体に触れる部分が新しくなるっていいものです
■耐久性なのか乗り方なのか
2011/6のハンドル交換の際に新品にしたグリップ。
ところが2年も使っていないのに結構な磨り減り具合になってしまった。
親指と、小指の付け根のふくらみ(小指球?)が当たる部分ですね
う~む、俺の乗り方(グリップの握りかたというか力の入れ方というか)が悪いのは判っているのだけれど、それにしても減りが早すぎる。
まぁ基本ゴムだから、柔らかいグリップだと耐久性に欠けるってのはタイヤと同じなのかも。
とすればきっとこういうのにも”美味しい時期”ってのがあるんだろうなぁ…
ともあれ、交換することに。
グリップ交換の手順なんて今更の上に今更なのだけれど、最近ネタも無い事だしレポートしてみようか。
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それではと作業開始はスロットル(右)側からだ。
※理由あり・後述
ハンドガード(普通はグリップエンド)を外したらスロットルワイヤーを外す。
VMAXの場合は、あらかじめワイヤーのカバー(ゴム部)をズラしておく必要がある。
その後は通常同様。スロットル根元のケース(スロットルホルダー)をボルト2本で外し、ワイヤーは引きと戻しの2本があるのでそれぞれをスロットルを回しながら先のタイコを溝から抜いて…なんて説明はさすがに不要かな?
一応画像載せときますね
そういえばこのワイヤを取り付けるスロットルの根元部分(実際にはそれを含んだインナーパイプ)なのだけれど。
バイクというのは、
多くスロットルを回す→長くワイヤーが引っ張られる→激しくエンジン回転が上がる
…わけなので、根元が太い(大きい)と、少しスロットルを回しただけでよりワイヤーが長く引かれ、結果的に回転の上がりが早くなる。
これがいわゆる「ハイスロットル」(ハイスロ)
純正でも車種によって大きさが異なり、またその形(純円ではない)によって「回り始めは一気に引いて(加速激しく)上ではゆっくり(微妙なスロットルワークが可能)」とかの個性を出すことができるのだ。
ここの大きさと形と穴の位置が大切なんです
新型VMAXでも、YZF-R1やR6のスロットルと交換してハイスロ化している人がいるようだ。
#あちらの方が径が大きいらしい
ならばと俺もいろいろ試してみたい気がしないでもないのだけれど……毎回書いている気がするのだけれど、ホント、この車両に関しては純正で不満感じるところが少ないんだよなぁ(笑)
※ハイスロ化というより、ちょい上の領域だけロースロ化してみたい気はしないでもなかったり。そうすれば峠道で微妙なスロットルワークが…でもなぁ、峠でVMAXの「上の領域」なんて使う機会無いしなぁ…(ぶつぶつ)
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インナーパイプごとグリップをハンドルから外したらグリップ自体の取り外し。
外し方としては、今回のように劣化による交換(外したグリップは不要)ならカッターで切ってしまうのが一番手っ取り早い。
※くれぐれもインナーパイプに傷をつけないように
だが、まだまだ使えるグリップを「ちょっと雰囲気変えてみるかな~」的に交換する場合には綺麗に取り外したいものだ。
そんな時は、隙間に何か突っ込んでパーツクリーナーを吹き、ぐりぐり回す(捻る)と良い。
パークリでなくCRC5-56等の浸透潤滑剤の方が外すのには楽だが、こちらの場合は取り付け前に脱脂が必要になるので要注意。
細めのドライバーでいいんですが傷には注意
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さて、今回購入した新しいグリップはこちら。
ベーシックモデル…かな?
長さは前回同様122mm、これを選んだ理由は…「特になし!」
あえて言うなら細身(≒太くない)でシンプルでワイヤリング溝のあるところだろうか。もちろんエンドは(ハンドガードorバーエンドを付けるので)貫通タイプ。
※オフロード用に貫通でないグリップもある
最近は防振を謳うモデルもあって先代V-Maxでは使っていたのだけれど、新型は振動少ないので気にしていなかったり。
ところで(これまた今更*3だけど)このハンドルグリップというは左右で内径が異なっている。(もちろん外径は同じ)
左はハンドルに直付けなので22mm前後、右はインナーパイプに付けるので25mm前後。
だから取り付け時には左右を……「ええいっ間違えようがないわっ!」
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旧グリップを外したインナーパイプを掃除する。
接着剤のカス等を綺麗に取り除いて、必要に応じて脱脂すること。
取り付けはインナーパイプに接着剤を塗ってグリップを差し込むだけ…ではあるのだけれど、実は結構コツ的なことがあったりするのだ。
まず接着剤。
これはゴム・プラスチック対応ならなんでも良いのだけれど、できるだけ接着時間が長いものを選ぶと良い。(つまり速乾タイプは×)
液体状の時間が長いとグリップも差し込みやすい。何より作業中に固まり始めてしまうとそれはもう面倒なことに…
最近ではハンドルグリップ専用の接着剤も売られているのだけれど、、きっとこの辺りが考慮されているのだと思う。
接着剤を塗ったら、グリップは躊躇せず一気に差し込んでやる。
途中で止まると大抵そこでTHE END 最初からやり直しになってしまうことが多いのだ。
※ええ、それはもう散々経験済みですとも。
そして差し込みすぎにも要注意。
インナーパイプ基部にはストッパー的なもの(VMAXの場合はプラスチックの円盤)が付いているはずなので、それに「触れるか触れないか」くらいでとどめて置くのが重要だ。
ビチビチまで入れてしまうと、ハンドルに取り付けた時スロットルカバーにピッタリ付いてしまい、スロットルが回せなくなる(もしくは回すと戻らない)という笑えない状況になってしまう事もあるのだ。
※ええ、それはもう散々(略)
根元のプラ板が動かせるくらいのイメージで
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さて、そしてこれは一部のグリップだけなのだけれど、ハンドルにセットしたときの位置関係のチェックが必要となる。
※一部のグリップ=全体が同一柄でなかったり、形が違っていたりするもの。
この手のグリップは「取り付けた(ワイヤーもセットした後)時どんな状態になるか?」が重要になる。そしてインナーパイプ単体だとどこが上になるか下になるかが判りにくい。
だからチェックを怠ると、いざ取り付けてから「ああっ!下側に回そうと思っていたロゴ部が手前にぃっ!」とかなったりするのだ。
おかしいなぁ、下になるはずだったんだけどなぁ…
「しかし最初からやり直す気力は無いっ!」と叫びながら一旦取り外し、インナーパイプの内側(ハンドルに当たる側)にシリコングリスを塗る。
これはもちろんスロットルが軽く回るように、の為だ。
※シリコングリスの替わりに、間に巻き込む専用の薄いシートというのも売られているらしいが俺は未体験。
あらためてハンドルへ取り付けてワイヤーを張ってカバーを元通りにすれば、とりあえず右側は完了となる。
・スロットルの遊び量の調整(ワイヤの張り調整)
・スロットルを軽く全開まで回せるかの確認
・開けたスロットルから手を放すと軽く戻ってくるかの確認
・上記がハンドルを左右め一杯切った状態でも同じかの確認
…等々はまぁ当然という事で。
ちなみにグリップの長さが純正より長かった場合、バーエンドとも干渉することがあるのでこれまた注意が必要。
うちのVMAXはスイッチボックス類の固定ポッチを全部削ってあるのでこの辺りは自由自在なのだけれどね。(←自己責任)
<ちょっと余談>
さて、せっかくスロットルワイヤーを外したので注油してやりたくなる人も多いと思う(?)のだけれど、VMAXのワイヤー(のカバー)の先端は湾曲している上に何故かスリットが入っていたりする。
なので普通のワイヤーインジェクターは使えない(はず)
まぁYCC-T(電子制御スロットル)だからスロットルワイヤー自体も短いし、スリットから軽くシリコンスプレーしてやる程度で良いのだろうと思ってはいるのだけれど。
そしてそのためのスリット…なのかな?
つまりコレはセロー専用ですな
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クラッチ(左)側も手順は同様。違いは相手がインナーパイプではなくハンドル直なことだけだ。
そしてここで右側から作業した意味が出てくる。
左はハンドルに差し込むだけなので調整が効く。つまり、右側にあわせたグリップ位置にすることができるのだ。
※先に書いたとおり、右は思ったとおりの位置にするのが難しい。
仕方がないので(?)ロゴ位置は右に合わせました
さぁこれで完成!と喜ぶ前に、最後のワイヤリング。
ワイヤリングというのは念の為のワイヤでの固定のことだ。
そもそもはレース向けの作業なのだけれど、俺的にはストリートでも有効・必要な作業と思っている。
右にせよ左にせよ、走っている最中グリップが空回りしたら大変なことだからねぇ。
ステンレスのハリガネを取り出し、グリップの溝に2,3周させてぐりぐりと捻る。
「ラジオペンチだと面倒なんだよなー、誰かワイヤーツイスター買ってくれないかなー…」(←ここ10年くらい言っている)
ハリガネの捻った端は短く切って、先端はグリップに埋め込むように差し込んでおく。
こうしておくとグローブに引っかかることがないので安心だ。
左2箇所右3箇所ってのが俺のスタンダードです
あとは接着剤が固まるまで動かさないこと。これは丸1日放っておけば大丈夫。
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…というわけで、車種やグリップの種類にもよるのだけれど、難しくはないが気を使う箇所の多いハンドルグリップの交換作業。
よくパーツショップに「グリップ交換15分!」とかあるのだけれど、15分じゃ特急作業になってしまうし、何より接着剤が乾かない気がするんだけどどうなんだろうねぇ?
#「一番面倒臭いグリップ差込みはコンプレッサーでエア吹き込みながらやると簡単」とか聞くから今度やってみようかな…
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