■YAMAHA SEROW 225WE (4JG6) セロー メンテナンス編

 

腰上大修理記

<4 組立前編>

ピストン
新品は良いものです

 

 

garage Ak!rA

 

<2013年10月> 

組立ましょう

 頼んでおいた純正パーツとお願いしていた修理部品が無事届いて作業開始。

 業者さんにお願いしていたシリンダヘッドシリンダボーリング&ボアアップ用ピストン

 ヘッドはさすがに綺麗に仕上がっていた。
 予算の関係であちこちに中古パーツを使ってもらったのだけれど、バルブもカムベアリングもピカピカだ。
 ポートも綺麗に削られ、もちろんヒゲも除去されている。

シリンダボーリング&ボアアップ用ピストン
おかえりなさい


燃焼室もバルブもピカピカに


ここに付いていたヒゲをカット


ここにベアリングを挿入してもらいました

 ボアアップしたシリンダーとピストンは、「あ~綺麗だこと…」


約2mmのボアアップ…かな?


新品ピストンもピカピカです

 シリンダー内側にあったピストンリングの跡はもちろん消えてうっすら綺麗なクロスハッチ。
 惚れ惚れと眺めたら、さーて、やっつけるとしましょうか。


 いそいそと通販で手配した新品純正パーツを取り出してくる。
 「おお、5MP用のカムチェーンガイドって4JG用より細いんだ…」


こんなに幅が違うんですねぇ

 うちのセローはもちろん4JG。
 そう、トラブルの直接の原因だったカムチェーン周り。今回これを5MP用にコンバートするべく一式そちらを注文しておいたのだ。(*1)

 さて、肝心のカムチェーンは…「あれ?箱に入ってないぞ?」
 慌てて確認する注文表、げっ、チェーンが抜けてるじゃん!

 完全なる発注漏れ。うわー、カムチェーンが無いんじゃ「とりあえず」の作業すらできないよぉ…(←悪いのは自分)
 急いで再発注するとして…これだけだと(金額低いので)送料かかっちゃうんだよな、んじゃZOIL(オイル添加剤)でも一緒に頼むか…


 1週間後の週末、頼んだ純正パーツは既に届いているので作業再開(←今仕事が忙しくて平日夜は作業できないんですよ…)

 届いた5MP用チェーンは確かに形状が変わっている。見るからに強そうでフリクションも小さそうだ。


左4JG、右5MP、違いますよね「見るからに」

 一旦オイルに浸してからどれどれとスプロケットに…「あれ?」

 スプロケットの山にかからない。
 「コマのピッチも数も同じなのに?」とひねくり回すがまったく駄目。よくよく見ると噛みあう場所の厚みとか深さとかがまったく違う。これでは4JGのスプロケに合うはずが無い。「うわ~、互換性無かったのかよっ!」

 なんとかならんかなぁ?と相手側のカムスプロケをしげしげ見ると、「え?く、クラック?」

 僅かではあるが割れを発見。「うが~こっちも買い替えかよ!」


僅かに、じゃないかも


 ううむと悩む。カムチェーン周りが5MPと4JGで互換性が無いのは仕方ないとして、カムスプロケまで買い換えるのであれば、あとはクランクシャフト側のギアさえ換えれば一式全部5MP仕様にできるような気が…

…と、考えもしたのだけれど、最終的には元通り4JG仕様とすることにした。
 下手に弄ると他で引っかかる部分が出る可能性もあるし、まぁ急がば回れってことで。

 4JG6用カムチェーン、ガイド、テンショナを再発注。そしてそれにカムスプロケットを追加する。
 うぐぅ、この残ってしまった5MP用パーツどうしよう・・・(泣)

(*1)<余談>
 というわけで、カムチェーン周りは5MPと4JGで互換性はありませんのでご注意を。
 それにしても一体何を勘違いしてたのかなぁ?俺。
 「5MP用チェーンは強化されている」って情報と、「5MP用チェーンカバーが付く」(後述)って情報を混同していたのかも。いずれにせよ「下調べは念入りに」って事ですな。


 更に1週間後、頼んでおいた(略)今仕事が(略)

 4JGカムチェーンとスプロケットの噛みあいはもちろん問題なし。さあ、これでやっと組めるぞ。

 まずはチェーンガイドの交換。

 ボルト留めされているのは向かって右側(テンショナーが付く側)のみ。左側はあとで差し込めばいいのでここでは作業不要。

 新品カムチェーンを掛けて、これだけは使えた5MP用のチェーンカバーを取り付ける。
 「セローのカムチェーンは外れてしまうと掛けなおすのが大変!」と騒がれたせいかどうか、5MPからは(緩んでもスプロケから外れにくいよう)カバーが付くようになったのだ。
 そしてこのパーツは外れ防止用なので、先に取り付けてしまうとチェーンがかからないので要注意。
(ええ、もちろんちゃんとやらかさせていただきましたとも)


コレが4JGには付いていなかったカバー
でもケースに取り付けボルト穴が用意されていたってのが不思議

 セル用のスプロケットを入れてウッドラフキーをセット。

 ウッドラフキーはサイズピッタリなので手で押し込むのが難しかったが、軽くハンマーで叩いたら綺麗に収まった。

 位置を合わせてローターをセット。
 「あれ、なんかローターの内側が汚れてるな。磁力がゴミを呼ぶのかな…せっかくだから掃除しておこうっと」
※これで起電力も上がる…程ではないか…


なんか真っ黒だったんですよ

 ボルトを締めこんでやれやれという時に、「で、残ったこのパーツはどうするんだ?」と気づくのもお約束。
 うわー、セルモーター用のギア入れるの忘れてるよー、これ、今から差し込めないかな…(無理です)


ココに入れなきゃいけなかったんですが

 ボルト緩めてもウッドラフキーが刺さってるんでローターは外れないので専用工具使って引っ張り出してギア入れて忘れてる事無いか指差し&整備マニュアル確認してローターセットしてボルト締めて…

 もう一度各ボルトの締め付けを確認。忘れもの無し!(多分、ね)


 次はピストン

 ピストン横と底、裏側にエンジンオイルを塗る。
 ちなみに組立時にあちこちに塗るエンジンオイルには、せっかくなので(パーツと一緒に届いた)ゾイルを多めに混ぜてあったりする。

 片側のピストンクリップを入れて、ピストンをコンロッドに。
 ピストンの向きを間違わないように注意する。ピストンヘッドに付いた矢印はIN→OUTの意味なのでセローの場合は矢印を前に向けてセットするのだ。
※排気が前側からなので。V側エンジンの後ろバンクとか後方排気だと後ろに向けるんでしょうな。

 これまたオイル(&モリブデングリス)を塗ったピストンピンはスコンと収まった。
 もう片側のピストンクリップはちょい面倒だったけれど、細めのドライバーできちんと溝へ押し込んでやる。
 両側のピストンクリップの収まり具合を入念にチェック、問題なし。


矢印確認


クリップ確認

 ここでオイルまみれにしておいたピストンリング群をセット
 方法・順番・注意点はこれまた以前の通り…なのだけれど、何で俺、ピストンをコンロッドにセットする前にやらなかったんだろう?
※ピストン単体の時の方が絶対やり易いです、ハイ。

 ローター周りをもう一度指差し確認。
 クランクケース&カバーの合わせ面は掃除済み。ガスケット付けてカバーをハメてボルトの場所を間違えないよう気をつけて。
 よ~し、これで下回りはOKっと。


やっとココまできました


 ふうと顔を上げて、さて、次はピカピカシリンダーだ。

 ここは圧縮とかオイル漏れとかに直結する部分なのでまずはパーツの確認を入念に……え?なんでOリング足りないの?

 外す時に切れてしまっていたOリング(まぁそれ以前にシリンダー脱着時には新品指定になっているんですが)シリンダー接合部とオイルラインに入れるOリングの発注を忘れていましたとさ。

 「うわ~、また再発注しなきゃ~~っ!しかもOリング2個400円に送料が600円もぉっ!」(←悪いのは自分)

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