■YAMAHA TOURING SEROW 250 FINAL EDITION メンテナンス編

 

前後ブレーキフルード交換記

前後ブレーキフルード交換記
ヤマルーブ ブレーキフルード BF-4 (DOT-4)

 

 

garage Ak!rA

 

<2023年2月>

定番メンテナンスです

 セローのブレーキフルードを交換する

 新車購入後二年半、総走行距離は15,000km弱。

 正直、交換する必要はまだない。
 雑誌やWEBだと「ブレーキフルードは1年毎に~」とか「1万キロで~」とか言われることも多いのだけれど、俺的にはそれはかなりのマージンをとっていると思っている。

 まぁフルードの賞味期限(?)はバイクの保管方法やら使い方やらにより大きく異なるので、一般論的には仕方のないところだろう。

 だから本音的には「見た目汚れてきたら」「レバーの手ごたえに疑問を感じてきたら」で良いように思っている。そう、SDGs的な意味でもね(時事ネタ)

※もちろオンオフ問わずレース系で使う人は頻繁に交換してくださいな。

 使うフルードはヤマハ製(ヤマルーブ)のDOT4だ。(TOP画像)

 今更だけれど、DOT4というのはフルードの規格。エンジンオイルの10W-40みたいなもの。
 市販二輪車には迷わずDOT4を使ってください。「数が多いからDOT5の方が性能いいのかな?」とか思っちゃダメです。(理由略)

 俺はヤマハ車はもちろん、過去乗っていた他メーカー車にもこの製品(及び前の製品)を使っている。
 贔屓目なしに、フルードだけでなく、純正ケミカルではヤマハが一番充実&安心できる気がするからだ。

交換作業

 作業開始、まずはフロントから。

 フルードの交換方法には、上(レバー側)から下(キャリパー側)からとがある。

 ホースを交換したなどフルードを全抜きしてしまった場合には、下(キャリパー)から注射器でゆっくり入れていくのが良い。中のエアを上に追い込んでいくことができるからだ。
 そうでない場合は上からの方が単純で手軽。今回も上からの方法で交換する。

 まずはハンドルを切って、フルードタンク(リザーバタンク)を一番高い位置&水平にする。
 フルード面を水平にしないと補充がうまくいかない&エアの混入を減らすためだ。

フルードタンクは水平に
覗き窓から見える汚れもさほどではなし

 キャリパー側のブリーダープラグにメガネレンチ(8mm)をかけて、ビニールホースをつないでおく。

フルード抜きホース
ホースの反対側はペットボトル的なものに差し込んでおきます

 フルードタンクを開けて、カバーやらダイヤフラム(黒いゴムのビロビロ:をい)やらを取り外す。

ドライバーは3番で
使用するドライバーは1番で

カバー類
それぞれの汚れを確認・清掃しておきましょう

 これまた今更なのだけれど、ブレーキフルードには塗装やら何やらを侵す性質がある。
 だから周囲に飛び散らない・付かないよう注意が必要。養生も必要だ。
 ついでに「水に弱い」性質もあるので、心配な時には全作業終了後に周囲を水洗いすると安心できる。

 ここで注意点。交換前の今のフルード量を覚えておくこと。

 フルードは、新品のブレーキパッドをセットした状態で、タンクにMAX量が入れられている(はず)
 なのでパッドが減ると、キャリパーのピストンが押し出されてタンク内のフルードも減っていく(減って見える)
 この先、パッドを新品に換える際にはブレーキピストンを押し戻すので、フルードがタンクに逆流してくる。
 その時、フルードを入れすぎていると、タンクから溢れてしまうのだ。

 フルードを交換する際には「交換前と同じ量(見た目の量)」にするのが結構重要なポイントなのだ。

交換前のフルード量
意外に少なく思えるものです

 タンク内のフルードをウエス等で吸い取る。全部吸ってしまうとエア混入の原因になるので程々に。

 古いバイクとかだとタンク内にオリとか汚れがあって綺麗にしたくなるもの。
 そんな時には「程々」で我慢するか、割り切ってすっぱり綺麗にしてフルードも全抜きして「下から」フルード補充するか、お好みでどうぞ。

 それではと、新しいフルードをゆっくり注いで、タンクのカバー(ダイヤフラムだけで良い)を被せておく。
 この後のレバー操作によってはフルードが逆流してくる場合があるので、飛び散らないようにするためだ。

ダイアフラムカバー
フルードがピューって飛び出てくることもあり

 さて、ここからが交換の本作業。手順は以下のとおり。

・ゆっくりブレーキレバーを握り、圧をかけ。
・下のレンチを回してブリーダープラグを緩め。
・ビニールホース内にフルードが出てきたところでブリーダーを締め。
・ゆっくりブレーキレバーを戻す。
・上記を数回繰り返したところでタンクを確認し、減った分のフルードを足す。
……となる。

 コツとしては、タンク内のフルードを切らさないようにすること(空になるとエアが混入してややこしいことに)と、レバー操作をゆっくりとやる(先に書いた逆流とかこれまたエア混入とか)ことだろうか。

 下のホースから出てくるフルードが新しいものになれば作業完了となる。

 今回はさほど劣化していなかった(はず)ので、フルードが新しくなったか(色が変わったか)の判断が難しい。なのでなんとなく「タンク+キャリパー+ホース分のフルードを使ったかな?」という辺り(勘)で終了とした。

交換後
フルード色は多少は薄く・綺麗になった……のかな?

 さてとリア側。

 リアも基本はフロントと同じなのだけれど、構造が違うのでいろいろ戸惑うかもしれない(俺が)

 ホース取り付け
メガネレンチ&ホースを取り付ける前には、白いプラスチックカバーを外して(回して)おいた方が良いです

 リザーバータンク
フルード・リザーバータンクはこちら。ボルトはフロントと違って六角

ダイヤフラム
中のダイヤフラムは変な形、おかげで現フルード量の確認が難しい難しい……

 入れて押して出して足して。フロントと同様に作業して完了となる。
 のぞき窓から見えるフルード色は多少薄くなった……かな?もフロントと同様だ。

 前後問わず、作業終了時の注意点としては下記のとおり。

・ブリーダープラグの中のフルードを吸い取っておくと幸せになれる。
 ついでにちょっとだけグリスアップも。

フルード吸い取り
ここにフルードが残っていると、被せるゴムカバーがすぐボロボロに

・フルード・リザーバータンクのカバーボルトの締め具合は程々に。
 古いバイクで固着しているボルトのTOP5に含まれる。なのでこれまた軽くグリスアップしておくと幸せに。

・フルードが飛び散ったかもしれないところを水洗い。
 ブレーキフルードは塗装を侵すけれど水に弱いので……というのは先述のとおり。

 そして最後に、忘れずブレーキの正常動作を確認する。

 万が一にも不安を感じたらやり直すこと。
 ブレーキ混入時の処理はここでは触れないけれど、基本は「フルードをまるっと交換」になるだろう。
※とりあえずブレーキレバーを握って固定して、一晩様子をみるという手もある。

 いずれにせよブレーキのメンテナンスは失敗すると大変なことになる。とにもかくにも慎重に行う必要があるのだ。

<関連>

・VMAX1700 フロントブレーキ・オーバーホール記 マスタシリンダー編

・VMAX1700 クラッチマスタシリンダー・オーバーホール記

・SEROW225 ブレーキキャリパオーバーホール・リア記

・SEROW225 ブレーキキャリパオーバーホール・フロント記


 

 

 

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