■YAMAHA SEROW 225WE (4JG6) セロー メンテナンス編

 

オイルフィルターカバーボルト穴リコイル
(&フリクションプレート交換)記


オールフィルターカバーボルト穴リコイル
取り掛かりましょう
 

 

 

garage Ak!rA

 

<2018年11月>

開始します

 「セローのオイルフィルターカバーのボルトをネジ切っちゃったよぅ~!」と泣いたのが2016年の11月
 「セローのオイルフィルターカバーのボルトをネジ切っちゃったよぅ~!」(再)がこの前、2018年の9月

 今、漏れるわけではないけれど、じわりオイルが滲むこともあるこのボルト穴。
 いつまでも放っておくわけにもいかないし、やっつけるとしますかね。


 今回の作業内容は2つ。

 表記、オイルフィルターカバーボルト穴のリコイル作業と、クラッチ(フリクションプレート)の交換だ。

 何故同時に行うかというと、「ガスケットとエンジンオイルがもったいないから!」 (貧乏性)

 リコイル作業用としての準備品はこちら。

・リコイルキット、M6サイズ1.0ピッチ用
 →ドリル、タップ、埋め込みコイル、挿入工具、つめ折り工具他
・タップハンドル


リコイル準備品

 この他にガスケット(クランクケースクラッチ側)も必要になるが、今回はクラッチ交換と併用ということで。

 尚、クラッチ交換については前回の作業を参照 
※但し部品値上がりにつきパーツ代合計は9K円弱にアップ

 それにしても工具が安くなったのには助かる。以前も書いたけれど、昔はリコイルキットというと10k円以上のゴツい奴しか売っていなかったのだ。

 今はリコイルキットが1.5K円、タップハンドルが1.0K円
 「工具の特許が切れたので安くなった」との噂もあるけれど、真偽は不明という事で。


 それではと作業開始。最初はクラッチ(フリクションプレート)を。

 ブレーキペダルとステップを外し、オイルを抜いてフィルターカバー、クラッチケースカバーを取り外す。

 そこからフリクションプレートを交換……の具体的な作業内容については、これまた前回参照ということで。


さくっと外れました


残念ながらガスケットは再利用不可(当然)


奥から3枚目は特殊プレート


……なんてことをあらためてマニュアルで確認しながら

 外したフリクションプレート。ざっくり測った厚みは3.0mmにちょい欠けるくらい。

 マニュアル上の使用限界が2.8mm、なのでまだまだ使えそう。まぁ「滑る」という程ではなかったわけだし。

 それにしても今の総走行距離が約6万5000km。ということは、前回交換から4万キロ使用してこの状態。
 最初が2万5000km走行であの状態だったので、それを考えると減っていないよなと思う。
 ま、俺は「半クラッチは罪」って言われた世代だからねぇ。

 ちなみに今回も交換しないクラッチプレートは前回掃除したままの状態。となるとやはり初回は何かあったのだろう。


 全てが外れたら各部確認、問題なし。クラッチバスケットも段差なしっと。

 オイル漬けにしてあった新フリクションプレートを組み込むのは先の逆手順で。

 クラッチスプリングまで付ければひと段落。

 ここまでのクラッチ交換にかかった時間は1時間丁度だった。


ホコリ防止にビニールをかけてっと


 さて、それではとメインのリコイル作業にとりかかる。

 ガスケット等々を掃除したクラッチケースカバーを抱え、いそいそと作業台へ移動する。


でじはやりますか

 作業手順としては、

1)・ナメた(はずの)穴をドリルでサラう
2)・穴にタップ(ネジ溝)を刻む
3)・コイルをねじ込む

となる。それではやってみよう!

 

 ……って思ってたんですけどね。 (前回もういいですか?って書いてなかったか?)

 

 いきなりつまずいてしまう。

 1)のドリル、2)のタップ。
 全ネジならなんの問題もないのだけれど、フィルターボルトのネジは途中からだ。

 つまり、穴中のネジ溝も途中からで、そこまでは「ネジが刻まれていないただの穴」なのだ。

 M6=6mmのリコイルコイルをねじ込むための下穴のサイズは6.3mm
 幸いにして先の穴部分は6.3mm以上だったけれど、タップはさすがに入らない。
 かといって、入口から延々タップを切っていくわけにもいかないわけで。


最終的にはこの形にしたいんですけどね

 「え~……ど~すんだこれ?」

 WEBを探すが情報なし。そりゃそうだ、これ、凄い限定された状況なわけだし。

 クラッチカバーをためつすがめつ。ひっくり返して考えて……「そうか、裏側からやりゃいいじゃん!」

 表を弄りたくないなら裏からやればいい。

 どうせカバー側には(サイズは小さいけれど)オイル抜き用の穴が開いているのだし、拡大しても悪影響はない。
 コイルはどちら側から入れても結果は一緒になるわけだし。


こっち側からやればいいでしょう

 (裏側から)作業再開。

■ 1)・ナメた(はずの)穴をドリルでサラう

 キット付属の工具を使用。
 本当は水平・垂直を出してやらなければならないのだけれど、下穴がしっかりしているので手動でも大丈夫。(甘い)
 作業後にはCRC-556で穴を綺麗に掃除。


ドリルり(?)ました

■ 2)・穴にタップ(ネジ溝)を刻む

 キット付属のタップと、別途購入したタップハンドルを組み合わせて行う。
 少し回してネジ山を作ったら一度少し戻し、また回して……を繰り返す。
 これまた曲がると大変なのだけれど、下穴がしっかりしているので手動でも大丈夫。(甘い)

 「にしてもタップなんて高校の技術家庭科以来だよなー」


慎重に慎重に

■ 3)・コイルをねじ込む

 これが問題。初めてやる作業だし、ボルトのネジ位置をきちんと合わせなくてはならない。

 慎重に位置を確認しながら奥へネジ込んでいく。手前(裏から作業しているので奥側)すぎるとカカリが浅くなるし、奥すぎるとボルトが最後まで締まらなくなってしまうだろう。

 ボルトを仮組みして位置を確認。「この辺りかな}というところまでコイルをねじ込む。
 その後、先頭のストッパを工具で叩いて折って固定する。


工具の先にコイルをセットして


作ったネジ穴に差し込んで


深さはこれくらい(かな?)


最後に別工具を差し込んで上からハンマーで叩いてストッパーを折る


 さて、これでできたんだろうか?

 裏からボルトを入れてみると綺麗にするする回って一安心。
 それじゃと表から差し込むと……「あれ?」

 ボルトの回りが明らかに固い

 締まらないわけではないけれど、(負荷がないのに)手で回すのが難しいくらいの固さ。
 一度締めこんでから外したら、ボルトのネジ部が若干削れているようないないような……

 「うん、これはコイルが曲がっちゃってるねっ!」

 どうやら完全に真っすぐにリコイルできてなかった様子。
 う~ん、やっぱりきちんと垂直出さなきゃ駄目だったか……

<余談>
 多分、失敗の原因は、下穴を開けるのを裏からやってしまったこと。
 表からやれば(途中までの穴が空いているので)垂直が出たと思うのだ。
 そして下穴さえきちんと開いていれば、タップはそんなに曲がらないはずなんだよね。

 ともあれ、締まらないわけではない。これで行くとしよう。(というかもうやり直しは効かないわけで)


 削り屑の付いたクラッチケースをこれでもかというほど洗浄する。
 ガスケットももう一度念入りに剥がすこと。

 エンジン側のガスケットも剥がして洗浄する。

 新しいガスケットをセットしててケースを付けて、プラスチックハンマーでコンコン叩いて合わせてやって。

 外したままに並べておいたボルトを対角線上に締めこんでいく。


ネジ締め忘れなし(3回確認しました)

 あとはブレーキペダルとステップ戻して、「やっぱ固いよな……」とぶつぶつ言いながらフィルター&カバーを取り付けて。
※件のボルトの締めこみ自体はカチっとできて一安心。

 ドレンボルト戻してオイル入れて……さて、これで一通り戻ったのかな?(除くエンジンガード)


 エンジンをかけての暖機の最中、クラッチレバーの遊びが大幅に変わっていたので調整する。
 前回もこんなに変わったんだっけ?そうか、あの時はプッシュレバーの位置も変えたんだよな。
※今回は変更の必要なし

 指さし確認の後、セロー発進。近所を軽く一回り。

 クラッチの切れ、繋がり、軽さ、全て異常なし。そして異音の類なし

 ガレージに戻った後、エンジン回りをウエスで拭いてオイル漏れ無しを確認っと。

 とりあえず、予定していた作業はなんとか対応できた様子。

 トータルの作業時間(クラッチ含む)3時間といったあたり。

 若干とはいえリコイルが曲がったのは残念だけど、ボルトがきっちり締まるのは確認できた。
 そして抜き差しで削れるとすればボルト側だけど、こっちは予備を2本持ってるからしばらくは大丈夫っと。(をい)

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