■YAMAHA SEROW 225WE (4JG6) セロー メンテナンス編

 

ブレーキキャリパオーバーホール・フロント記


ブレーキキャリパオーバーホール・フロント記
実際にやってみないとわからないことって多いですねぇ
 

 

 

garage Ak!rA

 

<2016年6月>

そういえばこれまで全バラってやっていなかったような?

 総走行距離5万6千キロ。
 この辺りでブレーキキャリパを全バラしてやるべきなんじゃぁなかろうか。

 セロー購入後、清掃だけで済ませてきたブレーキキャリパ。
 そこそこメンテしているつもりなのだけれど、距離&年月的にシールの類はかなりくたびれているはずだ。
 先日の林道ツーリングでもリリース後の引きずりが気になったような気がしないでもないし(?)一度オーバーホール(OH)して洗浄・交換してやるとしよう。

 というわけでまずはフロントブレーキ。(リアは別コンテンツに:理由は後述)

 新規購入したシール類は、もちろん純正のシールセット。
 うちの225WE、4JG6セローのフロントブレーキは異形2ピストン、なのでオイルシールとダストシールの大小セット、トータル4個となる。


厚みのある方がオイルシール

 さてここで問題です。どうしてシールセットがもう1箱あるのでしょうか?


同じものがもう一つ

 「だってさー、ヤマハの部品検索したら俺の後期型と前期型(1ピストン)のパーツナンバーが同じでさー、なら『2ピストンだから2セット必要だよな!』って思っても仕方ないじゃんかさー」
※異形ピストンだっての忘れてるし、必要個数1っての無視してるし。(前期型は4個のうち2個のシールしか使わないのかな?)


 「あー、900円無駄にした…」とぶつぶつ言いながら作業開始

 まずはバンジョーボルトを外し、フルードを抜いてしまう。
 この時どばっと流れるフルードがどこかに付いたら大変(侵される)なので、傍に洗浄用の水を置いておくと安心できる。

 その後キャリパを外し、2つに分解する。(←片押し式)


分解完了


ピストンはこんな状態

 さて、本当はフルードを抜く前に、ブレーキレバー握ってピストンをできるだけ押し出しておく(外しやすくする)べきなのだ。
 だが今はパッドがいい感じに減っていてピストンはそこそこ出ているし、何より……「じゃーん、ブレーキピストンプーラー!」

 この日のために買った秘密兵器。
 ピストンの内側に引っ掛け引き抜くという専用工具だ。
 「見た目に比べ高かったけど、これさえあれば余計な心配はしなくて済むんだもんね!」(甘い)


ぴすとんぷーらー!


こうやって内側から固定


 それではとプーラーをかけてピストンを抜く…抜く…「抜けんぞ!」

 抜くどころではない、なんと回すことすらできないではないか。

 プーラーのハンドルを力いっぱい握っても、動かすとピストンの内側をがりがりとコスるだけ。
 余程ピストンが固着しているのか、それともプーラーの性能がいま一つなのか……
 「……どっちにしたって抜けなきゃ同ンなじだってーの!」

 ここから悪夢のような作業が開始される。

 握力だけでは滑ってしまうプーラー。これは手でなく、足で踏みつけてやるとなんとか固定できることが判った。
 だがこの状態でピストンを回しても、回るだけで出てくる(抜ける)様子はなし、その位置でただ回るだけ。

 やっぱり手でやらなきゃダメかと、右手に軍手を2枚重ねして更に滑り止めのゴム板を挟む。
 これで上から思い切り体重をかけて固定してなんとかピストンが回るように。だが出てこないのは先と一緒。

 苦闘すること2時間。
 驚く無かれ、これだけの努力で出てきたピストンの量はきっちり1mmのみ。しかもまだピストンは1個目なのだ。

※この間罵詈雑言を吐きながら頭を掻きむしっていたので途中の画像なんてあるはずなし。

 「ヤメだヤメだーっ!無駄だろうがもったいなかろうがフルード入れ直して押し出すぞーっ!」

 キャリパにホース繋いで注射器で新しいフルード入れてエア抜きして。
 ブレーキレバーをニギニギするとピクピク動きながら出てくる2つのピストン。
 いや、液圧って凄いんだねぇ……(しみじみ)


 「急がば回れ・急がば回れ…」と呟きながらニギニギ継続。

 なるべく並行に出るよう気をつけていたのだけれど、小さいピストンの方が先に抜けかけになった。
 大きいほうもここまで出れば大丈夫だろうホースを外しフルードを抜く。(甘い)

 プーラーで引っ張ると、小さいピストンはころりと抜けた。

 それではと大きいほうにプーラーをかけて……「抜けんぞ!」(再)
 そりゃそうだ、考えてみればさっきと状況は一緒なわけだから。


「ふへぇ・・・」


だがもう一つ・・・

 片方のピストンが外れているので液圧をかけることできない。これはなんとか手で抜くしかない。


 悪夢再開。

 それでも多少コツらしきものつかんだのと、ピストンが大きい=プーラーのハンドルが握りやすいので先ほどよりは効率が上がったよう。加えてピストンが大きく出ているので、抜く方向へも力が加えやすかった。

 苦闘10分ほどでぽろりと2つ目のピストンが抜けてくれた。
 「良かった、途中で癇癪起こしてペンチで掴んで引っこ抜かなくて本当に良かった……
※デリケートなブレーキピストンは傷が付くと再利用不可、そして買うとなると高いんだよね…


ホントに良かった…


 今後の為に教訓として書いておくとすればこんな感じ。

・とにかくフルードを抜く前にできるだけピストンを出しておけ!それも徹底的に並行にだっ!
・どちらかと言うなら小さいピストンから抜け!(大きい方がプーラーを掛けやすい。力学的には逆な気がするけど)
・いずれにしてもピストンプーラーは必須!

 痛む手のひら(←握りすぎ)をいたわりながら、外したパーツを洗浄する。

 ピストンは洗剤と歯ブラシで洗いながら状態を確認。大きな傷は無く一安心。
 その後金属磨きのピカールでピカピカにしてやる。磨く時は円周方向に、っというのはフロントフォークインナーと同様。(←オイル漏れ防止)


この後もう少し磨きこんでみたりとか

 キャリパから古いシールを取り外す。
 シールは劣化…してるのかな?見た目では判断できないけれどとりあえずお疲れ様。


あ、でもこうして見るとやっぱりくたびれてるかも。

 キャリパの内側は比較的綺麗だなと思ったのだけれど、ダストシールの溝をつついたら大量のゴミが現れた。

 ブレーキクリーナを吹きながらちまちまと溝掃除。
 プーラーを買う時、目に付いて一緒に買ってきたオーリングピッカー(兼溝掃除)がここで大活躍。
 「爪楊枝で充分だけどな」と思っていたけれどこれは嬉しい誤算だった。


掃除前はこんな感じ


ガシュガシュ、コリコリと


この手のツールはきっと他のメンテでも使えるでしょう

 納得できるところまで掃除したら組み立てる。

 そういえば、純正のシールキットには赤い「Rubber Grease」が付いてきた。(ページ上部、新シールの画像参照)
 ラバーグリスだからこれを使えという事なんだろうけれど、一緒に入っていた各国用の説明書きに日本語が無かったのはいったいどういうわけなのだろう?


こんなにあるのに表にも裏にも日本語なし

 新しいシールにラバーグリスを塗ってセットする。
 曲がったり引っかかったりしていないかを入念にチェック。

 ピストンには軽くシリコングリスを塗ってセット。
 スポンというかキュッっと入って一安心。


画像ではアレですが、実際は結構満足できる仕上がりに

 あとはいつもどおり車体にとりつけて、ホース繋いでフルード入れて。
 「まぁ今日2回目の作業だがな!」

 エア抜き後、ブレーキレバーを握った位置でバンド固定。これで更にエアが抜けるはず。

 以上、作業完了!(ふへぇ…)


……というわけで、軽くやっつけるはずだったのに半日仕事になってしまったフロントブレーキキャリパのオーバーホール。

 なのでリアはまた後日ということで。




 

 

 

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