■シリコンかシリコーンか
最近あちこちで耳にするシリコーンオイルを使ってみようと思う。
シリコンオイルと言ってもエンジン・潤滑用ではなく、表面保護用のものだ。
<いきなり余談>
「シリコン」と「シリコーン」では違うモノというか意味が違っていて、前者は元素(Si:ケイ素)そのもの、後者はそれを使った化合物・加工品を言うのだとか。
だから製品としてはシリコーンが正しい様子。
でもまぁ、ここではこれまでの例に従いシリコンでいきます。
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いつぞや書いた通り、俺はバイクの洗車の仕上げとしてシリコンスプレーを愛用している。
これが大変に便利。
特に洗車後白く曇りがちなエンジン表面が、黒くテカテカになってくれるのがありがたい。
エンジン部分が綺麗だと車体全体が引き締まるものなのだ。
※あとタイヤね。
これで充分満足しているのだけれど、聞けば最近、車のワックス代わりにシリコンを使う人がいるのだとか。
未塗装のプラスチック部分はもちろん、ボンネットような金属塗装面にも。
そして驚いたことに、車のフロントガラスに使う人もいるようなのだ。
「ホンマかいな?夜ギラギラにならんのかいな?」(口調変)
未塗装プラスチック(黒バンパー的な)用のシリコンコート材は昔から無いでもなかったけれど(アーマオールとかクレポリメイトとか)いかんせん単価が高かった。
バンパーのような面積の大きな部分に定期的に使うにはちょい憚られる価格だったのだ。
そこへ、最近聞くようになってきたのが「工業用シリコーン」
カー用品ではない、一般工業用(?)の素材というか製品というか。
専用品ではないおかげで、量的にも価格的にも(これまでに比べれば)ずいぶんお手軽に。
かつては入手手段が無かったけれど、通販が充実してこの手のモノに素人が手を出しやすくなったのはありがたい話だ。
「そうか、簡単に手に入るのか。では長年シリコンを愛用してきた俺様が一つ試してやるとしよう!」(偉そう)
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購入
今回購入したのがこちら、信越シリコーンのKF-96-50cs(1L)
右側は愛用のシリコンスプレー
KF-96というのが製品名で、後ろの50csというのは粘度を表すとのこと。
数字が小さいほどサラサラらしい。薄く塗れる方が良かろうと柔らかいものをチョイスしてみた。
※そしてもちろんサラサラの方が安い
ざっと調べたけれど、塗り方に特に注意点はなさそうだった。
塗ってふき取るだけ。厚すぎたら二度拭きすればよし。
注意点としては、「汚れ落とし機能はない」(はず)
なのであらかじめ洗浄する必要がある。この辺りは蟲汚れも綺麗に取れるプレクサスの方が便利だろう。
そういえばこれまでにも、うっかりシリコンスプレーを吹いてしまい、下の汚れが落ちなくなることがあった。気を付けるとしよう。
例:セローのサイドカバー。そしてベースがプラスチックだとその後落とすのにパーツクリーナーを使うのには気が引けるという……
別途「シリコンは洗剤で洗うとすぐ落ちる」の情報もあったのだけれどどうだろう?
先のとおり、これまでは落ちなくて困る事も多かった。これも今後の検証としておこう。
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使用
どれどれと使ってみる。
蓋を開けると、なるほど中身はサラサラだった。
灯油程ではないがそれに近い感じ、もっとべっとりしていると思っていたのだけれど。
カバーが樹脂で開けやすくて〇、そして内側にもう一つキャップがあります
それではとVMAXのエンジン部に塗ってみる。
ウエスに移してから使ったのだけれど、粘度が低いのでよく伸びる。
それでもこれまでのシリコンスプレーよりは厚く塗れることになる(はず)
見た目のツヤは問題なし、これまでと同じテカテカになった。
まぁ意地悪な言い方をすれば、シリコンスプレー以上ということもなさそう。
チタン素材のサイドカバーに塗っても同じ印象だった。
ケースカバーの左半分:今までのスプレー、右半分:シリコーンオイル、見た目違いなし
ベタつきも無し
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感想としては
……というわけで、使ってみた印象としては「クランクケースカバーやラジエターホースみたいな広い面に塗るにはいいかもなー」だ。
エンジンのような込み入った場所にはこれまでのスプレーの方が使い勝手が良い。
そして、缶からウエスに染み込ませて……だと手間もかかるし無駄が出る。
これだけサラサラなのだから、市販のスプレーボトルに入れて使う、もしくはオイル差し的なものが便利かも。それなら先の込み入った場所にも使えるわけだし。
また広い場所であれば、固形ワックスの時のようにスポンジを使うと良いかもしれない。
耐久性は今後検証ということで。
いずれにせよ「これ1本あれば大丈夫!」ではなく、他との併用が無難そうだ。
まぁ塗装面にはまだちょい怖いので、当面は今まで通りプレクサスを使うつもりなのだけれど。
そして後に思いついたのだけれど、スプレーだと飛び散りが心配になるホイールへの塗りこみは、こちらのオイルの方が便利に違いない。
#くそぉ、ベアリング交換でホイール外した時に思いついていれば……
適材適所ということで
ま、綺麗になればそれで良しなんですが
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さて、この製品は1缶1Lで1800円。
ホームセンターのシリコン缶スプレー、198円9本分の価値はあるや否や?
#使う俺次第……か……
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■こっちが正解かも
……というわけでその後もVMAXで時々使っている(タンクカバーとかの面積広いところへ)のだけれど、実は四輪でも使い始めた。
そしたらまぁ、これが便利で便利で。
初回だけ下準備の汚れ落としを気にしたけれど、あとは洗車機の水洗いのみ。
濡れていても大丈夫なので水洗い直後から作業可能。
シリコンはボトルへ移し替えてウエス(というかメンテナンスペーパー)で塗るのだけれど、先のとおりさらさらなので車一台をあっという間に塗り終えられる。
ふき取りにも力は不要、新しいペーパーで拭うのみ。
塗った後は、元の車体が車体(←年代物)なのでWEBのインプレで見かける「艶が!輝きが!」は感じられないけれど、それでも塗装のツヤツヤ感はでるし、何より樹脂部が真っ黒になってとても気持ちが良い。
調子に乗って、心配していたフロントガラスにも塗ってみたけれどこれまた快適。
水弾きGOOD、白ボケなし、夜間視界良好。
今まで使っていた撥水材がシリコン系だったのも良い方向に働いたのかもしれない。
「うーむ、こりゃもうワックスとかコーティング剤とかいらないな。これ1本で車体まるまるカバーできるわ」
注意点としては、ツルツルシリコンコーティングされるのでステッカーが貼れなくなる(はず)
どうしてもという時には入念に脱脂(って言うのかな?)する必要があるだろう。
あと、「初回は多めに塗って塗膜に染み込ませる(比喩)と良い」をいう情報を見つけたのでやってみたら、翌朝大量の蟲がへばりついていた。
これは虫が寄ってきたというより、とまった虫が離れられなくなってしまったのだろう。
2回目以降はちゃんとふき取りしているので問題なしだった。
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……というわけで、どうやら今後は9割がた四輪用として使いそうだ。そして……
「うん、これなら1800円は充分に取り戻せるぞ!」(貧乏性)
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