■走れるようにはなりましたが
さて、この先はいろいろありすぎてどう書くか悩んだのだけれど…「ありのまま、今起こった事を話すぜ!」
★
エンジンが組みあがって始動もできて一安心、んじゃテスト走行に出るとしますかね。
どうせまた外したりするので取り付ける外装は最低限。
キャリアには箱を取り付けて、中には工具を満載する。
財布の中のロードサービスカードも確認。いや、何しろ途中で何がおきるか判らないので準備は万全にしておかないと。
※↑自分の腕をまったく信用していない←正解
これは箱をつける前
サイドカバーも不要なんですが、無いと盗難車っぽいのでつけました
いつものとおりチョークを引いてセルオン。
バッテリーは満充電なのでセル問題なし。エンジン無事始動、なのだけれど。
どうにも調子が悪い。
エンジンが冷えている・シリンダーの当たりも付いていないとはいえ、スロットルを手で調整しないとアイドリングもままならない。
そして油断するとすぐにエンストしてしまう。
う~む、まだ組立時に付いたエンジンオイルとかが中で燃えきっていないのかな?
多少温まったところでゆっくりと発進してみる。
近所の路地裏を走るが…全然ダメダメ。
ぎくしゃくとまともに走らない。スロットルを開け目にしないと前に出ないが開け過ぎるとガクガク、閉じるとエンストという有様だ。
うわ、こりゃテスト走行どころじゃないぞ…
★
ガレージへ戻ってううむと考える。
原因はエンジンかそれともキャブか。
エンジン自体からは異音の類もなく、キンキンカンカン的な振動もなかった。いずれにせよ腰上を開けなおすのは最後の手段、ここはキャブだと仮定して考え
よう。
うちのセロー、4JG6の標準セッティングは、
「メインジェット(以下MJ)#125、パイロットジェット(以下PJ)#32.5、ニードルクリップ(以下クリッ
プ)3段(上から数えて:段が大きい=濃い)」
これを前回のブタ鼻失敗、マフラー交換後にMJ#130にだけ換えてある。これでそこそこ満足できるセッティングだったのだ。
今の設定は、修理を依頼した業者の方の相談して決めた、MJ#140、PJ#37.5
もちろんあくまでも仮のセッティング(車両の状態によってベストは異なるので)なのだけれど、話を聞いて「ボアアップしてもMJってあんまり変えないんだな」と思ったことを覚えている。
さて、今は濃いのか薄いのか。
プラグをチェックすると真っ黒。だがこれは先の組立時のエンジンオイルのせいかもしれない。
スロットルに敏感とすれば薄い時の症状のような気がしないでもないような…
「とりあえずMJを上げてみるか」
MJを#150にアップ。
エンジン始動。状況変わらず、というかどちらかと言うと悪化。
「濃かったのか…でも#140から下げるとこれまでと変わりなくなるような…って、アイドリング+極低速なんだからMJじゃないじゃん!PJの範囲 じゃん!」
5番手上げたPJ、実はこれ純正品ではない。
MJ同様、パーツ屋さんで「ミクニ大用パイロットジェット」として購入したものだ。
そして確かに取り付け時に、「5番しか違わないのにずいぶん外観が違うんだな?」と思ったのだ。
慌ててWEBで調べると、同じように「形が違うんですが大丈夫ですか?」的な質問がいくつか。
(但し回答は「付けてみて判断すれば?」的なものばかりではっきりせず)
ちゃんと「ミクニ大」を買ったんですけどね
「"原因を探すにはまず元どおりにしてから"ってのが原則だからなぁ…一旦戻してみるか」
MJ#130、PJ#32.5(純正品)、クリップ4段(←戻すと言いつつ諦め悪い)
これで始動すると…「お~!綺麗にアイドリングするじゃん!」
パラパラといつものとおり回り続けるエンジン。
うはぁ、やっぱPJが原因だったのか…
<余談>
PJが原因なのはほぼ間違いないのだけれど、それが番手によるものなのか、先のとおりモノ(種類)によるものなのかは不明。
そもそも市販品を買ったのは純正のPJ#37.5が欠品だったから。
#35は在庫ありのようなのでいずれ比較してみようと思っている。
快適にアイドリングするセロー。
排気音はちょい大きめか?エンジンからのノイズは逆に減った感じ。まぁ排気音と比較してそう感じるのかもしれない。
では改めてテスト走行に出るとしよう。
MJが小さめだと焼きつきが怖いけど、今回は慣らし運転と言うかテスト走行だし、スピードも出さない(上の回転域は使わない)ので大丈夫なはず。(多分 ね)
★
近所を一周、問題なし。
それではと大通りへ。宇都宮市には環状線という道路がぐるっと一周している。ここは道路も広いし、ゆっくりにも走れるし、どこでも自宅から 50km圏内(=ロードサービス範囲)だし、テストはここでやっつけよう。
おばちゃん、おじいちゃんの運転する軽自動車をペースメーカーにして走る。
速度は制限速度±10km/hという辺り。
よく「慣らし運転はレッドゾーンの半分程度で」と言われるが、セローにはタコメーターが付いて
いないので判断不能。なので「ベスト時の最高速が120km/hとして半分なら6速60km/hでしょ」と勝手に考えてみた。
#サービスマニュアル見ればギア比とトルク曲線載ってるけどね。
クラッチミートは慎重に。シフトアップは早めにだけれど、決して無理やり回すことなくトルクの厚い部分を使って。
パタパタと走る。
空は快晴、秋真っ盛りの風もさわやかで絶好のツーリング日和。
「あ~気持ち良いわぁ…」だったのだけれどね。ここまでは。
★
■お約束ですかそうですか
それが起きたのは走行30分、距離20kmという辺りだろうか。
信号待ちでニュートラルランプが妙に暗いのに気づく。
それはシールドをあけて確認してしまった程だ。そしてこの時はまだ日差しが強いせいだと思っていた。
次にウインカーが点かない事に気づく。
あれれと思って見ると、前の車のリアウインドウに写るセローのヘッドライトも消えている。
もちろんハイビーム側もダメ、ハザードなんて点く筈もなし。
「セロー!全電源消失しましたっ!」
「待て!なら何故動けるのだ!」
「うはははは、見たか!これがフライホイールマグネトー点火の威力よっ!」
★
メインヒューズでも吹っ飛んだかな?と首をひねる。
まぁこの先にパーツ屋があるし、そこの駐車場でチェックすればいいかとセローを進めようとして気づく。
「これ、きっとセルも死んでるよな」
エンジンを止めてしまいセルが死んでいるとなると再始動には押しがけしかない。だが実はセローはこの押しがけが苦手なのだ。
車体は軽いから押すのに苦労は無いが、リアタイアに加重が掛からない。
普通の押しがけではリアがロックしてしまう。
昔ながらの「押して飛び乗り横すわりシートドカンクラッチスパン」(←難解)なら掛かるのだけれど、シートが高いので結構危ない。
その昔アライレーシングスクールで鍛えたとはいえ(←何時の話なんだか)パーツ屋の駐車場で押しがけに失敗して向こう側にガッチャンするとヒーローになってしまう。
「うん、このまま帰ろう、エンジンを止めないようにして」
Uターン・右左折はもちろん手信号で。
そして普段は気にもしていないのに、いざ絶対クラッチミートに失敗できないとなるとシグナルスタートでのプレッシャー大きいわあ…
★
なんとか自宅へ戻ってチェック開始。
セルはやはり回らなかった。あの場でそれを思い付いた事だけは自分を褒めてやるとしよう。
そしてメインヒューズは異常なし。
予備との交換、テスターでのチェックでも同じだったのでこれは間違いない模様。
セルリレーの+側にあるのがメインヒューズ、反対側が予備(のはず)
せっかくなんでコネクタを掃除したりとか
念のためとバッテリー端子間電圧測定。9.5V
「うは、バッテリー逝ってるわ」
通常ならバッテリー劣化が原因とみるのだろうけれど、これは夏前に買ったばかりの品物だ。
もちろん不良品の可能性もあるけれど、今回ばかりは他に怪しい場所も多数ある。
とりあえずバッテリーが空っぽになったのが直接の原因として、それには更に別の理由があるはず。
「トラブルは直前に弄ったところを疑え!」が大原則でもあるし、バッテリー不良と決め付けないようにしなければ。
※ま、「修理と同時に別の場所が壊れる」という事も多いのだけれどね。
★
とにもかくにもバッテリー本体をチェックする。
確認の1:バッテリーに充電開始。翌日きちんと満充電(13V弱)になっていた。→大丈夫かな?
確認の2:バッテリーを車体に付けたまま放置。翌日11.4V、翌々日10.9V。→ありゃ?放電してるわ。
確認の3:バッテリーを車体から外して満充電、そのまま放置。2日後、満充電のまま。→やっぱバッテリー単体は大丈夫そう。
電圧だけで判断してはいけないのだけれど、なんとなく本体的には大丈夫そうに思える。
エンジンが掛かる=起電はしているということなので、多分ジェネレーターも問題なしだろう。
バッテリー、ジェネレーター以外で充電系となると、どこかで配線が切れたかレギュレータがパンクしたか。
勝手に放電していることを考えるとやはり配線の問題(リーク)のような気が…
というわけで、エンジン掛けてどこまで電流れてるか確認するのが早いのだけれど、平日の深夜にガレージでエンジン掛けるなんてのは無理だよねぇ…
<なのでもちろん続きます>
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