定番の外国人観光客の大声も控えめ、鳥の鳴き声が聞こえるほどだ。

 手水を清めた(手水場でと五十鈴川でと)後、順路に従って見学。お守りを買い、拍手を打ってお参りする。


内宮入り口鳥居


現位置は左下あたり


人は多いんですが騒がしくはなく


ひしゃくの数も尋常でなし


清めの五十鈴川


階段から上では撮影禁止です


ここだけでなく、とにかく太いんですよ、木が


ところどころに池


お参り終了


 ほうと鳥居を出たのが10:30am。
 よし、これで安心した(?)まだ時間は早いし小腹も空いた、有名な赤福を食べていこう。

 赤福のお店。もちろん混雑していたが回転は早く、並んで注文して届くまでトータル20分で済んだ。
 赤福餅をお茶で頂く。至極旨いのは当然のこと、なんてったって作りたてだしね。


氷にも惹かれたんですけどね


美味しゅうございました

 伊勢神宮参道。道の両側にはそれはもうという数のお店が並んでいた。

 ぶらぶら歩きながら見て回る。「ちょい早いけどお昼にしてもいいな、名物なら伊勢うどんだけれど、さすがにどこも満員だなぁ……」


この混雑ぶりですから

 「おかげ横丁」の看板を見つけ入っていくと、そこは参道に輪をかけた大混雑だった。

 人が多すぎて歩くのに苦労する。浅草の三社祭並みの混雑具合。
 並んでいるのは土産物屋に食べ物屋、そしてなぜか射的。中央スペースではなにやら演奏会も。いやあホント、こりゃお祭りだわ。


なんか居るし


身動き取れず

 横丁の一番端まで歩くと混雑は若干減ってくれた。

 大きな猫の像があったのでほうと思い、何気に見上げると屋根瓦(鬼瓦)にも猫が。
 うん、面白い。このお店は食べ物屋さんだし、ここでお昼にしてみるか。


これが目立ったんですけどね


俺はこっちの方が気になって

 これまた丁度一席空いたところですぐに座れた。オーダーは店の名前の付いたにゅうめんのセット。
 伊勢うどんではないけれど、麺つながりと言うことで。
※メインが美味しかったのは当然として、付け合せの赤味噌味の中に何かさわやかなものが入っていて旨かった。あれ、なんだったんだろう?


美味しゅうございました

 支払い時にちょい聞いてみると、表の猫はいわれが云々というより招き猫なんですとのこと。
 うん、まぁ俺も招かれましたからね。

 げふーと店を出る。
 よーし、買うもの買ったし食べるもの食べたし、お伊勢参りはこれで終了っと!

 駐車場へ戻り、セロー発進……の前に南海フェリーへ問い合わせる。

 今日の宿は四国・徳島県の徳島市。
 ここ、伊勢からのルートはいくつか考えられるけど、今日は紀伊半島を横断して和歌山へ行き、そこからフェリーで徳島へ渡ろうと思っている。
 朝の伊勢湾フェリー同様、(GWは)予約の効かない南海フェリー。今日の混雑具合はどうだろうか?

 係りのお兄さんの返答は、「二輪は予測できないが混むのは間違いない。早めに来ないと乗れないかも」という至極当然なもの。
 「そうだよなぁ、GWだからなあ。」


 12時発。どうするか迷ったけれど、フェリーの件があるので一番楽そうな伊勢自動車道で西へと走る。

 警戒中の覆面パトカーを発見し、(ペース的に)これ幸いとその後ろをまったりと。

 勢和多気で降りてR368。

 急に対抗してくるバイクが増えた。そしてなぜかピースサインも多数。この道、もしかしてこの辺の有名ツーリングコースとかに入っていたりする?

 確かにここは、国道にしてはワィンディングで楽しい道だった。

 そして峠越えで急に狭くなる。これまでいいペースだっただけに危ないよなと思っていたら、見通しの良くないカーブの先に車とバイク数台が停車、周囲で何人かが電話中。
 もしかして事故かな?俺もさっき頂いた交通安全のお守りが懐にあるとはいえ気をつけていかないと。


 R368~R369
 道はまた広くなり快適なワィンディングとなる。
 信号はないしVMAXで吹っ飛ぶと楽しそう。だが今日は初心者っぽいDAEG兄さんの後ろを一生懸命セローでに走る。

 13:40、ちょい寄り道して曽爾(そな)高原。

 高原手前にはおしゃれテラスと広い駐車場。
 せっかくなので軽菓子を買って、花を眺めながらもごもごやる。「あ~、雲の流れが速いわぁ」

 遠く南には黒雲も見え隠れ。紀伊半島を横断するルートを南より北よりどちらにするか迷ったけど、どうやら北を選んで正解だったようだ。


ここは晴れてますが南は怪しい雰囲気に

 14時発。
 国道と県道を繋いで走るルートはGoogleマップ&ナビ様任せ
 この辺りも信号なしの快適走行、一時怪しかった雲も峠のトンネルを抜けたらすぱっと晴れて大喜び……だったのだけれど。

 突然、スマホのバッテリーが激減する。

 いや、突然ではなくしばらく前からだったのだろう。とにかく気づいた時には「電池2%しか残ってないけどどうする?」の赤い表示が輝いていた。
 「うわー!走行ルートの記録はGPSログ様に一任しているのにぃ~!」

 以前はツーリングマップルに蛍光ペンでマーキングしていた記録用の走行ルート。
 今も余裕あるツーリングではそうしているのだけれど、今回のように時間的に厳しい&マスツー予定なので書いてる暇無いかも?な時には全てスマホ殿に頼り切っているのだ。
 「ヤバいよ~GPSが切れるのはヤバいよ~」

 リアボックスを開け、中を引っ掻き回してモバイルバッテリーを取り出してスマホに繋ぐ。しばらく見てたら1%上がって一安心。
 それにしても何故急に減ったのだろう?セローのUSBを2A対応に変えてから充電は万全だったし、ちゃんと充電ランプも点いていたのだけれど。

 ともあれ、どこかの故障には違いないし、この場でどうこうできるものではないのも判っている。
 充電が15%になるまで休憩。GPSログ以外のアプリを停止し、もちろん画面も消してからハンドル前の位置に戻す。
 満充電までは待てないし、バッテリーに繋いだままバッグの中に入れておいたらGPSをロストしてしまう危険があるし。

<その後>
 結果的に言うと、故障はスマホのバッテリーでもセローのUSBでもなく、接続ケーブルの一部断線だったと思われる。
 (充電ランプは点いていた=一部のみ断線?)
 この日の夜いろいろ試して判明、以降は予備の充電ケーブルに交換して難を逃れた。(但し線が長くてハンドル周りで持て余したり)
 そして、「あ~良かった、俺のUSB接続の失敗じゃなくて」 

 さて、バッテリーも心配だけれど、朝の臨時フェリー&高速道路のおかげか、時間には若干余裕がある風。
 せっかくだから世界遺産の吉野山も覗いていこう。

 山を登って、さすがに桜は過ぎてしまったかと神社を越えて、その先今日は通行止めでありゃりゃと思って。
 うん、まぁ仕方ない。んじゃここからは一路和歌山ということで。


せっかく来たんですがこの先通行止め(&手前駐車場有料)


 念のため給油、最小限のルート検索だけスマホでやって、あとは物理地図&野生の感で走る。

 高速規格の国道24バイパス、1車線なので車に追いつかれる毎に追い越させる。サンキューハザードの数は少なめ。

 港まで紀の川沿いの土手のルートが気持ち良い。そして河原には立派なサイクリングロード。
 いいなぁあれ。栃木の鬼怒川CRも立派だけど、ここは倍の幅があるもんな。(但し距離不明)

 17:30、無事に和歌山の南海フェリーターミナルへと到着する。

 乗りたい便は19:10発。さて、1時間半前の現在、どのくらいのバイクが並んでいるかといえば……

 「並んでないよ!3番目だよ!」 (またかよ)
※そして最終的に集まったのも5台だけ

 「だ~まされた、騙された(再)」と窓口でチケットを買い、併設の食堂でカツカレーを頼む。

 味はカツカレーだったが(?)アルバイトと思われるお兄さんが元気良くてマル。


乗りこむフェリー到着

 定刻乗船、バイク固定、大部屋のスペース確保の手順は(略)

 バイクは少数だったが、人数的には相応に混んでいた。

 最初に確保したスペースをじりじりと侵食される。
 そりゃぁお子様・ご家族連れには気持ち良く譲ってあげるけど、そこの男子学生軍団、お前らちょっとは遠慮しろ。
※あとバカでかい声で徳島のアニメイベントの話するのも。


 こちらの航海は約2時間。ジャケットを頭から被ってひと寝入り。

 徳島への下船は21時過ぎ。真っ暗になった見知らぬ土地でもスマホのナビで万全っと。
※フェリー内で充電しました。


そして真っ暗な中に萌え絵の看板がお出迎え

 直前で給油しての徳島のホテル着は22時前。
 あらかじめ遅くなると伝えてあったのでチェックインは問題なし。

 さーて、夕飯にはカツカレーを食べてあるから、コンビニ行ってビールだけでも買ってくるかぁ!

今日のルート


今日の走行距離:280km 給油回数:2回
今日の教訓:お蔭参りは抜け参り(抜けてません)

 

 

 

■ ご注意 ■
 ツーリングレポート中の数値・金額・時間・時刻等の表記は、特に記載のない限りツーリング当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。

 

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