■なにしろ5万キ(略
先日のツーリングの際、妙な場所からの微妙な量のオイル 漏れに気づいてしまった俺。
・量はポツポツと数滴のみがエンジン下に。
・街中とことこ走りでは発生せず、長距離・高回転(セロー基準で)後の駐車時にのみ気づく。
・以前あったドライブスプロケからではない。
これ、普通に考えれば怪しいのはクランクケースカバーのガスケットなのだけれど、ここは前回交換時に入念にチェックした場所。漏れることは考えに くい。(というか正直考えたくない)
それではとアンダーガードを外し、エンジン下部をきれいに掃除。そのまま走り回ってみる。
※これが高速&長時間でないといけないので非常に面倒だったりとか。
どれどれと確認すると、「む~、いま一つはっきりしないけれど、エンジン左側前部ちょい上辺りからかな?」
ガスケットからにしては変な場所。
他にこの辺りにあるものとすると…セルモーター?
考えてみれば、セルモーター周りはこれまで一度も見ていない。
整備マニュアルを見ると取り外しは簡単そう。どれどれと外してみる。
・セルモーター本体の取り外しだけならプラスボルト2本でOK、ただし相当固い、そしてラスペネって凄い。
・外す前にはエンジンとフレームに挟まった石を取り除いておくこと。
・それでもセルモーターを抜くと小石とか砂とかがどばっと落ちて慌てさせられる。
・エンジン側に穴があくので異物が入らないよう塞いでおくと何かと安心。
このボルト2本だけです
結構取り除いたつもりだったんですけどね
ザーって落ちたりとか
確認すると、エンジンに差し込まれる部分のOリングが非常に怪しい感じだっ た。
Oリングの根元にまでオイルが
Oリングを一旦外して掃除して、シリコングリスを塗って揉む。
取り付け直して再度テスト。オイル漏れはぴたりと止んだ。
うん、ここだったか。ならOリングは新品に交換しないといけないな。
そしてついでにいい感じにヤレているはずのセルモーター内部も分解整備してみるか。
※現在セルモーターの動作自体は何の問題もなし、元気に回っている。だけどまぁ走行距離5万キロなわけだ し、この手の事は思いついたときにやっておかないと。
★
消耗部品を発注、手元に来たら作業開始。
改めてセルモーターを抜く。
そういえば固定に使われているこの2本のボルト、回された跡が付いていたのだけれ
ど、前オーナー(もしくはショップ)が外したことでもあったんだろうか。
そして前回はそのままだった配線も外す。
ゴムのカバーをめくってプラスネジを外す…のだけれど、このボルトが固着していて大騒ぎ。
ボルト自体が小さいし、モーター本体を外した後なのでトルクが掛けにくいのだ。
(かといって車体に取り付けたままだと角度的にこれまた面倒くさい)
「あ~、それにしてもラスペネって凄ぇ~」
錆というか腐食と言うかく固着というか
外したセルを作業机へ。
本体分解には2本のボルト。こちらは六角ということもありすんなり緩んで一安心。
ここには(汚れていて判りにくいけれど)ワッシャー2種とOリングが入っているので
無くさないように。
外れました
分解はボルト2本
いろいろ付いてるので要注意
これでカバーが3分割できるようになる。
中の軸(本体)は引き抜けば言いのだけれど、中央カバー内部の磁石にカチンとくっついてしまい慌てること間違いなし。
「あ、でも結構シンプルな作りなのね」
※バラせない中身は凄いことになってるんだろうけれど。
簡単に分割できました
★
さて、走行5万キロだけに、中はブラシのカスでさぞかし汚れて…「あれ?綺麗だな」
※ブラシ=セルモーターを回す為に軸(コンミュテータ)と接している電極部分。回るほど削れる消耗品。
ブラシ
内部に汚れはほとんど無かった。コンコン叩いて出てきたカスもごく僅か。もちろん錆びもなし。
あれれと覗くと、消耗品であるブラシ自体も削れているようには見えない。
手配した新品と比べると、「え~ほとんど変わりないんですが」
新品の厚みは10mmで今は9.5mm強
要交換が3.5mm以下だから、ほとんど新品といってもいいくらいだったのだ。
上:現、下:新品
「15年5万キロ走ってるのになんでだろ?やっぱり前のオーナーが交換してたのかな?でも俺
の手元へ来てからも結構な距離走ってるんだけどなぁ?」
ともあれ、減っていないのに交換するのはもったいないのでそのまま使うことにした。
<余談1>
ブラシの片側は普通にネジ留めだったけど、もう片側は何故かハンダ付けだった。(ショート防止?)
これを外すとなると、ハンダ吸い的なものがいるかも。あと手が2本じゃ足りないかも。
がっちりとハンダ付けで
<余談2>
セルモーター内部の給脂ってどうなのだろう?
マニュアルにはOリング以外への給脂指定はなし。ブラシの接触部は逆に脱脂すべきだろうけれど、他のブッシュ的な回転部には付けておいたほうが良い気が
するのだけれど。
コンミュテータだけ軽く掃除してやって確認完了。
組み立ては分解の逆手順で。
注意点はこんな感じ。
・ブラシの内側に入るスプリングを忘れないこと。
・軸はマニュアルどおり「細いマイナスドライバー等を使って」ブラシを押しながら差し込む。
・中央カバーをセットする時「磁石カチン」になるので布等を巻いておくと良い。
・エンジン側カバーの中に入れるワッシャ2種を忘れないように。
・3つのカバーはマークを合わせてセットする。間違うと極性が逆になってセルが回らなくなる(よね?)
マークと言うか線というか
最後に肝心のOリングを新品に交換。
新しいOリングは色が変わってました
配線も戻し、本体セット。
どきどきしながらセルオン。いつもどおり元気に回って一安心。
その後、またまた走り回ってチェックするもオイル漏れは無し。どうやら無事対応できたようだった。
さて、分解はしたものの結果的にOリング交換のみになってしまった今回の作業。
でもまぁ、これでしばらくセルの心配をしなくて済むと思えば無駄ではなかったかと。
それにしても今回買っちゃった新しいブラシ一式。この様子だといったい何時使うことになるのやら・・・
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