■YAMAHA SEROW 225WE (4JG6) セロー メンテナンス編

 

腰上大修理記

<2 検討編>

シリンダー
外しはしたものの……

 

 

garage Ak!rA

 

<2013年9月>

修理方法を決めましょう

 さて、とバラしたパーツを前に考えこむ。これをどうやっつけようか。

修理方法を決めましょう
現状はこんな感じ

 本来であれば、これを機にエンジン全体をフルオーバーホール、というのが妥当 な線だ。
 何しろ走行距離は既に5万キロ、今回壊れたところ以外が何時どうなってもおかしくな い時期なのだ。

 だが費用を考えると…「このセローの購入代金越えちゃいそうだよなぁ…」

 全部自分でできるなら安く上がるのだろうけれど、エンジン下ろして2つに割ってクランクベアリング抜いてコンロッドのメタル交換してミッションギ アを交換するのにプレスに出して…と考えるとどうにも自分1人でできる気がしてこない。
 専門業者に頼むことになると思うのだけれど、となれば費用に加え相応の準備も必要になるはずだ。

 「北海道からの引き上げ費用もあったことだし…」というわけで、腰下を含めたフルオーバーホールはパスとする。

 まぁ今回腰上だけをしっかり直しておけば、次回(?)は腰下のみで済む。こっちはお金が溜まってから改めてやっつけるとしよう!

余談:
 もちろんオーバーホールではなく、中古エンジンに載せ換えという手段も無いではないのだけれど、これはこれで問題がある。
 一番には信用できるエンジンか?ということ。
 よく聞く「実働」という言葉は単に「動く」という意味でしかなく、「調子良く動く」かどうかは運次第。買ったは良いが開けてみたら…というのは他のバイ クでも良く聞く話だ。
 そして「中古エンジンはオーバーホールして使うのが前提」であれば、今のエンジンを直す方が良い。
 加えてエンジンのタマ数が無い。
 「セローのエンジン」だけであればともかく、うちの4JG、それも4JG6用はヤフオクでも見かけることはまれ、そして出ていてもとんでもない価格が付 いていたりする。
 もちろん他仕様用でも流用は効くのだけれど、そこまでして載せ換えすることもないのでは?と思うのだ。

※とはいえ、程度の良い中古4JG(5~6)エンジンの情報がありましたらよろしくおねがいいたします(笑)


 というわけで修理方法を個別に検討する。まずはヘッド(バルブ・カム等)周り。

 IN・OUTのバルブは交換が必要なはずだ。
 そしてこれを外す・付けるには、特殊工具であるバルブスプリングコンプレッサーが必要(←素人作業 には)となる。

 バルブの摺りあわせもしなければならないし、バルブガイドの調整(もしくは交換)も必要。だとすれば…「やっぱ業者さんにお願いしようっと」

 壊れたヘッド丸々を専門の方に修理依頼することに。
 そしてお願いするのであればと追加オーダーしたのが以降のメニュー

・ロッカアームの軽量化(いわゆるヒゲの除去、フリクションロスの軽減に効果があるとかないとか)
・カム軸のベアリング化(250ccセローはベアリング化されている。これまたフリクションロスの軽減に略)
・排気ポート、吸気ポート拡大・段付き修正

 加えて、壊れてはいないのだけれどインテークマニホールドの交換も依頼する。 これは取り付けボルトが細いプラスネジなので俺がやると確実にナメてしまうであろうからだ。


 お次はシリンダー(&ピストン)

 ピストンは交換すると決めていたので迷いなし。問題はシリンダーだ。

 内面の傷も気になるのだけれど、それ以上に痩せ(減り)がないか心配になったりする。
 ダイヤルゲージでも買って測れば安心できるのだろうけれど値段が(略)

 うんうん悩んだ挙句に出した結論は、「ええい!ボアアップしてやるぅ~!」

 セローに絶対パワーは不要だけれど、高速道路でもう少しだけ余裕が出ると大変に助かるのは間違いない。
 そしてエンジンパワー(トルク)を上げようとする場合、一番リスクが少ないのがボアアップなのだ。

 給排気やキャブのセッティングでパワーを出そうとすると、トルクの立ち上がりがシビアになったり季節(外気温)に敏感なエンジンになってしまったりす る。
 セローのような鈍感なエンジン(褒め言葉)にはボアアップでのモアパワーが一番合っている気がする。
 もちろん各部の寿命は短くなってしまうのだろうけれど。

余談:
 ボアアップはもちろんシリンダーを専門業者(ボーリング屋さん)に削ってもらうのだけれど、その際は入れるピストンも添付してクリアランスを調整しても らうのが一般的なのだそうだ。
 簡単に「ボアアップ」とか言ってしまうが、実はそれだけシビアな設定(であらねばならない)なのだろう。
 今回はピストンの手配も一緒の業者さんにお願いしたので問題なしだ。

 セローのボアアップとしてメジャーなのはBEETのキットを使った243cc化らしいのだけれど、今回俺がお願いしたのは流用ピストンを使った236cc化。
 先のとおり、パワーアップというより「新品のピストン+綺麗なシリンダーのセット」の方が重要なのでこれで充分だ。


 依頼手配・送付も終了して一安心。
※にしてもヘッドとかシリンダーとかを普通にプチプチマットで梱包してダンボールに詰めて送れちゃう んだからこのクラスの空冷単気筒って凄いよなー

 よーし、んじゃ(これは自分でやる)メインのカムチェーン周りにとりかかるぞー

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