ヤマルーブ サスペンションオイルG-10
■柔らかいのを試してみましょう
……というわけで、セロー250のフロントフォークオイルを交換しよう。そして粘度もかえてみよう。
前コンテンツのとおり、今の総走行距離は約18,000km
フロントフォークオイルの交換にはちょっと早い……かどうかはオーナー次第。
世の中には「1万も走ったらドロドロじゃん!」と「オイル漏れするまで平気へ~き」の情報が乱舞している。
どちらが正解と言うより、どう乗るか?どう考えるか?の違いだろう。
エンジンオイル等と異なり、交換しなかったからといって故障するものでもないし。
※もちろん極端な状態を除く
俺的には「乗ってて何か気になったら」でも良いように思う。
まぁ続けて乗っていると劣化には気づきにくいものだから、純粋に距離で割り切るのも正解だし、実際そうすることが多いのだけれどね。
※そうだ、VMAXもそろそろやっつけないとな……
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粘度変更
それではと買ってきたのは、ヤマルーブのサスペンションオイル、G-10
エンジンオイル同様、数字が小さい程柔らかいオイルになります
セロー250指定のフォークオイルはG-15
これを知った時「結構固いの使うんだな」と思った覚えがある。
※セロー225ではG-10、V-Max1200は年式によりG-10~G-15だった。
もちろん純正指定の粘度を使うのが無難なのだけれど、今回はあえて変えてみたかったのだ。
フォークオイルの粘度は、サスペンションの動作速度に影響がある。
※サスペンション全体の「固さ」にではない(固さはスプリングの担当)
粘度の低い/柔らかいオイルに交換すると、サスペンションの動作速度が上がる。
早く沈むようになる半面、反動の跳ね返りも早くなる。
「細かく動くようになる」とも言えるが、「落ち着きが無くなる」とも言えるのだ。
林道で頑張ってくれる期待と共に、高速道路での安定感が減ってしまう心配も。
9割舗装路の俺的には現状のセッティングにも特に不満は無い(&そこまでシビアに考えていない)のだけれど、「換えたらどうなるか」を試してみたかったのだ。
「それにほら『市販車は2人乗りを考慮しなければいけないから、1人で乗るには固い場合が多い』って良く言われるじゃん?!」
※まぁ一人でもリアに大荷物積むんだけどさ。
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フォーク取り外し
作業としては、基本的にセロー225の時と同様だ。
フォークを抜く手順は、
・前輪を上げ
・フロントホイールを外し
・フォーク上部の固定ボルトを緩め/外し、トップボルトを緩め
・鳥居(アドベンチャースクリーンのステー)の取り付けを緩め/外し
・フォーク下部の固定ボルトを外し、フォークを抜く
……となる。
画像ではトップボルトを外してますが、Oリングが見える辺りまで緩めるだけにしておきましょう(この後戻しました)
面倒の1は、フォーク下部のボルトを外すこと。モノがヘッドライトカバーの下にあってスパナが入らないからだ。
ヘッドライトカバーの固定部を全て外してゆるゆるにすれば出てくるのだが、これがまた面倒で面倒で。もしかするとフロントフェンダー(の前部)も外してしまった方が良いかも?
この辺り、各自工夫してください(既視感)
面倒の2は、鳥居(アドベンチャースクリーンのステー)の取り外し。
上部の共締めボルトと下部のバンドを外しても、鳥居はそう簡単に取り外せない。
「これがこうなってあれがそれで……」
もうね、他を傷付けずに外す/抜くのに大騒ぎ。これだけで1つのコンテンツになりそうな。
この辺り、各自工夫してください(再)
で、ここまで書いてなンなのだけれど、鳥居は無理に外す必要は無いのかも。
上下が緩めて/外れていれば、フォークは抜けるはずなのだから。
この辺り、各自(略)
今回は外しましたけど
(頭を掻きむしりながらやっていたので作業中の画像は無し)
ちなみに初回外しの場合、鳥居の下部のフォークに当たる部分(バンドで留められている部分)には両面テープが貼ってあるはず。
フォークを抜く際引っ掛かるので剥がしておくことをお勧めします。
傷防止用なので結構厚めのシールでした
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フォークオイル交換
フォークが抜けたら、緩めてある(はずの)トップボルトを外して、カラーとスラストベアリングセットとスプリングを抜く。
フォークスプリングはオイルまみれなのでゆっくりと引き抜くこと。
置き場所に困るので、大きなゴミ袋等を用意しておくと良い。
取っ手付きの袋だと引っ掛けておくこともできます
ちなみにスプリングのピッチは全て同じに見えた。
225は不等ピッチだったけれど、250のスプリングは上下を気にしなくて良いのかな?(さて)
中身を抜いたフォークを逆さにして、オイルを洗面器へと出す。
「あー、やっぱりまだ綺麗……でもないか」
最初に出てくるオイルは赤くて綺麗だったが、後から出てくるオイルは黒く、うっすらオリも見られるような。
逆さにしたままのフォークをストロークさせて、更にオイルを抜いていく。
「うん、やっぱ黒いわ、これは交換して正解だな」
底にはオリ的なものが沈んでいます
考えていたよりずいぶん汚れていたので、以前使った残りのフォークオイルを入れてもう一度スコスコやって抜いてやる。「フラッシング、フラッシングっと」
満足したらフォークを立て、インナーチューブがカツンと底に当たるまで縮めてやる。
新品オイルを投入する。
サービスマニュアルには使うオイル量も書いてあるけれど、重視するのは、投入後のインナーチューブトップから油面までの距離。うちのセローの場合は125mmだ。
インナーチューブを縮めたままオイルを入れて、ゆっくりストロークしてオイルをいきわたらせて待って、またカツンまで縮めて、差し金を入れて測って、足して、測って、多すぎたら抜く、を繰り返す。
このオイル量/油面を一発でキメられる専用工具も売っているけど、ほんの時たまにしか使わない工具に金は使わないのだよ。(尚例外多数)
差し金の幅が15mmなので、140mmのところまでオイルが来れば定量となります
オイル量に満足したら、各パーツを入れてトップボルトを仮止めして。
あとは逆順で組みなおす。
「あー、鳥居が鳥居が……」(自業自得)
※鳥居側の両面テープが貼ってあったところには、代わりにビニールテープを貼りました。
全てのパーツを組んだら、全てのボルトを再確認。問題なし、と。
※とか簡単に書いてますが、同時にフォークブーツにシリコンスプレーしたり、アクスルシャフトをグリスアップしたり、インナーチューブにベルハンマーを塗ったり、この時にできることをいろいろとやってます。
余談ですが、左右仮組みした後、アクスルシャフトがズレなくどんぴしゃりに入ると安心しますね
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走行テスト
「さ~て、んじゃちょっとだけ乗ってみるか~」
各ボルトの本締め忘れ無しをもう一度しつこいくらい確認して(←自分を信用していない)走り出す。
住宅街をゆっくりと抜けて、大通りへ出てペースを上げて、河原へ降りて岩ゴロゴロの道をすっ飛ばす(既視感再)
「ありゃ?やっぱ変わるもンだな……」
スラストベアリングに交換した直後でもあるし、まぁ変わらない・感じられないだろうと思っていたのだ。
それが、結構乗り味に変化が生じたような。
柔らかくなったというか、スラストベアリング交換時に感じた印象がより拡大されたような。
もちろんサスペンションの固さ自体は変わっていない(はず)のだけれど。
河原のダートは楽しく走ることができた。心配した舗装路での落ち着きも問題なし、ハンドルが暴れるようなこともまったく感じず。
「うん、これは悪くないかもよ」
もちろん、粘度を変えたこととは別に、新品オイルにした影響もあるに違いない。
だが結果的に「これなら今後もG-10で良いかも」と思わせられたのだ。
これなら今年の夏の北海道行き(予定)も楽しめそうだ。現地での林道だけではなく、行き帰りの高速道路走行を含めてね。
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