■YAMAHA VMAX 1700 (VMX17) メンテナンス編

 

フロントブレーキ・オーバーホール記

マスタシリンダー編

フロントブレーキ・オーバーホール
2S3-W0041-00 シリンダキツト,マスタ (フロントブレーキ)

 OH   テスト NEW

 

<2019年2月> OH

結構走っていますから(再2)

 VMAX1700のフロントブレーキのフルオーバーホール。
 さて、それではフロントマスターシリンダーだ。

 ←前回、キャリパー編  

 以前行ったのが、クラッチマスターシリンダーのオーバーホール

 内部はさほど劣化しているように見えなかったけれど、OHしたら明らかに良く(軽く)なった。
 今回のブレーキ側も同様になれば嬉しいのだけれどね。

 さて、パーツリストで見る限り、フロントブレーキマスターシリンダーの交換パーツの内容は、ほぼクラッチマスターと変わりがない。

 だがパーツ代は、ほぼ2倍の3.5k円。
 原因は何だろう?数的にはブレーキ側の方が汎用的な(共通車種が多いような)気がするのだけれど。

 ともあれ、作業開始。

 いつもどおりブレーキ周りを養生して、ミラー、レバー、リザーバーキャップと外していく。

 ブレーキフルードはキャリパー側の作業で既に抜けているけれど、あちこちにちょっとだけ溜まっていたりするので油断大敵。


あれ?中のゴムってこんなにヘロヘロだったっけ?


外れました

 マスターシリンダー内部の分解。

 一番外側にあるプッシュバーとゴムキャップはセットになっていて、差し込まれているだけなのでスポンと抜く。

 内側にはクラッチ同様サークリップ。ただしこちらはクラッチ側ほど奥にではない。
 前回買ったベントノーズプライヤーで取り外す。
※経験値が上がったので今回は一発でOK

 その内側のピストン、スプリングを引っ張って抜けばバラしは完了っと。


入っていた順番に並べておきましょう

 よしと新パーツを持ってくる。

 袋を開けて中身の確認を……「ほうほう、そういうわけですか

 クラッチマスターの時、全てのパーツはバラバラで、ピストンにはゴムのシールを差し込む必要があった。
 そしてこれが面倒というかコツが必要で。何しろ見た目絶対入らないようなサイズだったのだから。

 ところがなんと、ブレーキ側はこれが組み込み済みだったのだ。


下側が袋から出しただけの新パーツ

 クラッチ側とのパーツ的な違いは、ゴムシールが2か所に入っていることくらい。

 「つまりアレだな、ブレーキ側パーツが高いのはこの手間代なんだな。」(邪推……じゃないかも)


 パーツの外れたマスター内部を洗浄する。

 クラッチ側はピカピカだったシリンダー内壁。ブレーキも綺麗ではあるのだけれど、若干コスれたような跡も見える。まぁ実害がある程ではないのだけれど。


画像じゃわからないですけどね
(ここで汚れに見えるのはパーツクリーナー跡)

 満足するまで洗って乾かしたらパーツの組み込み。

 これは元通りに組むだけだ。ピストンより内側のパーツにはブレーキフルードを塗ってから組み込んでやる。

 面倒だったのは、クラッチ同様サークリップの取り付け

 ピストンを押して引っ込めておいて、クリップを縮めてセットする……のだけれど ホント「手がもう一本あれば!」と何度思ったことか。


きちんと入れました的確認画像
(入れるときは通常のサークリッププライヤの方が便利だった)

 この後、通常グリスを塗ったプッシュバーとゴムキャップをハメ込めば組み込みは完了となる。

 車体への取り付けはいつもどおりに。

 そして「じゃーん!(またかよ)エアフリーバンジョーボルトぉ!



GOODRIDGE製で発売元はACTIVE

 これがあるとエア抜きが劇的に楽になる。(はず)
 まぁ今やっている「フルードを下(キャリパ側)から圧入する方法」だとエア抜きにはあまり労力を使わなくて済むのだけれど。(甘い)

 購入したバンジョーボルトはステンレス製なので少々お高い。

 そうそう付けたり外したりするわけじゃなし、一般的(安価)なアルミ製でも機能的にはそう変わらないのだけれど、ホース側の純正バンジョーが鉄(多分)なのでそれとの相性を考えて。

 んでもまぁ本当のところ、アルミは経年劣化で色落ちするのが嫌だからなんだけどね。

※ブラス=真鍮製のボルトも売られているけどこちらはどうなのだろう?まぁメッキされてるから買わないんだけどさ(メッキ嫌い)

 ネジピッチはヤマハ共通の1.25、今後もブレーキホースを交換する気はないのでシングルタイプ。
#というかABSなのでW出しにはできないか……

 買うにあたっていろいろ調べたのだけれど、この手のエアフリーのステンレスバンジョーボルト、今は有名どころではアクティブでしか扱っていない様子。
 昔はあちこちにあった気がするんだよな。隼で使ったのはどこ製だったっけ?(忘)

 取付けはもちろん問題なし。使うレンチは13mmと思ってたら14mmで慌てた程度だ。


取付前にピッチとネジ長を再確認するのはお約束

フルードを入れてエア抜きを

 さて、これで取付は全て終了となる。残りはブレーキフルードだ。

 全部のボルトの締め付けを再確認の後、先のとおりキャリパー側のブリーダーボルトから注射器でフルードを圧入する。

 「マスターシリンダーから遠い方から作業するのが定番」ということで、まずは右キャリパーから入れてみた。(主として四輪車的ノウハウ)

<余談>
 キャリパー編にも書いたとおり、VMAX1700のフロントブレーキホースは、
・マスタシリンダ→ABSコントローラ→左キャリパー→右キャリパー
……の順に繋がっている。


こんな感じで

 ゆっくりとフルードを流し込んでいく。

<余談の2>
 今回はまるっきり空の状態から入れるので気にしなくて良いのだけれど、既にキャリパーにフルードが入っている状態で注射器を使う場合、まず少し引いて中のエア(キャリパーのというよりブリーダー部の)を吸い取る必要がある。
 これを忘れるとエアを押し込んでしまい逆効果になるので注意。
※後述の左キャリパーではこれ↑を考慮。 

 リザーブタンクまでフルードが上がってきたあたりで一時停止。右のブリーダーを締め、今度は左側のキャリパーから流し込む。

 時々ブレーキレバーをカチカチやって、小さなエアの出を促してやる。
 フルードがリザーブタンクの半分辺りまで上がったらOK、注射器を取り外しブリーダーを締める。

 クラッチの時はこれだけでエア無く充填できた。ブレーキ側も同様のはずで……「あれ?」(お約束)

 レバーに手ごたえが無い。スカスカだ。

 いや、スカスカというよりぐにゃぐにゃかな?それなりに抵抗はあるのだけれどレバーは握りこめてしまう。
 そして何度か連続して握ると抵抗が増える、ということは原因がエア混入なのは間違いなし。

 「うーん、ABS車両はフルードのルートが複雑だから(ABS内部云々とは別に)エア抜きが大変とは聞いていたけどなぁ……」

 確かにホースの配管を見ても、ABSコントローラー付近で上へ下へと曲がっている。

 新しく付けたリザーバータンク側のエアフリーバンジョーからのエア抜きも効果なし。
 となればあとは……力技しかないわけで


 力技(?)の手順は、通常のエア抜きと同様。
 右キャリパーのブリーダーに長い透明ホースを付け、ブレーキレバーの握りとブリーダーの緩めを連動させて上から下にフルードを送り込んでいく。

 通常と違うのは、途中に入っている(であろう)エアが上に戻らないうちに一気に送り込み交換してしまうことだ。

※ちなみにこの作業、透明ホースの途中までフルードが落ちれば、以後はブリーダーは開けっ放しでも大丈夫。不思議と逆流はしないのだ。(なので俺はワンウエイブリーダーの類は必要としていない)

 リザーバータンクに補充しながら(そしてエアが入らないよう気を付けながら)えっほえっほとレバーを握る。
 新品のDOT4ブレーキフルード500ml缶が空になりかけた頃、やっとブレーキレバーに手ごたえが出た。

 うひー、良かった良かった。あとはレバーを握って一晩固定して様子見だ。

※大量にフルードを使う事は判っていたので、エアを抜ききるまでの作業用として棚に残ってた古いフルードの残りを使うことも考えたのだけれど、缶に自分で書いた日付を見たら2008年だったのでパス。


そういえばヤマルーブ名義の500ml缶って初めて買ったのかも

 翌日。「う~ん……」

 それなりに手ごたえがあるブレーキレバー。
 だが今一つピンとこない。もうちょいかっちりして欲しいし、エアが全部抜けていいればそうなるはずなのだ。

 念のためにとサービスマニュアルを見直したけれど、特別な作業の記述はなし。ごく普通のエア抜き方法。
 件の「ABSはフルード内にエアが残っていると……」もあるし、時間がある時にもう一度みっちりエア抜きしてやるか。

<なので続く>


<2019年2月> テスト

その後です

<続き>

 さて、「みっちりエア抜きしよう!」と意気込みはしたものの、その後、なんとなく大丈夫な雰囲気に変わってきたわけで。

 詳しい経緯はBLOGに書いたとおり

 要約すると、「メンテナンススタンドじゃなく、サイドスタンドで(レバー固定して)放置したらエアが抜けたわ」

 レバーのカッチリ感はこれまで同様になってくれた。
 「うん、これなら使える気がするんだな」

※但し「何故?どうして」という思いは消えず。サイドスタンドだからといってそんなに変わるはずは……(繰)

 原因・理由的には疑問が残るところだけれど、この状況ならテストに出ても大丈夫だろう。
 ABSがちゃんと効くかどうかは実走で試してみれば良し。

 某日朝、久しぶりにVMAXエンジンスタート。

 どきどきしていたのだけれど、一旦点いたメーターパネルの黄色いABS警告灯はエンジン始動後に消灯してくれた。
 これは通常通りの動作。よしよしっと。

 どれと走り出す。

 今日は比較的気温高めで、例の冬パンだとタイツ無しでもまったく寒くない。「この感じだと春以降にはこのパンツは暑すぎるだろうな……」

 水田に囲まれた田舎の直線道路へと到着。前後左右に車両・人影なしを確認。
 60km/h辺りから、クラッチと同時にブレーキレバーをバカ握りする。

 ぐっとフロントサスが沈み込み、カッカッカッと音を立てて前輪がコキコキと動く。
 「よーし、ABSはちゃんと動くぞ!

 だがふと気になる。ABS作動時って、メーターパネルの警告灯が点くんじゃなかったっけ?

 ユーザー車検での速度測定(40km/hでのブレーキテスト)時、後輪だけ強制的にローターで回されると黄色く光ったのは間違いない。
 4輪車でもいろは坂の下りでABSが効くと(をい)それなりの表示が出たような?

 再度ABS確認。動作は問題ないが黄色いランプはやはり点灯せず。
 うーん、どうだったかな、帰ってからマニュアルで確認してみよう。

 その後、久しぶりのVMAXにうきうきと走っていてまたまた思い出す。
 「しまった!ABSに気を取られてブレーキパッドとシールが新品なの忘れてた~!」

 本来はこちらの慣らしがメインであるべきだったのだ。
 なのにブレーキバカ握りを試したりとか。いかんいかん、ここからはじわじわブレーキを心がけよう(遅い)


 軽く80km程走って帰宅。

 幸いにして(?)キャリパー周りからのフルード漏れは無し。ブレーキタッチも良好。

 タッチはちょい柔らかい気がしないでもないけれど、エアが入っている風ではない。これはシールが新しくなった影響だろう。(ポジティブシンキング)

 ガレージにVMAXをしまいこみ、棚からサービスマニュアルを引っ張り出す。
 ABSランプは「警告灯」で異常のある時に点灯とあり、正常動作時の記載は見当たらなかった。
 ということは点かなくて正解……なのかな?(多分ね)


 というわけで、キャリパー、マスタシリンダーと続いたフロントブレーキのオーバーホールはどうやら成功だったようだ。

 先のとおり、今回交換できなかった(であろう)ABSコントローラ内部のフルードはこれから入れ替わる(であろう)ので、ほとぼりが冷めた頃もう一度フルード交換をしてやるとしよう。

 そしてその時に使うフルードは、小さな100mlのボトルで充分なはず……だよね?(笑)



※後日、「左右キャリパー間にエアが溜まりやすいからキャリパー持ち上げるのもいいですよ」と教えていただいたり。
なるほど、確かに画像のようにすれば間のホースのエアがキャリパーに行きますね。
(コウさん、ありがとうございました)




 

 

 




 

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