■YAMAHA VMAX 1700 (VMX17) メンテナンス編

 

エンジンオイル交換記

オイル交換
何を今更って感じですけど

 

 

garage Ak!rA

 

<2011年10月>

何故今かと言いますと

 唐突に、新型VMAXのオイル交換をレポートしてみたりする。

 VMAXネタが無いというのもあるのだけれど(をい)、最近妙に「オイル交換って難しいんですか?」という話を聞く(聞かれる)からだ。

 BLOGにも書いたのだけれど、オイル交換というと「サンデーメンテナンスの第一歩」のように言われることが多い。
 定期的に行うものだし、専用工具は要らないし、何よりショップに出すより大幅に安く上がる。確かに手ごろなメンテではあるのだけれど、失敗すると致命的なダメージを追うリスクもある。
 いろいろとコツもあるし、個人的には「初めてのメンテナンスとしては難しいんじゃないかなぁ?」と思うのだけれど。

 ともあれ、そんな意味も含めて(?)改めてレポートしてみよう。VMAXだけではなく、「一般的には」な部分を含めて。

 さて、「オーナー編」にも書いたとおり、国内仕様のVMAXには「メンテナンスパッケージ」が付属しており、計4回のエンジンオイル交換が無料となっている。
※初回(1000kmまたは1ヶ月)/12ヶ月/24ヶ月/36ヶ月目

 さほど距離を乗らない人であれば、もしかするとメンテパッケージ分だけでOKかもしれない。事実、年に1回春先に交換という人も結構多いようなのだ。

 大容量のオイルが入った大型車では、オイル交換にはそう神経質にならなくても良いんじゃないかと俺は思っている。
 よく「バイクは3000km毎」と言われるが、個人的な基準では4~5000kmは問題なし。(新車の初回・2回目は別として)

 俺の場合、距離云々よりも「エンジン音大きくなったかな~」とか「シフトタッチが変わったかな~」とかの感覚的な部分で交換タイミングを決める事が多い。なのでセローの場合は、逆に2,000kmと走らず交換(下手すると1,000kmちょいで)になる。

 オイルフィルター交換の必要性についても同様に。
 通常「オイル交換2回につき1回交換」と言われているが……「ああ、でもこれはそのくらいで交換してるかもな~」


…とまぁ、一通り能書きを語ったところで準備開始。

 まずは交換オイル。
 銘柄はお好みで良いと思う。最低限意識するのは10W-40の二輪専用品ということだ。
 オイルの良い悪い、高い安いは永遠の議論のテーマで、正解はライダーの数分だけあるのだ。

 俺の場合はヤマルーブ(旧エフェロ)のプレミアム。
 これ1種類でVMAXもセローも、隼も先代V-Maxも何も問題はなし。
#先代V-Maxだけは20W-50の方がお奨め。

 量的には、VMAXの場合1700ccの排気量に比例して、オイル量はなんと5.9L(全量)。
 通常の交換作業で全量を交換する事は不可能なのだけれど、一応6Lは用意したい。4L缶を2本買って半分残し、それを次回使用…だと丁度いいと思う。
※エンジンには「4300cm3」の表記があってこれが通常(フィルター交換なし)の必要量だと思うのだけれど、経験則的にもう少し入るような気がしている。

<余談>
 「次のオイル交換は1年後なんだけど、残ったオイルをそのまま使っても大丈夫?」と聞かれれば「キニシナイ」と答えたい。
 経験的には何も問題なし。もちろん気になって仕方がない人は毎回新しいオイルを買って安心して下さい。
※うちのペール缶なんて蓋開けてから3年とか使うものなー

 気をつけなければいけないのが、エンジン下に置く粉砕オイルバットだ。
 なにしろ6L近いオイルを受けなければならない。その後の持ち運びも考えると余裕も必要。なので四輪用の大容量のものが推奨だ。
 但し、あまり深い(高い)ものだとオイルパン下に入らない。購入の際にはこの辺りにも考慮が必要。
※うちのバットもサイドスタンド状態だとエンジン下に入らないんだよな…orz


これは10Lタイプ…だったはず 

 フィルター交換時にはフィルターレンチも必要となる。
 キャップタイプであれば「ヤマハ用」と明記してあれば問題なし。もちろん汎用のベルトタイプでも大丈夫。


これはキャップタイプ
(VMAXって書いておかないと他のと間違うんですよ)


 交換作業自体はVMAXだからといって特に変わることはない。
 エンジンを暖機してオイルを温め、ドレンボルトを外してオイルを抜き、必要ならフィルターを換え、新しいオイルを入れるだけだ。

<余談>
 作業前にエンジンを掛けてオイルを温める必要があるか?については実は諸説ある。
 「温めないと綺麗に抜けないでしょ?」と「せっかくオイルパンの下に溜まった(であろう)汚れをかき混ぜてどうする?」だ。
 事の真偽はわからないが、俺は温める派。
 汚れといってもこれまでその状態で走り回っていたわけだし、現実的に固いオイルは抜けるのに時間がかかるからだ。
 但し、真夏だと放っておいてもオイルはトロトロなので、暖気せずにそのまま交換してしまう事が多い。

 ドレンボルトがあるのはエンジン(オイルパン)の左側のここ。使うレンチは17mm。
 位置的にメガネレンチは使えない。ディープソケットかTレンチが必要だ。


強引にメガネを使うこともできなくはないですが

 今回は訳あってメンテスタンドで立てたまま作業したが、ドレンが左側なので、オイルを「抜く場合には」(後述)サイドスタンド状態の方が便利だと思う。
※まぁ純正ではサイドスタンドしか無いのだけれどね。

 抜けてくるオイルの量が少なくなったら、バイクに跨り、直立にしたりちょい揺すってやったりして出を促す。
 これを行うにも(メンテスタンドではなく)サイドスタンドの方が簡単にできるだろう。
※オイル投入口を開けておくとオイルの流れがスムーズに…ってのはVMAXだと気休めかな。

 ちなみに風の吹いている時にやると、細くなったオイルの流れが風になびいてあらぬところへ飛んで行ったりする。
 アスファルトに付いたオイル染みはなかなか取れないので要注意。路上メンテの方はご近所さんとは日ごろから親密にしておく必要あり。


 一通りオイルが抜けたらオイルフィルターの交換。

 フィルターレンチを被せ(もしくは巻きつけ)メガネレンチで回して外す。
 これまた余談気味なのだけれど、カバータイプのフィルターレンチに付いているヘキサボルトは、食い込んだフィルターの取り外し用。だから使う際には一番緩めておく必要があるし、これをいくら回しても車体からフィルターは外れない。
#「いくらなんでも…」って、知らない人がいたんですってば!



こういうことです


 新しいオイルフィルターの締め付けは程々に。
 強大なトルクは必要ないので、手で締め込んで最後にちょっとだけレンチを使うくらいで大丈夫。
 それよりは車体側の取りつけ部にゴミや砂が残っていないかを注意する。締め付け時にごりごりした感触があったら最初からやり直した方が良い。

 ドレンボルトも同様。ついつい「緩んだら大変!」とばかりに締め付けたくなるのだけれど、素人が力任せにねじ切ってしまう代表的なボルトってドレンボルトとプラグなんだよね。
※そして修理に多額の費用(もしくは手間)がかかるのもこれらのボルト(ホール)

 個人的には「もうちょい締めたいけど…」くらいで止めておくのが良いかと思う。

 それではとオイルを投入。

  先のとおり、オイルは数値的な容量ではなくオイルレベル窓で判断するのだけれど、この時は車体を水平にして見る必要がある。

 ぶっちゃけて言うと、VMAXの場合、メンテスタンドを持っていなければ一人では確認不可能だ。
 例えばセローなら、窓を覗きながら片手でハンドルを持って車体を立ててバランスを取る事も可能なのだけれど、300kgをはるかに超えるVMAXでは完全に無理。
 一人が跨り車体を水平に保ち、もう一人が確認するしかないだろう。

 メンテスタンド使用の場合も注意点がある。それは、「リアタイヤが持ち上がっている」ということだ。

 つまり車体は若干前のめりになっている。
 エンジンの前側に付いているオイルレベル窓には、「実際よりもやや多めに表示される」のを意識しておく必要があるだろう。


これくらい持ち上がっていますから


 とりあえず、ゲージの中央までオイルが入ったら投入口を閉め、エンジンを始動する。

<余談>
 投入口を閉め忘れてエンジンを掛けると、オイルミスト(霧)が噴出して大慌てになる。
 エンジンの中って凄い状態なんだねぇ…と改めて思い知らされる事間違いなし。

 1~2分アイドリングした後エンジンを停め、1分ほどおく
 交換したフィルター内部を含め、エンジン各部に新しいオイルが行き渡り、その後落ち着くのがこれくらいだ。(と俺は勝手に思っている)

 ここで、先と同じ状態でオイルレベルを確認する。
 フィルターを交換した場合、先よりオイル量は減っているはず(フィルターに染みこんだ分)なので追加する。

 最終的なオイル量はレベル窓中央で良い。

 よく、アッパーレベルぎりぎりまで入れる人がいるが、オイルを多く入れて良い事はほとんどない。
 レベルにはマージンがとられているし、抵抗を考えて下端ぎりぎりを推奨するショップもあるほどなのだから。


丁度真ん中ですね

 これで交換作業は完了となる。
 試乗してオイル漏れのない事を確認しておくこと。


 さて、ここまでの作業、VMAXは他車に比べて「とても簡単である」と付け加えたい。

 予備的に外すもの(アンダーガードとかアンダーカウルとか)が存在せず、ドレンボルトが作業しやすい場所にあり、オイルフィルターの抜き差しに邪魔になるものが無いからだ。
#先代V-Maxでは苦労したよなぁ…カートリッジ式じゃない前期型だったしなぁ…

 下回りにガードが付いてフィルターもぶつからない位置(エンジン内部とか)についているオフ車とか、全てがカウルの中に入ってオイルSSとかに比べると、作業時間は半分以下で済むだろう。

 作業の後始末としては、廃オイルの処理がある。

 普通のバイクであればオイルパックリ等でに染みこませて(もしくはバットの代わりにこれを使って)捨てるという方法があるが、車並みの廃オイルが出るVMAXだと難しい(もしくはオイルパックリが2つ必要)かもしれない。

 実は俺自信も廃オイルの処理には困っていたり。
 大容量の廃オイルを、「無料で」「環境に優しく」「言うまでもなく合法的に」処理する方法を知っている人がいたら是非お教えください。

#おお、ただのオイル交換が結構な文書量になったぞ(笑)

<了>


 



 

 

 

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