果たして効果は感じられるや否や
■前々から興味がありまして
セロー250のフロントフォークにスラストベアリングを入れてみようと思う。
現在の総走行距離は18,000km
「そろそろフォークオイルを交換しようかな?まだ早いかな?」と考えていて思い出したのが、表記のスラストベアリングだった。
セロー225の頃から気になっていたフォーク内部へのベアリング導入。能書き的は、
・フロントフォークの中にはスプリングが入っている。
・力が加わって縮む時、スプリングは回転しようとする。
日常でも、何かのスプリング/バネを縮めようとする時、やや捩じりながら力を加えると縮め易いものだ。
だから上下ががっちり固定されている状態だと、縮もうとする時(ごく僅かではあるけれど)抵抗が生じている(はず)
「だったら、スプリングの片側に回転するベアリングを入れて抵抗を減らせばいいじゃん!」というのがこのスラストベアリングだ。
<余談>
まぁ純正でも間にワッシャがカマされているからそこで多少は動くのだろうけどね(さて)
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部品調達
パーツとしては、肝心のスラストベアリングと、それを挟むためのワッシャになる。
左右なので2セット必要
画像のとおり、このベアリングはコロ(ニードル)で回転する。
スラストベアリングの「スラスト」というのは「軸方向」という意味のはずなので、俺にはどうにもピンとこないのだけれどね。
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セロー250のフォーク内径は30mm、なので購入するベアリング&ワッシャの外径は29mm。先人の教えに従いパーツを選定した。
・スラストニードルベアリング 日本トムソン(IKO) NTB1629 2個
・スラストワッシャ 日本トムソン(IKO) AS1629 4個
合わせて2K円を切るくらいとお手軽なのがありがたいところだ。
言うまでもありませんが重ねて使います
ちなみにこれらのパーツ、購入する場所によってはとんでもない値段が付けられていたりするので要注意。
#俺はお馴染みモノタロウからなので問題なし
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作業
導入作業は簡単なもの。純正ワッシャと交換にスラストベアリング(セット)を置くだけ……と思っていたのだ、最初は。
ところが実際にやってみると、フォーク上部にあるウインカーと共締めの固定ボルトを緩め(ここを緩めないとトップボルトが緩まない)トップボルトを外すとカラーがにゅるんと現れて、それを抜いても純正のワッシャは奥にあって取れなくて……となかなかに面倒だった。
俺はフロントを浮かせて作業していたのだけれど、もしかすると浮かせない方が(フォークが縮んでくれるので)楽だったかもしれない。
この辺り、各自工夫してください(をい)
左:トップボルト、右:固定ボルト
純正ワッシャの位置は、先のとおりカラーとスプリングの間。
カラーを抜いて、なんとかワッシャを取り外して。
「あ、カラーに錆が出てるわ。ってことはここまでオイルは上がって来ないんだな」
「新車なのになぁ……」と呟きながら錆を落としていて、購入後既に4年経っていることに気づき愕然とする。
俺的にベアリングの類はオイル漬けにしてから使用するのがデフォです
(左は外した純正ワッシャ)
外した純正ワッシャの外径は29.8mm。さすがは純正品、内径ぎりぎりサイズだった。
厚みは1.5mmという辺り。
交換で入れるスラストベアリングのワッシャセットの厚みはトータルで4mm。
単純計算でプリロードが2.5mmプラスになるけれど……ま、それを気にするバイクでもないからな(をい)
あとは逆順で戻して、ボルトの締め忘れがないかを指差し確認。OKっと。
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テスト走行
よしよしと満足したら家の前を取り回してみる。
サスの縮みに影響があるなら取り回しだけでも感じられ……
……「うん、まぁ変わらないよね!」
さて、んじゃちょっとだけ乗ってみるか。
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さくっと着替えて自宅を出る。
住宅街をゆっくりと抜けて、大通りへ出てペースを上げて、河原へ降りて岩ゴロゴロ(俺基準)の道をすっ飛ばす(俺基準)
もちろん、取り回し同様何か感じる程の違いは……「あれ?でもなんか良い感じだぞ?……」
なんというか「ハンドルが軽い」のだ。
タイヤをGP-610に換えた時とはまた違う軽さ。軽さというより「スムーズ」の方が近いかも。
舗装路面の荒れた場所でサスが細かく動くような。
ダートギャップ越えでの一発目の「ガンッ」が少ないような。
それでいて舗装路での高速域(セロー基準)での不安定さは増えていないような。
「これ、割と良いかもよ?」
プラシーボ9割としても、確かに何かが変わった気がするのだ。
そしてどうやら「悪くはなっていない」のは間違いなさそうだった(重要)
河原の夏草が大分伸びました
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その他いろいろと
……とまぁ、作業的にも金額的にもお気軽なのでお勧めしたい改造ではあるのだけれど、心配な点もいくつかある。
まずは耐久性。
壊れて破片がフォークに詰まりでもしたら大ごとだ。
実はこれが心配で、ニードルより抵抗の少ない(であろう)ボールベアリングを使う気にはなれなかったのだ。
抵抗が少ない=単位面積あたりの荷重が大きい。
ステムベアリングだって下側はテーパーのニードルベアリングになっているわけだからね。
もう一つはメンテナンス時。
フォークオイルの交換の時、スラストベアリングに交換したのを忘れていると「なんだこれ?」になりそうな。
自分でやる人はさておき、ショップに頼むなら注意が必要だろう。
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……というわけで、なんとなく「成功かな?」になったスラストベアリングのインストール。
最初に書いた通り「フォークオイルを交換するか?」が元ネタだったけれど、結果良ければそれで良し。
次回こそフォークオイル交換かな。
セローのフロントフォークオイル、粘度を変えるとどうなるか?をチェックしたいんだよねぇ。
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