■YAMAHA VMAX 1700 (VMX17) メンテナンス編

 

スクリーン・ウインターバージョン装着記

スクリーン・ウインターバージョン装着
とにかく角度が問題なんです

 製作   完成 NEW

 

 

garage Ak!rA

 

<2013年12月> 製作

冬も走り回りますからね

 以前作ったスクリーンは極めてお気に入り。オ リジナリティもあって「俺的VMAX」な仕上がりも気に入っている。

 そして1つ良くできるともう一つ作ってみたくなるのが人の常という奴でして…というわけでもないのだけれど、ふと「冬用も作ってみようかな?」という気になる。

 冬場は格好を気にしないし、もう少し大きなスクリーンだと楽に走れる気がしたのだ。
※楽というか寒さがしのげるというか。

 VMAX用としては市販のスクリーン(カウル)がいくつか売られている。
 ツーリング用と称した大型のものもあるのだけれど、正直本当にツーリング用だ。

 角度が立っていて丸くて、スクリーンというか「風防」というか。

 「冬場は格好を気にしない」と言った直後になんなのだけれど、正直微妙なスタ イリングのものが多い。
 う~ん、俺が格好良いと思うのは、もっとこう寝ていてしゅっとしていてそれでいてちゃんと防風効果があって…

 ★

…とかなんとか言い訳を語ったら候補探し。
 前回同様適当なスクリーンを適当に取り付けるとしよう。

 前回の経験から、メーカー純正のスクリーンだと強度があって加工しやすいことが判っている。今回もこれを狙おう。
※市販のものは格好はいいけど薄くて割れやすいように思う。

 「なんか格好良いの無いかな~それなりに大きくて、しかも個性的な形(←重要)でさ~」

 最初にこれはと思ったのがホンダのNC700X純正品。形がなかなかに俺好みでVMAXにも似合いそう。
 ところが実際の車両で確認したら思っていたより小さかった。最初のオリジナルスクリーンの替わりになら良さそうだが、今回はあれはあれ、これはこれ、のウインター用なのだ。

 そして見つけたのがトップ画像の品物。
 ちょい大きすぎる気がしないでもないが俺好みの面白い形状。
 例によって何用かは書かない方が面白いと思うのだけれど、いやー、最近のKWSKって個性的だよなぁ…


 中古品をゲットしたら作業開始。

 まずはタイミングランプを逃がすための穴あけを試す。
 これができないようだと今回の作製は諦めるしかない。大型スクリーンを寝かせてセットするには必須 の仕様なのだから。

 そしてさすがは純正スクリーン、電動ドリルでごりごりやったら見事に穴を開けられた。いやー、メーカー純正品ってホント丈夫だねぇ…

 電動ドリル、カッター、リューター、紙やすりを駆使して穴を仕上げていく。
 目指すは100点じゃなく80点。欲張るとろくなことにならないのは散々体験済みなのだ。


作業途中の図
テープの類は傷防止と位置決めの為に

 スクリ-ンがなんとなく形になったらステーの作製。
 これは例によってフルスクラッチ。2mm厚のアルミ板を現物あわせで曲げていく。
 見た目の格好はこれで決まってしまうので慎重に。そして目指すのは80点(再)


一品物の強みですな

 半日格闘してなんとか満足レベルまで持っていく。
 これねぇ、もう一個同じの作ってって言われても無理だからね~


一見すると単にひねくれ曲がったアルミ板です

 スクリーンとステーの間にはゴムのグロメット。ビビリは減るけどブレが出るので一長一短あり。

 取り付け前には、中古で傷つきのスクリーンを一生懸命磨く。

 最初は金属磨き用のピカールで大傷取り、次に水垢取り用ワックス、最後にガラスコート剤で仕上げ。
 これまた80点くらいには仕上がったかな?

 もうちょい弄りたい部分はあるのだけれど、仮留めと称して車体に取り付けてしまうとムズムズし てくる。
 よ~し、んじゃテスト走行に出かけるぞ~

 某日午前出発。気温は7~8度あるので防寒テストにはちょい緩いかも。

 ガレージを出てすぐ気づく。「あ、ブレブレだわ…」

 路面のギャップにあわせてぶるぶると震えるスクリーン。
 スクリーンは一応4点留めなのだけれど、ステーは2本なので2点留めと同じとも言える。「う~、やっぱスクリーンが大きいとブレるよなぁ…」
 ブレ自体は我慢できないでもないが、この状態ではいずれ間違いなくステーが金属疲労で破断す るだろう。

 どうしようか?と考えながら記念撮影。う~ん、格好は悪くないんだけどな。


高さはリュートミラーと同じくらい


このライトと同じ角度がキモでして


うん、悪くない悪くない(自己満足)

 テスト継続、大通りへ。

 路面が良くなると多少はブレも減る。
 そして大型スクリーンはやはり効く。1.5IS(IppanSeigen:意訳)あたりが特に楽で、胸元にはほぼ風を感じない。
 風切り音はスクリーン無しと同様かも、まぁこの辺りまで要求するつもりはないので問題なし。

 そしてずっと感じる妙な違和感は…「あ~やっぱ曲がってるか~」

 取り付け時のセンター出しにはかなり気をつけたつもりなのだけれど、やっぱりちょい曲がって付いているスクリーン。
 まあステーが手作りだから仕方ないといえば仕方ないんだけどねぇ。


 50kmほど走って一旦休憩。

 バイクを前にう~むと考える。
 「こんなに曲がってるはずはないんだけどなぁ…」と思いステーを調整する。
 一旦緩めて弄って締めなおして。うん、多少は改善されたかも。

 ブレについては、そうだと思いついてメーターパネルと押さえのスポンジの間にメモ用紙を折りたたんで突っ込んでみる。
 これで3点止めになるんじゃないだろうか。


持つべきものはメモ用紙

 テスト続行。

 先のメモ用紙は驚くほど効いた。ブレは多少残りはするものの充分に許容範囲でステーへの影響も少なさそう。
 いやー、やっぱこういう小技は大事なんだねぇ。あとでスポンジを倍増して同じ効果をだしてやるとしよう。

 ステー調整によりズレの違和感も少なくなった。うきうきとペースを上げてみる。

 速度的にはとりあえず3.0ISまでは問題なし。
 スクリーン下に風を巻き込んでのめくりあがりを一番心配していたのだけれどどうやら 大丈夫そう。
 一応ステーにもめくりあがり防止用に爪を作っておいたのだけれどね。


いざというときにはこの爪が引っかかってくれる…よね?

 あれこれ試しながら、参考までにポジションの確認。いや、需要があるかどうかはさておくとして。


モデルの身長は170cm(公称)です


伏せるとこんな感じかと

 なんやかんやと走り回ること180km。 とりあえずの点数を付けるとすれば…60点くらいだ ろうか。

 機能的には合格ライン。防風・防寒効果はほぼ思ったとおり。

 ブレとズレは修正により許容範囲に収まりそうとして、やはりもう2点くらい固定ポイントを作らないと恒久化は難しいかも。
 前回スクリーンの下部ステーが放置中なのでこれをなんとかしてやりたいところ。(入れ替え・交換は面倒なのでパス)
 あとはやっぱり細かい傷(元もとの傷に加えて加工中に着いた傷も)修復してやりた い。

 ま、冬場はヒマなので、今後ガレージの中でうひうひ言いながらいろいろ試してやるとしよう。


なんだかんだで夕暮れまで走ってしまったぜぃ

<2013年12月> 修正・テスト

直したらテストへ

…というわけでうひうひ言いながら直してみる。

 件のスポンジは予定通り倍増する。
 ステーの取り付けをもう一度見直したら、スクリーンに既存の穴と下部ステー(前回は放置)が近づいたので固定できるように小細工(穴を広げるとかグロメット二重セットとか)してみる。
 出来る範囲でスクリーンの傷取りと穴のバリ取り。うん、まぁこんなものか。

 位置関係が微妙になったので取り付けは慎重に行う。
 これで「ちゃっちゃと交換!」というわけにはいかなくなったけれど、ま、作業するのは年に一回(多分)だから気にしない気にしない。

 眺めて満足したら、さて、もう一回テストに出てみますか。

 走りながら軽くチェック。

 スポンジ倍増&プラス2箇所の固定は劇的に効いた
 住宅街の荒れ路面でもまったく問題なし。さすがに先端部はプルプルするけれど、なんというか「硬質な振動」で不安感はない。

 ステーの修正も良い方向へ。
 スクリーンは相変わらずどんぴしゃり真ん中ではないけれど、それでも違和感を感じるほどではなくなった。

 
多少強引ですが追加できました


位置関係は…見た目同じですね

 さてと今回は高速域を重点チェック。

 前回の瞬間3.0ISに加え、1.8KS(KousokuSeigen:意訳)巡航&瞬間2.0+αKSを試してみる。
 機能的には問題なし。ブレが出ることも直進安定性に影響が出ることもなかった。そして…ものすごく楽

 以前書いたとおりVMAXは1.5KSあたりで流す事が多いのだけれど、この時上半身にかかる力(というか上半身を支える為に必要な力)が大幅に減った気がする。
 「力を抜いて走れるってのはホント楽なんだよねぇ…」(しみじみ)

 もちろん感じる寒さも確実に減っている。
 先の上半身はもちろん、影響が大きかったのは首周り。冬場は気を使う首回りだが今回はそこそこラフなスタイルでもすんなり走れてしまった。
 下半身は結構冷え冷えだったのでこれはプラシーボではなさそうだ。

 で、もちろん良い事ばかりではないわけで。

 先に「風切り音はスクリーン無しと同様かも」と書いたが訂正。上の領域ではノーマルより煩い(もしくは雑音が多くなる)かもしれない。
 理由はやはり空力がいいかげんだからだろう。
 メーカーが風洞で入念に作りこんだスタイルに素人が適当に作ったスクリーンが対向できるわけはないのでこれは仕方無しだ。

 そして一番の感じたのは、「なんか…前輪の接地感が薄い気が…」

 直進安定性自体には問題ないのだけれど、車線変更の際に妙に軽く感じてしまう。
 VMAXのあのべったりと路面に張り付く絶大な安定感がちょい希薄。いいかげんとはいえフロントにスクリーンを付けたのだからダウンフォースは増えるような気がするのだけれどどうなのだろう?
 この辺りは乗り手の気分の影響も大きいので今後観察していくとしよう。
※今日は融雪剤(?)を気にして走っていたしね。

 というわけで、いろいろあったけどウインターバージョンのスクリーンとしてはこれでOKとしておこう。
 さぁ、春まではこのスタイルで走るぞぉ…


最終形の自己評価としては70点くらいかな?




 

 

 

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