■YAMAHA VMAX 1700 (VMX17) メンテナンス編

 

続・滑るグリップ(ヒーター)対応記

続・滑るグリップ(ヒーター)対応記
段差付けました

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garage Ak!rA

 

<2023年11月> 改1

お試し的な意味も込めて

 ここ数年の例に違わず莫迦のような気温の夏が過ぎたと思ったら、あっという間に寒くなってしまった。まったく、日本の四季はどうなってしまったのやら。

 ともあれ、冬グローブの出陣も近い。なら懸案だったVMAXのグリップを再加工してやろう。

 経年劣化か、元々の素性か。冬グローブだと猛烈に滑るようになってしまったホンダ・グリップヒーターのグリップ部分。

 前回のカバー装着により、多少は改善されたとは言うものの、まだまだ満足には至らないのだ。

※前回までの状況はこちら↓
・滑るグリップ(ヒーター)対応記

材料

 実際に走り、「あるといいなぁ」と思ったのがスロットルグリップ上での「指の引っ掛かり」 グリップ自体の素材を変えることができない以上、なんらかの突起があればと思ったのだ。

 どうすればいいかうんうん考えた結果、2Φ(2mm)のアルミハリガネを買ってきた。
 これをグリップカバーの内側に入れて引っ掛かりにできないだろうか。

 材質をアルミにしたのは、加工のしやすさと(グリップヒーターの)熱伝導を考慮してのことだ。

アルミハリガネ2mm
みんな大好きダイソー製

 張り替えるカバーは前回と同じもの……のはず。

 バイク用として売られてはいなかったが、素材といい柄といい「どう見ても同じ品だな」と思ったので買ってみた。

 太さは同じ40mm(収縮前)、そして長さはなんと1m*2本。
 「はっはっはっ、これなら丸々10回やり直せるぜ!」(せやな)

グリップシート
片側だけなら20回!

作業

 作業開始。
 前回スロットルに張ったカバーを剥がしてグリップを観察する。

 ごく薄く掘られている溝が4本。これに合わせてハリガネを張ってやろう。

 アルミのハリガネをグリップの幅に合わせて切り、平板の上でゴロゴロ転がして直線状にする。

真っ直ぐにしたハリガネ
曲がってるとグリップから浮いちゃうでしょうから

 当初、グリップ上へは接着剤で仮止めしようと考えていたのだけれど、グリップが汚れる&下側への接着が難しいので却下。

 これまたうんうん考えて、輪ゴムでの仮止めに落ち着いた。

 外側で輪ゴムで仮固定しておいて、カバーを内側から収縮させて、ハリガネが固定されたら外せばいいだろう。

仮止めは輪ゴムで
黒いのは輪ゴム取り外し時用

 カバーの取り付けは前回同様。ヒートガンで炙って収縮させていく。

 先のとおり内側から作業。半分収縮させたところで輪ゴムを撤去。

半分時
内側が留まったので輪ゴムを外しました、の図

 あとは炙り続ければOK。無事装着完了っと。

グリップ感

 それではとあらためて観察する。

 見た目は……「うん、四角だな!」

装着完了
カクカクしてますな

 ハリガネを4か所に張ったせいか四角形なイメージになった。
 若干太くも見える。まぁハリガネが入ったのだから当然なのだけれど。

 握ってみると、目的だったひっかかりはOK、十分に感じられる。
 これなら厚い冬グローブでも効果が出るに違いない。

 半面、気になったのはこんな辺り↓
・四角っぽくなった結果、スロットルワーク(特にリリース時)への影響はどうか
・同じく、太くなった(ように思える)部分はどうか
・ハリガネとの隙間がある分収縮が甘い気がする。ガシガシ使うと中のハリガネが動いたりしないか

 ともあれ、この辺りは実際に使ってどうか、試すしかないだろう。

 「ま、気に入らなかったらやり直せばいいさ!カバーは河ほど(←長いので)あるし、ハリガネも1mmと3mmが買ってあるし!」(せやな)

<続く>

<2023年11月> 改2

走らなきゃ判りません

<続き>

テスト走行

 某日、それではと走りに出る。

 まず気づいたのが、「取り回しの際、指が痛い」

 押し歩きの時、グリップに添えた親指に中の針金が当たるのだ。
 何しろ300kgを遥かに超えるVMAX。こういう小さなところの影響も結構大きい(というか気になってしまう)のだよ。

 ふうむと跨ってアイドリング。
 グリップはやはり太目の印象。厚めのグローブなのでこれが助長される。

 今日使うグローブは、完全冬用ではなく先日購入した「スリーシーズン用の厚」だ。
※まだ冬用を使う気温ではないので

 表面の素材は冬用とほぼ同様(のはず)
 購入時「これ、VMAXのあのグリップだと滑るかな?」と思った程なので充分テストになるだろう。

 どれどれと走り出す。

 グリップに引っ掛かりができたので操作は楽……ではあるけれど思った程ではない。

 確かに滑りは減ったのだけれど、四角くて握り具合がピンとこない。この辺りは慣れかもしれないのだが。

 街中での加減速。スロットルの持ち換えに意識が必要になった気がするのはこれまた太くなったからかな?そしてロースロにもなったような?

 俺は3本レバー握りなのでスロットルは親指メインで操作する。
#これも理由やら謂われやらいろいろあるのだけれど略
 なので押し歩き時同様、ハリガネの当たる親指に違和感を覚えたのだ。

 ともあれ、加減速の無い速度キープは確かに楽になった。手のひらの小指側でスロットルを固定できるからだ。
 もともと一番対処したかったのが高速道路での巡行なのでこれは嬉しいところ。

 心配だったスロットルの戻り(戻し時の操作)も問題なし。

 「太さは我慢するとしても、一番気になるのはやっぱ針金が親指が当たることだな、後でスロットル自体回転させてみるか……」

 さてどうするか?と走る帰り道。エンジンの違和感に気づく。

 ちょい上の領域で巡行している最中、知らぬ間に回転・スピードが落ちてしまうのだ。

 スロットルは一定なのにふっと減速して慌てさせられる。
 あれれ?と開けなおせばいつもどおりに加速する。
 VMAXではこれまで出たことのない現象で非常に気持ちが悪い。

 「雰囲気的にECUとか、その辺りのトラブルかなぁ……まぁ総走行距離8万km越えてるからなにがでてもおかしくないんだけどさ」

 あまりに気持ち悪いので途中休憩。
 トイレを済ませ、さて改めてとスロットルを握って気が付いた。
 「あっはっは、カバーが回ってるわ」

カバー空回り
これは帰宅後の画像。するっと回っちゃいました

 スロットルグリップの外側でくるくると回ってしまうカバー。
 取り付け時の印象通り、張り付けが甘いのに加え中のハリガネがコロになってしまっているようだ。

 先の現象もこれが原因に違いない。
 スロットルキープで握力が緩んだ瞬間、リターンスプリングの強さで(カバーはそのままに)中のグリップだけ戻ってしまっていたのだ。

 「ダメだこりゃ!作り替えなきゃ!」
#というかよくこの状況でよく50kmも走ってたな俺

 慎重に走って自宅着。さて、んじゃどう作り直そうか。

 再改造

 さて、まずはとにもかくにも強く貼り付けさせること。それには広い面積でカバーを接着させる必要がある。

 そして、小指側でスロットルを支えられる(引っ掛けられる)のはとても便利だった。この機能は捨てたくない。

 うんうん考えて、ハリガネを半分に切った。これを外側(小指側)にセットしてはどうだろう?

ハリガネカット
一旦バラしてカット

 内側半分はハリガネ無しでがっちり貼り付け。
 これは当たって痛かった親指への対処にもなる(はず)
 そして巡行時のスロットルは外側・小指側なので変わらず固定できるはずだ。

再貼り付け
貼り付けは前回同様に
(あちこち汚れているのはアルミハリガネが暴れた跡)

 作り直してセットして。
 「あー、カバーの予備が多くて(長くて)助かるわ~」(せやろ)

再セット
中の針金の位置・長さが変わったの判りますかね?

 再度テスト走行に出る。

 「うん、これだわ!」

 先ほどのデメリットはすっぱりと消えた。

 取り回し時の親指も大丈夫、巡行問題なし。
 スロットル操作も(多少滑るけど)違和感なし。

 素材が変わらない以上、滑らなくなったわけではないけれど、右手に入る余計な力は対処前より大分減った気がする。

 いろいろ試しながら50km走って、カバーのズレも無し、と。

 「よーし、んじゃしばらくはこれでいくか!あとは耐久性だな!」

<続く……かどうかは神のみぞ知る>


  

 

 

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